「ロハスピープルのための快適生活マガジン」というこの月刊誌は、毎号環境問題などを幅広く取り上げているが、本号は「生物多様性のワンダーランド!」としてブラジル特集を組んでいる。
世界最大の氾濫平原パンタナール」の美しいカラー写真から始まり、アマゾンで天然ゴム採取人から熱帯雨林保全活動家を経て政治家となり、現在次期ブラジル大統領選挙に挑戦しているマイア・シルヴァ元環境相をはじめ、そのほか様々な立場で活動している15人のグリーン・ファイターの紹介、アマゾン先住民支援NPO団体の事務局長による現地レポート、リオデジャネイロのファベーラ(貧困層集住地域)での手工芸協同組合、日本人移住者によるアマゾンのトメアス移住地での混植農法、BOVESPA(サンパウロ証券取引所)が世界に先がけて始めた非営利の社会・環境事業への取り引きシステムの紹介、バイオ・チップや自然化粧品事業、オーガニック・マーケット、そしてブラジルから持ち帰ったエコ製品など、この雑誌ならではの新しい視点でブラジルを紹介しており、64頁にわたるカラー写真満載の大特集は、ブラジルは一応知っているという人たちにも一見を薦めたい。
(木楽舎発行月刊2010年9月170頁762円+税)