プロ魚釣り師と元釣り専門誌編集長のコンビによる、アマゾンの大物魚釣り紀行。著者の子供時代に従兄弟からルアー釣りの面白さを教わり、熱帯魚店の店員になって様々な知識と扱い方を覚え、扱う魚の約8割が南米原産と知りアマゾン行きを決行する。開高 健の『オーパ!』の釣り旅行に同行したブラジル在住の作家醍醐麻沙夫氏と会って、開高も自分も使ったというルアーを贈られ、以後8年毎年のブラジル釣り旅行にのめり込んだという。
続く第二章「ジャングルのスター」は、もちろんアマゾン河のスター、ツクナレ、ドラド、ピラニア、ピラルクなどを釣り上げるに至った旅、巨大魚との格闘から食した味まで、プロを自称するだけに迫力ある釣りの描写とこれでもかと展開する度アップした写真の迫力が素晴らしい。第三章は著編者ならではのアマゾン釣り用道具・装備解説。Lure、Rod、Reelという釣り具から、人の指をいとも簡単に食いちぎる鋭い歯と強い顎をもつ魚を釣った時に針を外す工具、豪雨や激流に耐える服装や装備、アマゾン釣りに合った漁具の使い方などの蘊蓄も載っている。
釣りもここまでやるかと思わせる、文字どおりの“アマゾンばか”の快著。
(地球丸2013年2月144頁1800円+税)