『中南米の音楽 —歌・踊り・祝宴を生きる人々』 石橋 純 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会
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『中南米の音楽 —歌・踊り・祝宴を生きる人々』 石橋 純

日本ではややもすると「陽気で明るい、音楽と踊りを楽しむ中南米の人々」という単純な思いこみが一般的だが、中南米音楽の歌詞に社会批評が込められ、リズムに深い苦悩が秘められていることがある。本書はそういった深い背景とそれを知ることによる中南米音楽の魅力を解説したもので、国際交流基金による2008 年の10回にわたった異文化理解講座の担当講師が、講義内容を発展させ書き下ろしたものである。実に様々なジャンルがある中南米音楽のうち、アルゼンチン、ブラジル、ボリビア、ペルー、ベネズエラ、ジャマイカ、キューバに、サルサやチカーノ音楽が行われている米国を加えた10章から構成されている。

その国の音楽自体がまだ日本ではあまり知られていない国については入門的な解説も付し、特定のジャンルが知られている国にはそれ以外の音楽にも言及し、広く解説書などがある国については特定の話題を深く掘り下げる工夫がなされているが、全般的には高度な中南米音楽概説書になっている。

(東京堂出版  2010年3月  260頁  1,800円+税)

〔『ラテンアメリカ時報』 2010年夏号 (No.1391)より〕