『モレの国メキシコ』 マダジュンコ | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『モレの国メキシコ』 マダジュンコ


広告、ウィンドーディスプレイ、舞台美術なども手がける造形作家の画文と写真によるメキシコ紀行。メキシコの肉の煮込み料理ソースであるモレのように、チレ(唐辛子)、スパイス、チョコレートなど思いも寄らぬ素材が強烈な個性でぶつかり合って、一度食べたら病みつきになるメキシコの魅力を、そのルーツである古代文明もまじえて紹介している。

メキシコ・シティ、テオティワカンとエル・タヒンEl Tajín、プエブラ、オアハカといった都市に滞在し、ビジャエルモサのオルメカ文明とパレンケ、チェトマルChetumal、シュプヒルXpuhil、メリダ、チチェン・イツァーといったマヤ遺跡を訪ねるが、画家フリーダ・カーロの苦悩に満ちた中での制作活動と彼女の夫ディエゴ・リベラの壁画やメキシコ料理などにも関心を抱きつつ、メキシコ文化の源である古代文明の遺跡を訪れ、丹念に地図やスケッチ図まで書いている。

写真、著者自身の多彩な絵やスケッチと文章が混然と、それこそモレのように混じり合っていて、見ているだけも楽しい。

(馬田純子偕成社2009年2月175頁1800円+税)