2008年の日本人ブラジル移住100周年を記念して、アンドレ・アマド駐日大使(当時)の発案で、日本人のブラジルの理解を深めるための基本的な事項解説書を日本語・ポルトガル語対訳で刊行することになり、BNDES(国立経済社会開発銀行)やブラジル銀行の後援を受けて実現にこぎ着けたのが本書である。
ブラジルの多様性と風俗、習慣、文化の潤沢さで示す100のキーワードを、シセロ・サンドロニ ブラジル文学アカデミー会長はじめ各界の著名な識者が執筆している。内容としては、歴史、自然環境・開発、文学・芸術、民俗・文化、現代社会とブラジル人とは?などに大別されるが、まさしくブラジルの多様性と統一性を同時に達成し、人種・文化の混淆性、多彩な地域主義を網羅している(三田千代子 上智大学教授の出版記念会での解説)。
ブラジルの奥深さを、贅沢な執筆陣がそれぞれの蘊蓄で記述していて、各項毎の扉写真も装丁も素晴らしいが、ブラジルの文化、社会にある程度通じた者でないと理解が難しいかもしれない。
(ブラジル連邦共和国政府 文化省編集主幹:アルナウド・ニスキエ 2011年318頁 非売品)
駐日ブラジル大使館では、余部がある限り配布可能としているので、入手希望は大使館文化広報部 brasemb@brasemb.or.jp へ照会を)