『ジャポネース・ガランチード —希望のブラジル、日本の未来』  丸山 康則 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『ジャポネース・ガランチード —希望のブラジル、日本の未来』  丸山 康則


書名は「信頼される日本人」の意味で、ブラジルで日系人が誇りをもって使ってきた言葉だという。著者は、交通心理学、事故予防、労働安全分野を専門とする麗澤大学名誉教授で、2008年に同じ出版社から、ブラジルで活躍する日系人とのインタビューなどで構成する『ブラジル百年にみる日本人の力』の著作を出しており、本書はそこで紹介しきれなかった「ブラジルで出会った人々」の紹介と日系人社会と日本人のあり方についての論評を載せたものである。

パラナ州選出の上野アントニオ連邦下院議員、サンパウロ州レジストロでブラジル初の紅茶栽培を成功させた岡本寅蔵・久江夫妻、アマゾンほかブラジル各地へ巡回医療を行った細江静男医師、天皇陛下や皇族方のブラジルご訪問の際の警護武官を務めた西 礼三サンパウロ州軍警察官、洋蘭の大量栽培法を実現させた高梨一男氏、セラード農業開発の本格化以前に入植しコーヒー農園を造った下坂 匡氏や農務大臣特別補佐官として関わった山中イシドロ氏、サンタカタリーナ州の村で果物・野菜栽培の傍ら剣道場を作った尾中弘孝氏、JICAの技術協力でブラジル農務省に派遣され、同じ州のサン・ジョアキンにブラジルで初めてリンゴ栽培を成功させた後澤憲志博士とその教えを受けた日系農家の人たち、サンパウロ州教育局が日本人移民100周年記念取り上げた「ビーバ・ジャポン」プロジェクトを主導し、今は日本から帰ってきた日系人子弟の教育に携わる日野寛幸氏など、様々な分野でブラジル社会に貢献する日系人を訪ねて、聞き取りを行っている。

((財)モラロジー研究所発行廣池学園事業部発売2010年1月351頁1700円+税)