25年にわたってアンデスやアマゾンを撮り続けきた写真家の過酷な取材の旅の中で、食と酒、飲み物に焦点をあてた、まさしく冒険的食生活の紹介。アマゾン河流域に暮らす人々の主食ともいえるバナナ、ユカ(マンジョカ)、ピラニアや巨大ナマズなどの多種多様な川と湖の魚の調理法、森と川のキャンプ生活での野外料理と旅の携行食料の工夫、蒸し焼きと薫製や干物その他の保存食の知恵、旅の携行酒と自家製酒醸造、そしてコロンビアの女性ゲリラ兵士も出入りする村の食堂、町や都会のレストランの料理、市場の素晴らしい味の熱帯果物、薬効があると信じられている蛇の脂や樹皮、樹液、根茎などを紹介している。
豊富な著者のアマゾン体験の中での見聞と写真は、読者にあたかも一緒にアマゾン河の探索旅行に行ったような気分にさせてくれる。
(平凡社 新書2008年6月208頁860円+税)