ボリビアへの日本人移民は、戦前アマゾン地帯ベニ、パンド両県から始まり、戦後のサンタクルスのオキナワ、サンファン移住地のほか、首都機能を果たす都市ラパスにも入っている。農業開墾地の苦労とは別に、政治変動が激しい最大都市では、特に第二次世界大戦による日本との国交断絶から戦後の国交再開、幾多の政変、経済混乱など、先人達の苦労は並大抵ではなかった。ラパス日本人会が設立された1922年から90年間の議事録等の資料が残っていたことから、その内容分析と写真収集などを各委員が精力的な作業によって、大部の日本語・スペイン語による90年史と資料、写真集が纏められた。
第一部は設立から2000年代に至る年代記とコラム、第二部資料編は、会の定款変遷、受勲者一覧、詳細な年表、日本語学校沿革、米ドルからボリビアーノの為替レート、第三部の座談会は日本語を話す世代と二、三世以降のスペイン語世代でそれぞれ行っている。編集委員が尽力して集めた移住写真数百点の貴重な写真を含め集大成したことは、ボリビア移民史の極めて貴重な記録であり、今これを纏めた意義は大きい。
(ラパス日本人会90年史編纂委員会2012年10月日本語269頁+写真・地図36頁+スペイン語275頁=580頁非売品)
(本書の入手方法については、ラパス日本人会事務局 Fax+591-2-244-1194 nikkaipz@acelerate.comへ。
もしくは日本ボリビア協会(頒布価 2500円−送料込み Fax/Tel 042‐673‐3133 admin@nipponbolivia.orgへ申し込みを)