『ラテンアメリカ・オセアニア 世界政治叢書6』 菊池 努・畑 恵子編著 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『ラテンアメリカ・オセアニア 世界政治叢書6』 菊池 努・畑 恵子編著


これまで国家主権を前提にしてきた政治学が、21世紀に入って世界の政治潮流の変化により政治経済・対外関係がどう変わり、今後どうなるかを展望するシリーズのラテンアメリカ編。グローバル化の進展と地域主義の進展で、ラテンアメリカがどう変化しつつあるかを理解するのを助けてくれる解説書。

グローバル化の進展と地域化の推進による「周縁化」からの脱却を論じた序章から始まり、第1章ラテンアメリカの「民主化・市場経済化と新しい地域主義」(畑恵子)では、グローバリズム、汎米主義と地域主義、政治体制の変遷、民主化の進展と1980年代の経済危機、民主主義の発展と新自由主義、市場経済化、新たな地域主義とその課題を、第2章「ラテンアメリカの地域主義」(堀坂浩太郎)では地域の概念に続いて第2次世界大戦後の流れの古い地域主義と、経済の国際化、域内外の市場統合の動きをともなう新しい地域主義を論じている。第3章「中米・カリブの地域主義」(松本八重子)では、その歴史的変化と発展、米国や国際政治との関係を、第4章「安全保障問題と米州地域関係」(浦部浩之)では、米州安全保障秩序の歴史と東西冷戦後の転換、暴力・麻薬・テロに対するに脆弱な民主主義、米国から離れての新たな枠組みの動きを、第5章「グローバリズムと反グローバリズム」(新木秀和)では、反グローバリズム運動の登場と新たな展開をサパティスタ運動やチャベスのボリーバル革命等を例に、その特徴と課題を論じている。

(ミネルヴァ書房 2012年4月 279頁 3500円+税)

『ラテンアメリカ時報』2012年夏号(No.1399)より