『ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート』「2030 年に向かって折り返し地点となる 2023 年時点でのラテンアメリカ・カリブ地域の SDGs 進捗状況」桑山幹夫 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート』「2030 年に向かって折り返し地点となる 2023 年時点でのラテンアメリカ・カリブ地域の SDGs 進捗状況」桑山幹夫


2015年9月の国連サミットにおいて「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を支える「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されてから、8年が経とうとしている。2023年は、ラテンアメリカ・カリブ(LAC)地域にとっても17の目標の達成への道のりの折り返し点となる。そこで、LAC地域のSDGs達成に向けた進捗状況をみると、2020年以降に世界で大きな犠牲を出したコロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、米中間の地政学的対立、金利の上昇やインフレの再燃などの世界的な動きの影響を受けて、これまで足踏み状態にあったSDGsの達成がさらに難しくなっている。

本レポートは、LAC諸国によるSDGs達成をさらに難しくする国際環境や地域特有の構造的課題を踏まえたうえで、ECLACの直近の報告書をもとに、その他の関連文献を参考にしながら、LAC地域の2023年4月の時点でのSDGs進捗状況の概要、SDGs目標達成に向けての行動や達成を加速するために必要な公共政策について解説する。

2023 年7月にニューヨークの国連本部で開催のハイレベル政治フォーラム(HLPF)で検討される、①「安全な水とトイレを世界中に(SDG6)」、②「エネルギーをみんなに、クリーンに(SDG7)」、③「産業と技術革新の基盤をつくろう(SDG9)」、④「住み続けられる町づくりを(SDG11)」、⑤「パートナーシップで目標を達成しよう(SDG17)」の5つの目標の進捗状況についても個別に分析する。加えて、LAC地域におけるSDGs達成に向けての制度的な進展について、①「自主的国家レビュー(VNR)」、② 2030アジェンダのモニタリングとガバナンス、③ 国家の開発計画・戦略との整合性、④ 地方自治体が政府と連携してSDGsの地域化を重視しながら実施する「自主的自治体リビュー(VLR)」、の観点から考察する。

※ 会員様限定の資料となります。
2023.07.20 一般公開
『ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート』「2030 年に向かって折り返し地点となる 2023 年時点でのラテンアメリカ・カリブ地域の SDGs 進捗状況」桑山幹夫
目次:

I. はじめに
II. SDGs達成に向けての新しい開発戦略の必要性
III. LAC における SDGs 進捗状況
 A.総論
 B.目標別(6、7,9、11、17)
IV. SDGs 達成に向けての制度的な進展
 A.自主的国家レビュー(VNR)
 B.モニタリングとガバナンス
 C.国家や地域開発戦略との整合性
 D.自主的なローカル・リビュー(VLR)
V. おわりに