執筆者:Ruben Rodriguez Samudio(早稲田大学法学研究科講師・パナマ共和国弁護士)
A.パナマ首都圏都市交通の延長
パナマ政府とカナダのFirst Quantumの子会社である鉱業会社のMinera Panamáの採掘権に関する交渉が続いている。1月26日にパナマ海運庁はMinera Panamáの利用したPunta Rincon港の運営許可を取り消し、12月末に政府の命令によって鉱山の運営が停止されため、既に採掘した銅の輸出は禁止されている。これをもってFirst Quantumは、2月19日に、政府との交渉が成立しなければ、2月23日から段階的に社員の解雇を始めると発表し、社員は反対のデモを起こした。労働局は、2月23日午後時点では、労働契約の解除手続きについての通知がないと発表した。
First Quantumの発表に対して政府は、パナマ人労働者の生活を威嚇せず、2022年1月に承諾した契約を署名するように声掛けている。2022年12月に交渉決裂してから、更に対談が継続し、争点は20から2まで絞られたとわかった。Minera Panamáは、2017年に最高裁判所に違憲と判断された契約に基づいてロイヤリティーを払おうとしたが、政府は受け取りを断った。
2022年1月にパナマ政府がMinera Panamáに対して採掘のコンセッションを更新するために、新たな契約を提供した。新しい契約では、ロイヤリティーは売上総利益に応じて、12%または16%とされ、3億7500万ドルの最低ロイヤリティーと規定された。さらに、Minera Panamáは所得税免除が廃止され、25%の所得税支払い義務、および労働者の保護、環境保護が強化された。政府の申し込みに対して、1月17日にMinera Panamáは政府の提案を承諾すると発表したが、契約の詳細に関する交渉は約一年続いたため、政府が2022年12月に採掘作業の停止を命令した。同月、Minera Panamáは、パナマに対する二つの仲裁手続きの開始を発表した。
B.歳入の赤字
2022年の歳入は、132億ドル(前年同期比13.8%増加)、そして歳出は、162億ドル(前年同期比1.7%増加)になったことが分かった。会計検査院は、2018年を基準として2022年のGPDは10.5%増加し、パンデミックを乗り越えたと述べている。国の財政は、GDPの3.92%赤字化しているが、法律の定める4%を超えていない。 2020年の赤字はGDPの9.8%(52億2千万ドル)、2021年の赤字はGDP5.5%(35億2200万ドル)であり、減少傾向が継続している。
A.金融活動作業部会(GAFI)のグレイリスト
2023年2月24日に、金融活動作業部 GAFIは2021年と比べて、パナマ政府の対マネーロンダリング措置は後退しているため、グレイリストからの削除を拒否した。 GAFIは、パナマに対して、15の目標の対マネーロンダリングプランを提案し、パナマは既に13件を達成していると評価された。しかし、法人に関する金融情報の収集や当局への提供について更に努力が必要であると指摘され、グレイリストからの取消は拒否された。
B. パナマの援助隊
パナマ政府が、トルコに20人の援助隊を派遣した。パナマの援助隊は、20年間以上の救済経験があり、メキシコ、チリ、エクアドル、ハイチ、コスタリカにも派遣されたことがある。援助隊は、カフラマンマラシュ県およびハタイ県で、救済活動を行い、2月24日にパナマに帰国した。