講演会報告:ブラジルヤクルト商工株式会社 根本篤社長「日本発祥プロバイオティクス製品の世界市場深耕と拡大」:2023年6月14日(水) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告:ブラジルヤクルト商工株式会社 根本篤社長「日本発祥プロバイオティクス製品の世界市場深耕と拡大」:2023年6月14日(水)


【演題】日本発祥プロバイオティクス製品の世界市場深耕と拡大
【講師】根本 篤氏 ブラジルヤクルト商工株式会社社長
【日時】2023年6月14日(水)10:00~11:30am(日本時間)
【場所】オンライン
【参加者】41名

 ヤクルトは、「世界の人々の健康と楽しい生活づくり」に貢献するという企業理念の下、日本を含む世界40カ国/地域で販売している。同社はヨーグルト飲料では世界第2位のシェアを占める。海外進出は1964年の台湾に始まり、1968年にブラジルに進出。現在、ラテンアメリカでは、ブラジルの他、メキシコ、ウルグアイ、ベリーズで販売している。

 現地では日本式販売システム(宅配)を構築し、健康と共に女性の社会参加に貢献。ヤクルトのラテンアメリカのヨーグルト飲料市場でのシェアはダノンに次ぐ第2位。ブラジルでは、日本式宅配システムをゼロから構築すると共に、乳牛飼育により川上部分までカバー。ブラジルのヤクルトレディ(約4,300名)は赤い手押し車で40~50軒を担当。スーパー等では試飲販売も。ヤクルトのブラジルでのブランドイメージの浸透率は高い。

 Yakult Group Global Vision 2030は2030年の販売目標を2020年比30.8%増としているが、原材料(牛乳、砂糖)の価格高騰、社会格差拡大等、市場環境は厳しい。そこで、宅配販売網の維持・拡大を図る他、健康セミナーや工場見学(オンラインを含む)を通して地域コミュニティへの浸透を図ろうとしている。また、ソーシャル・メディアを通しての健康情報発信、ブラジル水泳連盟、野球連盟への協賛等の活動を行っている。

 講演後の質疑では、メキシコとブラジルにおける宅配システム、宅配の与信管理、チリ市場、日系人・日系人社会との関係、Cool Chain・Cold Chain、野球連盟・水泳連盟との関係、特定健康食品の臨床試験、前ルーラ政権と現ルーラ政権のルールの違い、宅配業への進出の可否、日本人の駐在期間、等多くの質問が出され、根本社長には丁寧にお答えいただいた。


<会員限定:資料>ブラジルヤクルト商工株式会社 根本篤社長「日本発祥プロバイオティクス製品の世界市場深耕と拡大」