著者はくらしき作陽大学で社会学を講じた後、在日ブラジル人子弟の教育活動を行っていた「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」に、2010年に始まった文部科学省の「虹の架け橋教室」事業にそれが吸収されるまで、ボランティアで参加し活動していたが、その間折に触れ日本人のブラジル移民のことを調べ、書きためてきた。
日本人移民史、移民のブラジルでの生活、コーヒー栽培体制の変革、ブラジルの岡山県人の実態、海外移民の背景としての明治初期の農村の家計調査、さらに日本へのブラジル人デカセギが増えたことから、ブラジル人学校の設立の経緯や在ブラジル日本人と在日ブラジル人の移住過程の比較考察に至るまでを綴っている。
(丸善書店岡山出版サービスセンター2012年8月214頁2500円+税)