1961年に23歳で技術者としてブラジルに移住、5年間滞在し、その後一旦帰国したが1967年に再度ブラジルに渡って、以後約20年余のブラジル・フォルクスワーゲン(VWB)勤務をはじめ、GM、フォード、クライスラーと自動車産業で働いてきた著者によるブラジル渡航と仕事や生活の記憶。
「長く現地で暮らした著者が綴った日本人の知らないブラジル」と表紙に副題があるが、アマゾンについての記述は旅行やVWBが経営した大牧場訪問、金採掘ラッシュなどごく一部で、最初の渡航と帰国、二度目の船旅の詳細な記録が半分近くを占める。その他、ブラジルでの仕事とVWBでのQC運動担当時のアルゼンチン、チリ出張の思い出、ブラジル人の生活ぶり、日本人と大きく異なるブラジル人気質と比べた最近の日本人の意識・発想に対する私感なども交えた雑感記。
(栄光出版社2011年6月279頁1500円+税)