日本企業のブラジル派遣者のために、日本の進出企業が経営上最も重要な課題である労務管理、労使関係の解説、事例、資料をまとめている。
まずブラジルの労使関係を、雇用と労使関係、労働法制、貧困と治安、企業の社会責任、日本人派遣者の心得7カ条で概説し、次いで雇用、労務管理、労使関係、マネジメント、異文化理解と摩擦、派遣者の日常生活を、それぞれ豊富な事例で解説している。資料編として近年の個別労働法制改革の内容、現地労働事情と現地駐在に関するアンケート、ブラジル関係情報・資料などを付けている。ブラジル企業問題に詳しい小池洋一立命館大学教授を主査に、日伯紙パルプ、本田技研、丸紅、YKKなどの企業や経団連、日本労働組合総連合会国際局、在外企業協会の実務家が参加した委員会で取りまとめた。
ブラジルでの社会慣行・文化の違いや労使双方の理解不足から、派遣者が経験する恐れのあるトラブルの豊富なケーススタディは大いに参考になる。
((社)日本在外企業協会 2008年3月172頁 3000円+税 申し込み:電話 03-3567-9271,Fax 3564-6836)