小松 真実(ミュージックセキュリティーズ(株)社長)
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〈TSUBASA 参加企業の声(1)〉ペルー ABACO への融資プログラムファンド-小松 真実(ミュージックセキュリティーズ(株)社長)
2010年10月19日、米州開発銀行(IDB)の当時Executive Vice PresidentだったJulie Katzmanさんが当社に来てくださった。今以上に小さな規模の会社にもかかわらず、今も変わらないオリジナルな金融スキームに興味を示してくださったからだ。その時から、当社とIDBとの関わりが始まった。その3年後の2013年10月、私はメキシコのグアダラハラで、パネルディスカッションに参加することになった。IDBが毎年主催するイベント「FOROMIC」である。ここでは、東日本大震災で被災した企業向けのファイナンスとして、当社の金融スキームがいかに機能したのかを説明をさせていただいた。
そのラテンアメリカ訪問では、FOROMICに参加させていただくだけではなく、ペルーの日系人による貯蓄信用組合であるABACOへの訪問も実現した。当時若きリーダーで、現CEOである島袋ヘルマンさん、IDBの成田さんと、ペルーの農村地域イカを訪問することもできた。
多くの農家さんが、まだまだ手作業で畑を耕し、白インゲンやアスパラガスを育てている様子を視察できた。その村では、IDBが技術支援ということで、小さな農業協同組合を組織化し始めているという。その集落に、ポツンと古いYANMARのトラクターが置いてあった。一人では買えないが、組合でなら買えるこのトラクターのおかげで、農業の効率が何倍にもなるという。IDBの支援で、生活が激変するという開発の真髄を見たような気がした。
その小さな農協の会合に参加させていただき、幸運にも地元の手作り料理を振る舞っていただいた。これが、私にペルーで事業を行おうと決心させた料理。それぐらい心に響いた料理だ。この料理、何しろ美味い。見た目は素朴、だが美味い。現地の皆様からのおもてなしを感じる、かけがえのない一品だった。
ABACOが、このような小さな農協向けの融資を、新たな事業として行うという。当時は、頼母子講がベースの信用組合なので、預金者以外への融資は基本的には実施していなかったが、これを機に農家支援の融資を行うという。その貸付の原資を調達するため、IDBから資本性ローンを、当社から日本の投資家からの出資を集めるという、垣根を超えた取り組みが始まった。多くの投資家の賛同を得て、日本にいる日本人の資金を、ABACOを通じて、ペルーの多くの農家さん