『スペインと中南米の絆 -意識しないほどの深いつながり』 渡部 和男 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『スペインと中南米の絆 -意識しないほどの深いつながり』  渡部 和男


 スペインが大航海時代に到達し3世紀にわたって植民地として支配した中南米との関係を、歴史的、文化的観点から概観し、続いてスペインと中南米相互の相手に対するイメージ・意識、スペインと中南米のスペイン語の違いとその背景、さらに飲食物の由来などの文化面、コロンブスの交換と言われる新大陸からスペインに伝わったものとスペインから伝えられたもの、中南米に入ってきた人種、民族、宗教、移住、対米関係の観点、中南米の貧困の原因、債務問題までを取り上げ、最後にスペインと中南米との間の特質として人間関係と性格、ラテンアメリカ社会の特質、政権移行期、独立運動、諸内戦・戦争の場合の意思決定を両者の類似点という観点から論じている。
 外務省に入りスペイン語を研修したのを皮切りに、スペイン、アルゼンチン、イタリア等に在勤、パラグアイ、コロンビア大使を経て退官した著者がスペインと中南米のつながりを理解するためにと、体験と交友等による知見から知り得た様々なテーマを縦横に綴った平易なエッセイ風の評論集。  

〔桜井 敏浩〕

(彩流社 2023年2月 256頁 2,500円+税 ISBN978-4-7791-2875-2 )
〔『ラテンアメリカ時報』 2023年春号(No.1442)より〕