連載エッセイ223:ピーター藤尾「チリの風」その11 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ223:ピーター藤尾「チリの風」その11


連載エッセイ220

「チ リ の 風」その11

執筆者:ピーター藤尾(在チリ・サンティアゴ)

「2023年1月30日ー2月5日」

「政治」

1)ボリッチ動向

ドイツ首相のショルツがモネダ宮殿を訪問しボリッチと面談しました。彼はこの南米訪問で先ずアルゼンチン、そしてチリ、その後ブラジルを訪問しています。しかしチリに来たのは日曜日でした。週末は休みと言う風習はないのでしょうか?ボリッチと面談した後、チリ経団連と会議しました。なんでもチリの鉱物(銅やリチウム)の話が中心だったらしい。買い付けに来たのかな?

ボリッチとウクライナの大統領との会話の話はニュースになっていません。その後、ボリッチはバケーションに入り、木曜日に北パタゴニアのコジャイケに普通の飛行機に乗って他の乗客と話し合いながら目的地へ。しかし山火事が大騒ぎになったので彼は翌日の金曜日、ビオビオ州とニュブレ州に行きました。前回、大火事の後、バルパライソを訪問したのと同じようです。さらにサンティアゴに戻り週末モネダ宮殿でこの山火事をどう取り扱かうか大臣と会議しました。まったくバケーションを楽しんでいる雰囲気はありません。

さて世論調査では彼は統率力が無いとするのが86%と極端に高い数字でした。誰が見ても同じでしょう。それでも彼を信用するは少し上の31%になっています。新憲法委員会に関しては今回の2度目の委員会で前より良くなると思うのは43%、悪くなるは30%、同じとするのは23%でした。私なら前回はひどかったけど、今回も同じだろうと思います。各党から委員候補者が発表され始めました。

先日から問題になっている民間健康保険制度イサプレの危機感が増大しています。しかし識者はそれは最近起きたわけではなく、過去10年ほど問題は継続とか。 つまり右のピニェラも左のバチェレットも手を打てなかったわけですね。政府はこのままイサプレが衰退するのは容認できないと、対策を出すことを確認しました。右翼は政府の発言は先週と違って今週はまともだとコメントしました。300万人を超す人がそのシステムに加入していますから簡単な事項で無いことは確かです。確かに昨年はイサプレを脱退した人が17万人も出て、心配する声が大きくなっています。

先月、私が加盟しているイサプレの会社から連絡があり、昨年、私が支払った額が必要な額を上回ったのでその差額を払い戻しますとされました。それで今週、指示された銀行に行って、その額を受け取りました。もちろん、それなら払込額を少なくすれば良いのにと言う気はします。

「経済」

1)経済成長率

昨年12月はかなり落ち込むと予想されていましたが、1%ダウンですみ、年間では2.7%の上昇になりました。つまり2年連続でプラス成長でした。今年はマイナス成長が予想されていますが、銅価格が予想より高いレベルで粘っているため、大蔵省の予算にも余裕が出て公共投資が進み意外にプラス成長になる可能性はあるでしょうね。甘いか?CDS国家危機度は下がり、昨年の最悪期の半分になりました。

1月は為替で1ドルが800ペソを割るほどペソが強くなり、銅価格も上昇し、IPSAチリ株式市場も12月より上昇しました。それ関し、新聞の社説に今年は経済恐慌になると言う噂は薄れてきているが、まだ問題が大きいと言うのははっきりしていると書かれました。そうでしょうね。外人観光客が昨年は200万人あったそうで、正常化がすすんでます。ただ新車の販売は1月は27600台と過去21か月で最少と落ち込んでいるとか。

2)銅価格と為替

銅価格は1ポンドは4.14ドル、為替は1ドル781ペソでした。銅の価格は高値安定です。このためチリのペソは対ドルでずいぶん強くなりました。それもあってガソリン価格が下がっています。近くのガソリンスタンドで97オクタンは1460ペソでしたが、今週は1370まで下がっています。

「一般」

1)山火事

中部・南部のマウレ州、ニュブレ州、ビオビオ州、ラ・アラウカニア州で大規模な山火事が連続的に発生しました。今日の昼の発表では260か所に火災が発生しそのうち87件がコントロールできず延焼中とか。その面積は全部で4万ヘクタールと言われます。それが近くの町に襲い掛かり8百軒もの家屋が延焼し、死者が24名になっています。消防車が近づけない地区は空からヘリコプターや飛行機で消火に当たっています。そのヘリコプターの一機が墜落し2名死亡とか。厳しい状況です。一部の火事では人間の手によるものと(放火・失火)思われるものもあるらしい。ところで各国から援助の提供が来ているとか。うれしいですね。こういう状況で各地の自然公園の入場制限・禁止が発表されています。私が登っている山系もそのうち入山中止になるかな? 冬の日本でも茨城県で山火事が出たそうですね。

2)マプチェ

マプチェのウエラがアルゼンチンで逮捕され刑務所に入っていますが、彼はチリで放火などの罪で有罪になりました。しかし不法に出国しました。チリ政府は彼をチリに送還するようアルゼンチンに要請中です。

3)コロナ問題

今週は新規患者数は2000名を超すことはなく、毎日の新規陽性率も10%以下でした。つまり低め安定です。                     以    上

「2023年2月6日ー2月12日」

「政治」

1)ボリッチ動向

彼は先週からバケーションですが、一日だけの休みでその後は山火事のため仕事が山積です。月曜日、消火作業に当たる大型飛行機がチリについたのをコンセプシオンの飛行場で祝いました。水曜日、火事の現場として第8州のサンタ・フアナを視察。夏休みは後でとるのかな? 休暇に入っていた何人かの大臣は、そのまま休んでいますが、外務大臣は遊びに行ったコスタリカから戻り仕事につきました。

ところで現場に行ったボリッチはその様子を見て、混乱を避けるため外出禁止令を出させました。火事が残っている州の一部の地区で、夜12時から外は歩けません。この法案が出てすぐに逮捕者が出ています。被災者の救護をどうするか議論されています。2.5億ドルが緊急出費額として使用されるとか。もっとも現場で、火事で家や倉庫などすべてを失い、どうやって生きていけるのかわからないと泣く人が、政府も町役場も何もしてくれないとクレームしています。それでも夜のテレビニュースで簡易ハウスの建設が始まったと現場の様子が報道されました。そして週末にその完成したハウスが被災者に渡されたとか。

この森林火災の取り扱いはボリッチ政権にとって危機を招きかねないと言われますが、同じようなことはもう何度も起こっていますね。

新憲法委員会

もちろん、それだけでなく、この後の種々の選挙に関する協定が各党の間で結ばれています。与党側だけでなく野党側も二つに分裂したのが注目されています。もう目新しいことではありませんが。5月7日のその選挙に354人が立候補しました。

最低年金PGU

昨年政府のこのシステムで43.6万人が受給年金の額が上がりました。その上昇した額は何と30%だったとか。ピニェラの時に作られたシステムをボリッチはちゃんと活用しているのですね。年金が上がった人はニッコリですね。

「経済」

1)物価上昇率IPC

IPC1月のIPCは予想より上の0.8%でした。そして過去12か月の合計は12.3%。まだ10%を超えるひどい数ですが、それでも少しづつ下がっています。今年のIPCは昨年の予想では5%でしたが、現在では5.3%と少し高めになっています。しかし今年のGDPについて今までマイナス成長ばかり言われていましたが、一部のプロから、そうではなくプラス成長になる。しかもそれはプラス1%と言うコメントが出ました。もちろんプロですからその理論の詳細を発表していますが、チリが少し良くなっているとみる見方もあるのですね。

2)貿易

昨年の輸入は1045億ドルと前年対比13%アップでした。一方、輸出は975億ドルで3%上昇。そのうち銅が536億ドルと半数以上です。銅以外の輸出も 例えば、ロボットや薬品関連なども上昇しています。

3)銅価格と為替

銅の価格は1ポンド4.04ドルと少し下がり、このため為替も1ドル796ペソとペソ安になりました。銅価格の低下が心配です。

「一般」

1)山火事

84の火事が継続中です。今までに24名が死亡し37万ヘクタールそして1250軒の家が消失したらしい。この5か月で過去2年間の焼失面積を上回るとか。もっともその前の2017年には57万ヘクタールと今回より大規模な山火事が起きています。今年は消火が完結するのは3月だろうと言われています。スペインから来た消防隊のリーダーが遅かれ早かれ自分たちの手で消火をするとコメント。一日でも早くしてくださいと頼みたいところです。

ワインの材料になるブドウ園が火事になりイタタ地区では25%も消滅したとか。山火事に関してコロンビアから27人、メキシコから150人の消防士が到着しました。そのほかの国からも続々と。消火飛行機が一機南部で事故で墜落しましたが、パイロットは助かったようです。

さてトルコで大地震が起こり隣のシリアと合わせると3万人を超える多くの死亡者が出ていますが、識者の見解で、その地震は近年チリで起こったものとほぼ同じ大きさだが、チリとは被害に大きな差が出ている。その理由は家屋が耐震設計になっているかが問題で、トルコはともかく隣のシリアでは耐震設計は全くなかったので建物の崩壊は顕著です。チリはさらに耐震建設を行う必要があるが、見本になるのは日本だとしています。

2)コロナ問題

新規患者数は2千人以下、陽性率は10%以下と、低めに安定しています。もうマスクをしている人はほとんどいません。

3)犯罪率の増加

10万人当たりの殺人率はチリの場合、2021年は3.6人、それが2022年は4.6人になり28%の上昇。これはラテンアメリカで3番目のひどい数字とか。チリよりひどいのはエクアドルとウルグアイでした。

「2023年1月13日ー2月19日」

「政治」

1)ボリッチ動向

大統領広報によると、彼は木曜日まで毎日のように南部の森林火災の現場で働いたようです。そこで被災者を援護すると声を上げて宣言しています。

鉱山関係で鉱山ローヤリティと言われる税金がありますが、共産党と新左翼がそれを森林業界にも向けて森林ローヤリティ税を作ろうとしています。彼らは資本家、金持ちから税金を取って貧乏人に回すと言うのを最高の策と考えています。しかし内務大臣は政府にはそんなアイデアはないときっぱり拒否しました。今までチリの政治の責任を担ってきたのは中道左翼(社会党やキリスト教民主党)ですが、今回の政権では新左翼・共産党がメインを占めているので、与党内でも双方がほとんど敵味方のようになっているのは明白です。ところがボリッチは自分の基盤の新左翼でなく中道左翼グループに接近し始めているとコメントされるようになりました。その方が自分の政権の安定さが増すと考えるのでしょうね。

チリの風に頻繁に書かれているこの問題は資本家と政府の関係にも悪影響を起こし、社会混乱が起きてもそれを政府の問題にせず、資本家が悪いと言うような風潮にするのは容認しがたいと言うコメントもされています。次の選挙で共産党・新左翼は議席を大幅に減少させると思いますが、どうかな。

同じような例ですが、元大統領候補マルコ・エンリケ・オミナミ(略してmeo)がソキミチ関連の汚職の容疑で裁判になっていますが、新左翼の人民党はピニェラ政権の時にその容疑をかけられたが、彼は政治犯だと彼を援護しています。おまけに彼の友だちのアルゼンチンの大統領フェルナンドもそれにコメントして、犯罪に関与しているとする明確な証拠もないのに裁判にするなとチリを批判しました。もちろんチリ政府はすぐに反応して内政に関与しないでくださいと依頼しました。この先の話題になりそうです。

新憲法に関して、世論調査では42%の市民が新憲法には興味がない(若しくは少ない)となっています。社会騒乱の時には90%近くが新憲法を願ったのですが。

基礎食品価格と言う基準がありますが、今月の発表ではそれが6.5万ペソまで上がりました。このため貧困層と呼ばれる低所得者の数が30万人も増えたとか。

「経済」

1)銅価格と為替

1ポンド当たり4.02ドルと先週より下がりました。来週はもう4ドルを割りそうです。森林火災も厳しいけどこの銅価格の低下はボリッチに大きな打撃を与えるでしょうね。

為替は1ドル794ペソとペソの価値が下がってきています。チリ株式市場のIPSAは今週2.2%下がり5323ポイントでした。IMFの発表では米国・EUそして中国も今年は経済成長率がプラス成長しそうですから、チリにとってそれらはプラスになるはずです。

それでも今週発表の大蔵省の予想ではチリの今年の経済成長率はマイナス0.5%からマイナス0.7%になるだろうとのこと。

2)ウクラニア戦争

ロシアが戦争を仕掛けて1年経過しましたが、その間、どんな動きがあったかという記事が出ました。原油は開戦1か月以内に急上昇しましたが、今は戦争前より低くなっています。銅価格も同じように急上昇しましたが、現在は戦争前より低め。小麦粉なども同じ状況。戦争で物資不足になると市場が反応したけれど、結局はそれほど影響はしないとなったのですね。この先、どうなるかな?

3)新車の販売

昨年は好調だったのですが、今年の1月は前年対比26%のマイナスでした。今年の年間予想は16%の減少とか。今年はどうなるかな?

「一般」

1)山火事

77か所で消火作業中です。今までに437ヘクタールが燃え、そのうち56%が森林だったらしい。損失は20億ペソになるだろうと大蔵省の推察です。消火が進んでいますが、新しい火事もあるので、完全に鎮火するのはまだ先のことの様です。放火失火の疑いで32人が逮捕されたとか。

さてマプチェの過激組織CAMが犯行宣言を出しています。彼らは大型銃をもって木材運搬のトラックに近づき重火器で運転手を脅し、その人が車を降りれば、トラックに放火。火は後ろの森につながります。サンティアゴも金曜日、サン・クリストバルの丘で火事になりました。私は昼頃、妻と近くの屋上レストランにいたのですが、彼女が煙を見つけ

確かに火事になっているのが分かりました。0.3ヘクタール燃えたとか。

さて今週から緊急ハウスが火事の被災者に届けられています。ボリッチもその家のプレゼントの式に参加しました。それらのケースの中で、ある人が政府に感謝したいが家の広さは25平方メートルで、親子3人がどうして暮らしていけるかとがっかりしていました??

2)刑務所

今年第1回目の全国刑務所チェックが実施されました。そして486個のナイフが見つかり、禁止されている携帯電話が216個。麻薬も300グラムのコカインが見つかりました。

これとは関係ありませんが、爆弾が置かれているのがサンティアゴで見つかりました。ホリデーインホテルの向かい側とかで、この5か月で3回目です。

犯人はその近くをぶらぶらしながら爆弾が破裂するのを楽しみにしているのでしょうね。いつか負傷者が出て事件になるでしょう、犯人が捕まらなければ。全部、東部のラス・コンデス区とか。そこは私の住むところですから、そんな事件に巻き込まれたくはないです。

3)ビーニャ音楽祭

4年ぶりの音楽祭が戻ってきました。出場歌手などがチリに到着してビーニャのホテルに入るところがニュースに出ます。そのファンがホテルの前に列をなして待っているからです。今日から本番です。もっとも私の好きな歌手・グループは少ないので毎晩番組を見るつもりはないですが。

4)コロナ問題

毎週同じです。新規患者数は2000名以下、陽性率は10%以下と、低め安定です。以上

「2023年1月20日ー2月26日」

「政治」

1)ボリッチ動向

大統領府の案内に彼の動向は先週の木曜日までしか書かれていません。と言うことはバケーションに戻ったのでしょうね。それでも何かやっていると新聞には出ています。その一つはニカラグア難民の件です。中米ニカラグアでオルテガ政権に反対した人たちが政治犯として刑務所に入っていましたが、政府はその人たちを釈放するとしたので、アメリカは難民として入国を認めるとしました。チリも同じようにチリにくれば居住権と国籍を与える特別待遇をするとボリッチは発表したようです。その一人の作家の女性はボリッチに感謝しチリ国籍を受領したいとしています。もちろんオルテガを支援するチリ共産党はそのボリッチ案を不愉快に感じています。左翼の議員が「オルテガは独裁者として人民を迫害している。それを認識すべだ」としています。与党内の対立はいつもの事ですね。その政治犯になっていた人の中には大統領選挙でオルテガと対決した人もいるとか。俺の言うことを聞かなければ刑務所に送ってやると言うスタイルでしょうか。昔、北米から南米に旅をしたとき、その国を通過しましたが、国というより村と言う感じがしました???。

さて3月8日にボリッチが大統領就任して2年目になりますが、内閣改造の話が出ています。大臣変更になるのでしょうか。ボリッチの奥さんはファーストレディーの職を辞任しましたが、最近スペイン旅行をしました。その費用を彼女は政府から引き出したと新左翼議員パメラ・ヒネスが訴えています。普通、旅行するのは自分の財布から費用を払いますが、ボリッチの奥さんは国の金を使ったのかな?どこに証拠があるのかわかりませんが、身内の新左翼から厳しいコメントです。内部争いはもう毎週同じですけれど。ボリッチは貧困層を守れと社会騒乱を立ち上げたのですが、自分が金持ちになるとそれを忘れて国の金を勝手に使うのでしょうか?

それから今年は軍事革命が起きてから50年の記念の年です。左翼(特に共産党)と軍隊の間で大きな議論が起きる可能性があります。南部と同様に北部にも軍隊の駐屯を認める特別法案がありますが、政府は北部の軍隊の撤退を明日の月曜日から実施します。それに関して北部の市町村長は不正移民が毎日途切れず入ってくるが軍隊がいなくなれば警察のコントロールはほとんど不可能になるだろうとクレームしました。来週、内務大臣が様子を見るため現地を訪問するとか。

ところで世論調査でボリッチを支持するは30%、不支持は64%でした。いつもと同じですね。ところで、このチリの風を読んでいる読者の人は支持する・しないのどちらになるかな?

2)失業率

OECDの発表で2022年の失業率は平均は5%でした。加盟国で最悪はスペインで12.9%、チリは7.9%と第7位になっています。

「経済」

1)銅価格と為替

1ポンド当たり3.99ドルと4ドルを割ってしまいました。そのため為替で1ドル827ペソとチリのペソの価値が一気に下がりました。銅価格の上下で一喜一憂ですが、これが4ドルを割ったままなら今年のチリは困難な状況になるのは明白です。

2)TPP11

チリが正式に加盟しましたので、多くの品目で税金が下がるでしょうね。昨年のチリの輸出は前年対比3%上がりましたが、中国向けは5.3%アップになり、全体の38.5%とか。中国さまさまですね。メインの銅の輸出も中国頼みですし。

3)チリからの外資撤退

この3年で300億ドルが出て行ったとか。2020年は98億ドル、2021年は115億ドル、2022年は104億ドル。えっ、これからどうなるの? あの社会騒乱以降、チリの人気・信用度が落ちたと言う証拠でしょうね。金持ちの野郎、お前たちの好きなようにはさせないぞと新左翼・共産党グループが暴れたのですが、優等生だったチリがありきたりの国になってしまいました。そのリーダーだったボリッチが大統領ですから信用が戻る可能性はないですね。新聞の社説にこの重要事項に関し政府はどう対応するのか、しているかはっきりさせてほしいと出ました。

大蔵大臣は私が担当した2022年はその前の年より少し良くなっているとニコニコ顔でコメント。ちゃんとわかっているのかな?外資の引き上げで、閉鎖した会社は多く、その関連会社に働いていた人たちは全員、失業ですね。それがチリの失業率を上げていますが、大蔵大臣、分かっているのかな?もっともチリだけでなく世界のほかの国でも似たようなことが起きていると言われます。それとは関係ないですが、昨年全国で131の銀行支店・営業所が閉められたとか。銀行は利益が出ているようなのですが?

4)サーモン会社

カマンチャカは2021年948万ドルの赤字を出しました。ところが、昨年はサーモン価格が急上昇して、例えば第3四半期はキロ当たり7.8ドルになり年間合計で4470万ドルの利益が出たとか。同じサーモンでもそんなに値動きがあるのですね。

「一般」

1)山火事

ビオビオ、ニュブレそしてラ・アラウカニアの3州の各地で何百ヘクタールもの燃えた火事があふれていますが、合計すると35万ヘクタールになるとか。157の火事は収まりましたが、まだ消火中なのが21か所もあるとか。燃えた家屋は2328軒になるらしい。死亡者は25名です。内閣府の発表でその火事の25%は人為的なものが原因とされています。森林局はそれよりもっと高い数字を考えているとか。

それに関し、政府は森林管理の会社の運営に問題があるのではと責任転嫁のようなコメントをしました。放火が多ければ、その犯罪を抑えるのは政府の責任で森林運営会社の責任ではないだろうとコメントされています。ところでその放火に関し、マプチェの過激組織CAMが犯行宣言をしていますが、そのグループの取り締まりを政府は何故できないのかとするコメントがあります。昔のピノチェット軍事政権の時なら、そのグループの全員を逮捕するでしょうね。

校舎の延焼がかなりの数になりますが、どうなるのでしょう。今はともかく、秋になると気温が下がり雨が降り出しますから校舎がないと授業はできなくなりますね。オンラインで授業なんてできるかな?3月から新学年ですが、南のビオビオ州の一部の地区はこの火事のため始業式を延期して3月13日にすることにしたとか。全国で 新学期のために児童生徒の学用品を買い求める親子があふれているようです。

全国的に夏休みの終焉で、この週末は30数万台の車が首都圏に戻って来ました。そのほかにバスで戻ってくる人が30万人になるとか。つまり来週から交通渋滞がひどくなるわけですね。

2)ビーニャ音楽祭

6日間続いた音楽祭が終わりました。1万5千人を収容すると言う劇場が連日満員でした。確かに人気のある音楽祭ですね。私はロス・ハイバスというグループを見たかったのですが、開始が深夜になったので不可能でした。その満員の観衆は誰もマスクはしていませんし、距離もあけていませんから、この後、コロナにかかる人が出るのでは?

3)コロナ問題

悪くなりました。今まで一日1000人台でしたが、今週は最近、毎日2000人を超え、陽性率も10%を超えました。これからまた数字が上がっていくのでしょうか?

4)飛行場

先月は空港の使用客が200万に達したようです。国際線は対前年78%アップで87万人。もっともコロナ以前の2019年の数字109万人にはまだ遠いです。

4)黒崎愛海事件

行方不明になっている黒崎さん殺人事件でチリ人のセペダが有罪になっていますが、その再審判が開始されました。チリでは毎日のようにニュースになっていますが、あまり進展は無いようです。

以   上