『カラー版 マヤと古代メキシコ文明のすべて』 青山 和夫監修 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『カラー版 マヤと古代メキシコ文明のすべて』 青山 和夫監修


マヤ文明は、近年メキシコのアグアダ・フェニックス遺跡調査によってこれまでの説より500年ほど早い紀元前1050年頃が起源と言われる。メキシコから中米にかけてはそのほかアステカ、テオティワカン、サポテカ、オルメカなど多くの文明が栄えた。これらを総合してメソアメリカ文明と呼ぶが、本書はメソアメリカとは何か? マヤ、サポテカとテオティワカン、アステカ文明について平易に解説しており、マスメディアが煽られてこれまで神に捧げるために沢山の生け贄を捧げる神秘に彩られた謎の文明と思い込んでいたメソアメリカ文明が世界四大文明に伍する一大文明の一つであることを知り、新たな文明観を揺り動かす。

メソアメリカ文明とは何か、マヤ、サポテカとテオティワカン、アステカ文明の主要遺跡とそれぞれの文明の伝説、伝説・盛衰の歴史、文字や壁画、芸術、そして人身御供の儀礼などを、多くのカラー写真・図版を交え分かりやすく説明している。監修者のセイバル遺跡の調査で、マヤ文明の起源が前950年頃に遡り、アグアダ・フェニックス遺跡の調査によってこれまでの説より500年ほど早い紀元前1100年頃になったことを明らかにしている。

〔桜井 敏浩〕

(宝島社(新書) 2023年6月 192頁 1,200円+税 ISBN9978-4-299-04388-7)