講演会報告:味の素株式会社 佐々木達哉取締役執行役専務「味の素グループの中南米事業 ~現状と展望~」2023年5月19日(金) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告:味の素株式会社 佐々木達哉取締役執行役専務「味の素グループの中南米事業 ~現状と展望~」2023年5月19日(金)


【演題】味の素グループの中南米事業~現状と展望~
【講師】佐々木 達哉氏 味の素株式会社 取締役執行役専務
【日時】2023年5月19日(金)10:00~11:30(日本時間)
【場所】オンライン
【参加者】78名

 講師は2019年にブラジル味の素社の社長として赴任、2022年に帰国するまでコロナ下のブラジルを経験された。味の素社は1909年の創業以来、ASV(Ajinomoto Group creating Shared Value)経営に取り組んでおり、今年2月28日には「中期ASV経営 2030ロードマップ」を発表し、新たな成長戦略を打ち出した。

 ラテンアメリカ事業は1968年のペルー味の素社設立、翌年の生産工場操業に始る。ブラジル事業は1956年の販売法人設立、1977年Limeira工場竣工により自社生産開始。現在、4法人(ブラジル、ペルー、メキシコ、エクアドル)、4支店(アルゼンチン、コロンビア、チリ、ボリビア)を擁する。ブラジルでは調味料SAZONが約70%の世帯に浸透している。東京オリンピックに際しては、Victory Projectによってブラジルのアスリートを支援。ペルーでも味の素の他、Doña gusta等の調味料が高いブランドポジションを占めている。

 今後の取組みとしては、Area戦略の強化(調味料、即席麺に次ぐ商品)、グリーン(PBP:plant based protain、農業分野への貢献、地球環境への負荷の軽減)、アミノ酸バイオサイクル(循環型アミノ酸発酵生産)、フードロス削減(「捨てたもんじゃない」)、プラスチック廃棄物削減(ブラジル味の素社の取組)等を実施、計画している。

 講演後の質疑では、南米の人々の味覚の特徴、味の素の原材料、冷凍食品の導入の可能性、スタートアップとの連携、コーヒー農家支援、グローバル競争(特に中国)、フードロスへの対応、味の素の賞味期限等々の質問に対して丁寧にお答えいただいた。


<会員限定 「録画」「資料」>味の素株式会社 佐々木達哉取締役執行役専務「味の素グループの中南米事業 ~現状と展望~」