『スタジアムの神と悪魔 -サッカー外伝 〔改訂増補版〕』 エドゥアルト・ガレアーノ - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『スタジアムの神と悪魔 -サッカー外伝 〔改訂増補版〕』 エドゥアルト・ガレアーノ


ウルグアイの作家、ジャーナリストによる156編のサッカー談義のショートエッセイ集。本訳書は1995年時点での原書を基に出版されたみすず書房刊(1998年)の改訂増補版であり、その後の版のワールドカップについても加筆している。
ウルグアイ人なら誰しもサッカー選手になりたいとの夢をもった時代があったが、私も歳月が流れ諦めがつきひとつ冴えた技をと願うにようになったとの冒頭から始まり、サッカーの歴史がギリシャ・ローマ時代にまで遡れ、明代の中国の版画やテオティワカンの壁画にも残る球技であったこと、サッカーの起源からイングランドをはじめご当地毎に特色をもって発展してきたこと、記憶に残るペレやマラドーナをはじめとする名選手のプレー・名試合、そしてワールドカップの熾烈な優勝争い、主催するFIFAの腐敗等々、実に多岐な話題を簡潔に述べていて、サッカーに少しでも関心のある読者にはその蘊蓄の深さ、広さに驚く。

〔桜井 敏浩〕

(飯島みどり訳 木星社 2023年2月 337頁 3,700円+税 ISBN978-4-910567-05-1)
〔『ラテンアメリカ時報』 2023年夏号(No.1443)より〕