『たちあがる言語・ナワト語 ー エルサルバドルにおける言語復興運動』 マリア・カステジャノス、佐野 直子、敦賀 公子 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『たちあがる言語・ナワト語 ー エルサルバドルにおける言語復興運動』 マリア・カステジャノス、佐野 直子、敦賀 公子


名古屋市立大学で社会言語学を専攻していたエルサルバドルからの留学生が、消滅の危機に瀕している少数言語に興味を持ち、故国に一時帰国した際に首都サンサルバドル近郊の町パンチマルコでビビル人の 言語であるナワト語の話者がほとんど見当たらなかったことに気付く。いろいろ調査したところ、首都からわずか 50Km しか離れていないイサルコ市でナワト語教育フロジェクトの存在を知り、ナワト語とビビ ル人について、より深く知りたい、ナワト語の復興活動に貢献したいと願い、日本語(1~149 頁)・スペ イン語(151~229 頁)で纏めたのが本書である。

エルサルバドルの紹介、現地調査に至る経緯と概要、エルサルバドルとナワト語衰退の歴史、これまで 行われたナワト語に関する調査と復興フロジェクトについて説明し、現地調査の内容を記している。これに2編の解説、「植民地時代のナワ系言語 – 多言語社会におけるリンガ・フランカ(敦賀 慶庭義塾大学・ 法政大学講師)と「生まれたての言語 -「危機に瀕する言語Jとは何か?(佐野 名古屋市立大学大学院准 教授)を付している。世界各地で見られる少数言語消滅の危機に、その復活を図る関係者の努力と課題を綴っており、興味深い。

(グローバル社会を歩く会発行 新泉社発売  2012年3月  220頁  1,000円+税)