「閑吟集」のスペイン語訳
アルゼンチンのプラネタ社から最近「閑吟集」のスペイン語訳が刊行されました。「閑吟集」は室町時代末期(16世紀初頭)、遠くに富士を望む地に草庵をむすんだ隠者が、「尺八を友として」なぐさみ歌い、それを「老後懐旧のすさび」に集めた小唄集です。
“なにせうぞくすんで一期は夢よただ狂へ(55)”
“思へど思はぬふりをしてしゃつとしておりやるこそ底はふかけれ(87)”
“うしろかげを見んとすれば霧がなう朝霧が(167)”
“何ともなやなう何ともなやなううき世は風波の一葉よ(50)”
などなど、次第に中世から近世へと移って行く過渡期の思想や官能の解放感をうたった実に興味深い歌謡集です。
日本ではラテン文化サロンCafe y Libros (http://www.cafeylibros.com/) で入手できます。(頒布価1500円)