執筆者:ピーター藤尾(在チリ・サンテイアゴ)
「2023年9月25日ー10月1日」
「政治」
1)ボリッチ動向
サンティアゴの地下鉄3号線が2駅伸びました。ボリッチはそこを訪問して市民から喜びの声を聴きました。次の夏に予想される山火事をどうやって抑えるかの問題で、専門家を呼んで検討し、事前準備を進めることになりました。山火事は北半球でこの夏、異常な
規模になりましたからね。
今月中にボリッチは中国を訪問します。チリにとって中国は最も重要な相手国になっているのでしょう。元大統領のフレイが同伴します。フレイはアジアが好きで日本や中国と良い関係をキープしています。私が働いたチリの会社の元オーナーなので、催し物がある時、訪問してきて私と顔見知りになり、色々話をしたことがあります。
更に土曜日、モネダ宮殿の前に集まった群衆に近づき挨拶をしました。それって政府が呼び掛けた市民のボリッチ応援のデモですね。4年前の社会騒乱の時は100万人を超す民衆が集まりましたが、今回は数千人でした。同時期に反ボリッチのデモもありましたが、ほんの数百人でした。今年のその社会騒乱4年記念には10万人も集まるかな?一部のメンバーはまた商店略奪などできるかと考えてドキドキしているでしょうね。最後に今月にチリでパンアメリカ大会が開催されますが、そのための準備が進みボリッチも聖火の儀式に参加しました。
2)来年度予算案
全テレビの番組を通じてボリッチは来年度予算のアイデアを発表しました。総計では3.5%の拡大ですが、市民の安全、教育、健康そして住居に重点を置くとか。予算はGDPの27%、2億7千9百万ドルになりそうです。マルセル大蔵大臣は今年の経済成長率は0%、来年は2.5%の成長を見込んでいるらしい。
新左翼の議員カタリーナ・ペレスが貧困層の家屋援助関連で不正に関与したとして取り調べを受けています。野党側から政府の作った貧困層援助の予算が新左翼の懐に入っているんではないかと厳しい批判。ボリッチもしっかり回答する必要がありますね。
3)新憲法委員会
もうどうなるか分かりませんが、元大蔵大臣のブリオネスはチリを破綻させる道を歩いているようだとコメント。なるほど、そうですね。
「経済」
1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.73ドルと先週とほとんど同じ。為替は1ドル907ペソとペソ安が継続。今年は1ドル700ペソ台までペソが強くなった時期があるのですが。それからリチウムの価格が暴落ですね。ピークから73%も下がりました。関係会社の経営に大きな影響を与えています。
2)物価指数IPC予想
9月の指数は0.7%の上昇が推定されているとか。また経済成長率は0.3から0.5%の上昇予想です。株式市場IPSA指数は5826で終わりました。一時6000ポイントを超え6400まで行ったのですが、最近は苦しい状況です。
3)失業率
この2年間で最悪の状況です。今年の6ー8月の数字ですが9.0%を記録しました。これが良くならないとチリの全般に影響しますね。
「一般」
1)高速道路
サンティアゴのハイウェーAVO1で壁から水漏れが激しく道路が水であふれています。近くを流れる川が今年の大雨で増水したのが原因とか。どうすれば水漏れが終わるのかな?
2)火山
南部のビジャリカ火山が噴火をはじめたので警戒警報が出ています。チリは火山が多いですから、それほど珍しいことではないですが、その近辺に住んでいる人は動きが制限されるので日常生活に影響が出ています。
3)教育
今年は4年前の2019年に比較して高校の入学者数が11.3%の下落になりました。コロナ問題とか社会騒乱などで両親が子供に教育を与える余裕がなくなったからとか言われますが、大変ですね。 以 上
「10月2日ー10月8日」
「政治」
1)ボリッチ動向
今週彼は北のコキンボ州(第4州)を訪問しました。あちこちを訪問し、最後に「宿題をたくさん抱えて首都に戻ります。皆さんの生活がよくなるように努力します」とコメントしました。
そして国際問題が発生しました。パレスチナのゲリラのイスラエル襲撃です。これに関してチリ外相は武器による攻撃はどんな例でも容認できないとコメントしましたが、それに対しイスラエル大使館は納得できないとクレームしました。まったく逆にレコレタ区長のハヅエはイスラエルがパレスチナで攻撃を続けていたのは歴史上の事実だとその攻撃を認める発言をしました。彼はパレスティナ系ですが、共産党代表として先の大統領選挙の候補者になっています。チリではパレスチナ系の移民が多数います。チリ国内でユダヤ対アラブの抗争が始まりますね。エルサレムに28名のチリ人がいるとテレビのニュースに出ました。
来年度の予算案が出来上がってきましたが、議会で承認されるかな?
10月5日はチリにとって思い出の日ですね。1988年のその日に軍事政権継続可否の投票があったからです。私の人生で最も緊張興奮した投票でした。その時のノーの宣伝の歌をまだ覚えています。「チリ 喜びがやってきた」という歌詞でした。ボリッチ政権は犯罪の抑制が全くできないと言われますが、彼が自由奔放に動き、危険を防ぐルールを守らないと新聞に書かれました。彼は群衆の中に自由に入っていきます。彼を守る警察官にしては恐ろしいことでしょうね。日本の元首相のようなケースが出てしまったら・・・。
2)新憲法委員会
最終原案が用意されていますが、この先どうなるのか知りたい私には想像もできません。左右の委員が全員その原案に同意するのか、多数決で押し切るのか。どうでしょう、委員の見解が大きく分かれた場合、国民は新憲法に興味を失うでしょうね。現行憲法は1980年にピノチェットが作りましたが、彼は憲法学者では無いのでプロが作った憲法を彼が発表しただけです。それを社会党などが一部変更しています。4年前の社会騒乱の時、左翼のデモ隊がピノチェットの作った憲法を破棄して俺たちの手で新憲法を作ると叫び、それが第1回新憲法素案になりましたが、国民の大多数に拒否されました。
この第2回の委員会はピノチェット系の共和党が多数を占めていますから、新憲法素案はそんな雰囲気になるのでしょうか。そうなら左翼は拒否することになって、もう第3回目はありませんね。結論は「時間と金を無駄に使いました」でしょうか。
「経済」
1)経済成長率
8月の指数はチリ中銀の発表でマイナス0.9%でした。先週の予想より大きく後退しています。これで大蔵大臣の見通しが崩れ今年の成長率は0でマイナスにもプラスにもならないと言われていたのが、マイナス成長は間違いないだろうとなりました。
物価上昇率ですが、9月は0.7%のアップでした。今週ガソリン価格が40ペソほど上がりました。その0.7%は予想より高い数字でしたが、今年に入ってからの合計は5.1%で、前月の5.3%より少し下がりました。年末には4%強で終わると見られています。
2)銅価格と為替
また銅価格が下がっています。1ポンド3.57ドルです。先週よりかなり下です。そのため為替も1ドル917ペソとペソ安になっています。今年の銅の消費は欧米は昨年並みかやや減少、中国は少し上がると言われています。来年の銅価格は少し良くなると言われますが、この安い銅価格が続けば、銅鉱山の経営に影響しますね。コデルコ銅公社は生産問題に経営問題も加わり大変そう。今週も経営陣のトップクラスが辞任しています。もっとも銅だけでなくスズや亜鉛も下落のようですね。
「一般」
1)雨量
サンティアゴは火曜日に雨になりました。それで今まで1年で278ミリの雨量。これは2008年以来の大きい数字とか。
2)病院関係者のスト
コロナ問題で緊急事態として雇用された1万人以上が仕事を失うとかで、それに抗議するデモがありました。「私たちは命を懸けて患者の方々を助けたのですから、もういらない、はいさようならと捨てるのはひどいのでは」と訴えました。確かにそれは分かるけど仕事がないのに病院でなにをするのかな?外に出るとき、必ずマスクをつけていましたが、もうそんな時期は遠い昔になったのですね。
3)麻薬
サンティアゴの中央バスターミナルで出発前のバスの運転手の麻薬テストをしたら、2名の運転手がコカインを使っていたとかで逮捕されました。同じようなケースですが、もっとひどいのはバスの運転手が首都圏の9区に渡って数十キロを走り回り大事故を起こしかけました。ニュースでそのバスの動きを見ましたが、まっすぐ走らないで右左に揺れます??? 運転手は逮捕されましたが、麻薬中毒でした。その男は50代くらいで若者には見えません。チリの中毒者も増えているのですね。昔はチリに入ってきた麻薬は、チリを経由して欧州などに運ばれていたのですが、今ではチリが市場になったわけですね。その方が麻薬業者にとっては利益が上がるからニッコリでしょうが。
4)断水
この週末、首都圏の6区で水道局の工事で断水になりました。その6区の中では、レストランが閉まり、動物園が閉まりました。レストラン関係者は怒っています。
無理もないですね。 以 上
「10月9日ー10月15日」
「政治」
1)ボリッチ動向
金曜日、中国に向かって出発。大勢の部下を率いて、もしくは仲間と共に中国へ行きました。最初、地方都市で遺跡の見学とかをしました。チリウィークという行事に参加してチリの宣伝をしています。習近平との面談は来週です。野党から中国の人権問題を議論するよう要請がありましたが無理でしょうね。それより中国製の車・バスをもっと買うからチリから銅とリチウムを輸入してほしいと頼むのでしょうか?バケーションに行く雰囲気という声もありました。
イスラエルとパレスチナの件が大問題になっていますが、ボリッチは議員の頃、パレスチナに招待されてそこに行ったことがあります。そしてその印象としてパレスチナの領土をイスラエルが不法に使用しているのは問題だと発表しています。数年前そこからハマスの幹部がチリを訪問したとか。もちろん、チリに住む裕福なパレスチナ人に援助を依頼したのでしょうね。詳細は分かりませんが。逆にイスラエル側のグループからチリ政府にパレスチナの攻撃を受けた私たちをもう少し助けてほしいと依頼の声が出ています。チリ政府は空軍機を送りイスラエルからチリ人が母国に戻れるよう手配しました。その最初の便が、約80名のチリ人を乗せてサンティアゴに着きました。すでにイスラエルに在住していたチリ人で死者が出ています。
私は学生の頃、イスラエルのキブツで1年ほど生活した経験がありますが、もしそこに残っていたら今頃どんな人生でしょうか?ウクライナの場合と同じく、そこでも先週まで通常に生活していた人が、今は将来がどうなるか誰も分からなくなっています。人生は厳しいですね。
さて、政府中枢の不正問題が話題になっています。新左翼の党が政府の援助を利用して貧民援護の計画をするのに得た金を正当に使っていなかったと言うのは以前からですが、似たような不正事件に政府のトップも絡んでいたらしい。ボリッチ周辺のモネダ宮殿2階部隊の人の名前が出ています。野党から検察が検査しやすいように彼らを政府の要職から外すよう依頼が出ています。いやはや。
2)新憲法委員会
もう新憲法草案は完成、もしくは完成間近かですが、一向に盛り上がりません。世論調査では48%が否定、18%が賛成、34%が未定とか。どう見ても12月の投票で第2次案は否決されますね。前回と違って右翼が賛成、左翼が反対に投票しそうとか。それは現行委員に最右翼の共和党が多いからでしょうね。確かにキリスト教民主党の党首は新憲法が右寄りに傾いていれば自分たちは否定の票を投じるとしています。共産党はピノチェットの憲法を入れ替えるのはチリの夢だと言っています。その党の党首に次ぐ位置を占めるバルバラ・フィゲロア書記長の特集記事がありました。彼女は労働組合連合の代表としてピニェラ政権と対立していましたが、左のボリッチ政権で駐アルゼンチン大使になりました。それが突然、辞任して帰国し共産党の中枢になりました。アルゼンチンの次の政権が右翼になりそうだから逃げだしたと言う意見もありますが、チリに戻ってボリッチをしっかり押さえる役割をするのでしょうか?
「経済」
1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.58ドルと先週とほとんど同じの低いレベルです。このため為替も1ドル924ペソとペソ安が継続です。
2)経済成長率
IMFの発表でチリの今年の成長率はマイナス0.5%とか。上向きませんね、やっぱり。
3)コデルコの危機
過去6年で生産量が20%も減少。負債は200億ドル。生産価格の上昇が継続とこれからどうなるのか明るい話題が見られません。副社長の辞任など経営陣も揺れています。リチウムに手を出して少しは経営が良くなるかと思われましたが、その件も進みません。アジェンデが国営化した企業ですが、軍事革命で民営化されず、そのまま国営企業となっているわけで、チリ国の救世主となり続けるのでしょうか?
「一般」
1)犯罪
最近の6か月で、家族の誰かが犯罪に遭ったと言うのが37%と発表されました。3人に一人以上の割合ですね。幸い今のところ私には問題は起きていません。4年前の社会騒乱が始まった10月18日の記念日が近づいてきました。もちろん、その日は多くのデモ隊が街に出るでしょうね。良い結果が生まれるとは思えません。また警察との衝突、それに商店での略奪騒ぎでしょう。4年前と同じく。その頃、逮捕され、最近になって大統領の恩赦になった人の記事が出ました。釈放された条件として2度とデモに参加しない、犯罪行為をしないとかいろいろあるようです。裁判所に出された判決の期間はその条件を守るわけで、それに違反すれば刑務所に戻ります。それからマプチェの問題も継続です。その中心メンバーが逮捕されました。
2)清潔な街のランキング
世界のランキングが発表されましたがミネアナポリス、ブルッセル、オスロが上位を閉めました。日本から京都が入っています。南米でランキングに入ったのはサンパウロとサンティアゴでした。サンティアゴってそんなに清潔だったのですね??? 以 上
「10月16日ー10月22日」
私は11月にラテンアメリカ協会のなるほどトーク番組に出ます。
興味のある方は申し込んでください。
ラテンアメリカ協会メールマガジン(2023年10月11日ー10月17日)
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> <申込みサイト: https://latin-america.jp/seminar-entry
> 「ラテンアメリカなるほどトーク」2023年度第8弾「チリ対ペルー・ボリビアの太平洋戦争について」ピーター藤尾氏(連載「チリの風」執筆者)2023年11月7日(火)21:00~22:15(日本時間)同日09:00~10:15(チリ時間)、07:00~08:15(ペルー時間)
<申込み締切:11月1日【水】>https://latin-america.jp/archives/59576
「政治」
1)ボリッチ動向
この金曜日に中国訪問を終え帰国しました。なんでも中国企業がリチウムを含め2億ドル以上の投資をチリで行うと約束したとか。その動きと逆になりますが、コロナ問題が爆発していたころ、中国の製薬企業シノバックはチリにその薬の生産工場を作ると発表しましたが、今週の報道ではその計画を変更・中止するらしい。それに関してボリッチが適切なシノバック援護をしなかったからだろうと批判の声が出ています。それから習近平との面談の件は写真が発表されただけで、内容は分かりません???中国との政治・経済・文化の交流を目指した旅だったのですが、結果はどうでしょう。中国一辺倒の方針は無理だと思いますが。
帰国して即刻、パンアメリカ大会の開会式に出席しました。若いうちは時差ボケとか無いのですね。先日、ボリッチがパレスチナ寄りの発言をしましたが、イスラエル大使がそれはいかがなものかと軽いクレームをしました。それに対しモネダ宮殿は彼にチリ政府の方針にいちゃもんをするなと言う反論をしたようです。
2)不正問題
2階部隊と言われるモネダ宮殿の政府中枢の一人クリスピ(新左翼党)は国会から呼び出しがかかってもそれを無視しています。いつまでも国会の審議で進展がないなら検察に問題を渡すと言うことになるかもしれません。ボリッチが彼に一言、「国会に行ってこい」と言えばよいのですが新左翼グループはいくつもの党に分かれていますが、それを統一して一つの党にすると言う動きがあります。この他にも怪しい動きがあれば検察もボリッチに遠慮せず、捜査に手を加えてもらいたいです。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド3.57ドルと先週から動きません。そのため為替も1ドル940ペソと先週とほとんど同じでした。経営不振になっているコデルコ銅公社はリチウムを利用して再生したいとしているようですが、どうなるかな?
2)株式市場
中東問題を目の前にして、アメリカをはじめ世界的に最近落ち込んでいるようですが、チリもその渦に巻き込まれ1.4%下がり5631ポイントになりました。一時、6000ポイントを軽く超えていたのですが。
「一般」
1)社会騒乱
騒乱が起こって4年になります。その記念日の10月18日に今年も各地で101件の暴動が起き、50名が逮捕され、警官も11名が負傷しています。ピニェラの右翼政権を倒せと、イタリア広場に百万人のデモ隊が集まりましたが、今ならボリッチは何もできない政権と右翼を懐かしむのでしょうか?マプチェグループに警察の手が入りました。数名が逮捕され。麻薬・銃などが没収されました。
2)サンティアゴ空港
この7-9月の空港利用客は前年対比25%アップの590万人で、頂点だったコロナ問題の前の2019年に4%だけ届かないところまで行きました。もう正常化したと言えそうですね。
3)移民数
現在173万人の移民がチリに在住していますが、それは全人口の8.7%になるとか。その多くが貧民層で生活に困っているとか。仕事が無いのですね。病院の適切な治療が受けられなかった26517人の患者が今年に入って死亡したとか。これは移民と関係ありませんがチリの医療施設が十分機能していないからでしょうね。ボリッチはピニェラをこの件で批判していましたが、今の方が数字は悪いとか??? 以 上
「10月23日ー10月29日」
「政治」
1)ボリッチ動向
カナダ企業の鉱山会社テックのケブラダ・ブランカ鉱山の第2期開発がはじまった式に参加し、励ましました。海抜4400mの高地の山です。会社員をしているとき、私はそこに何度も行ったことがあります。
そのほかの経営者連合140年記念の集まりで、彼はスピーチをしましたが、「外国企業に声をかけ、投資をしてもらうのが政府の仕事になっている。ところがチリの新聞はチリの社会情勢が悪い、例えば犯罪の増加で通常の生活が出来ない、失業者が多いなどと書き並べるので、政府方針の邪魔をすることになっている。私はそんなチリの新聞を 読む気にはならない」とコメントしました。もちろんチリのマスコミは反政府運動として犯罪の増加を発表しているのではないとクレームし、「問題はあなたでしょう」とボリッチをにらんでいます。ボリッチの実力はそれほど低いのですね。
新聞の投書欄にチリでの投資を呼び込むと言いながらコデルコやSQMがオーストラリアに投資をすることになったが、それをどうして国内にさせないのかと疑問の声が出ました。アタカマ地区で学校がもう50日もストで休みになっていますが、一部の人はボリッチにこんな大事な問題を放棄するなら、パンアメリカ大会にいろんな競技を見に政府関係者と行くのは止めてほしいと言っています。それは学校の家屋・施設が破損してもそれを管理する市町村に金がないため補修できないとか。政府の責任ですね。もしかしたら政府から金は出ているのにそれが使われていないなんてことは無いでしょうね。ボリッチはこの大会が大成功に進んでいるから、パリの次のオリンピックに応募したい由。
それから政府基金の不正使用などで新左翼関係者が10名ほど起訴されそうです。
最後にアルゼンチンの大統領選挙の件ですが、モネダ宮殿ではこれについてコメントしないと決めたようです。現政権系マサと極右ミレイの2候補者が11月に最終選挙に入ります。ミレイは先日サンティアゴを訪問してボリッチは大統領として最悪だとコメントしています。裕福な国だったアルゼンチンが落ちぶれた国になったのは政策の失敗でしょうが、その失敗を続ける現政権の候補者を選ぶアルゼンチン人の考えがよく分かりません。何か変えなければさらに落ち続けると思うのですが。チリも同じですね。ボリッチでは新しい風は来ませんね。
2)新憲法
12月の投票が近づいてきました。ピノチェットが作った憲法など認めたくはないとするなら、自分たちが作った憲法は何であれ賛成するはずですが、前回は否決されました。じゃそれを踏まえて今回の委員会になったわけですが、前回と何が違うの?素人の私には新憲法草案の文言・単語も良くわかりませんが、今回も否決されれば、憲法改正を要求するチリ人は時間と金を無駄にするだけです。これが否決されればまた社会騒乱が起きると言うコメントも新聞にありますが、この4年間、ボリッチなどのグループは乱暴狼藉を楽しんだのかそれを使ってピニェラの右翼政権を潰したのですね。自分たちが政権を握ったら、新しい道を切り開くのが当然なのに、全くその雰囲気はありません。プロビデンシア区のマテイ区長は以前は新憲法反対派でしたが、最近は賛成を表明しています。世論調査では多数が今回も反対票になりそうですが。
「経済」
1)銅価格と為替
銅の価格は1ポンド3.61ドルと低め安定です。為替は936ペソとペソ安が継続です。
2)株式市場ipsa
今週は2.3%下がり、半年ぶりの低い数字5509ポイントでした。
3)公定歩合の下げ
中銀は公定歩合をほんのわずかですが、下げました。
「一般」
1)警官トップの不正
もうかなり以前からこの問題は継続ですが、裁判になっている元長官に14から24年の実刑罪が要請されました。それらの元長官や警察軍のコメントがそのうち出るでしょうね。自分たちは不正なことはやっていないと言っていますが。
2)犯罪
毎週同じですが、今週の話題として社会党党首の国会議員ボダノビッチの家に泥棒が入り何百万ペソの物品が盗まれたとか。同じくラゴス議員の事務所に泥棒が入りました。自分たちが被害者になったら国会での議論も本格的になるでしょうね。それから警官の持つ車を盗もうとしたグループにその警官が対抗しましたが、犯人の発砲で彼は負傷しました。内務大臣が病院にお見舞いに行ったらしい。
マプチェの放火で南部の建物が燃えました。そのオーナーは「住居・倉庫・重機などみんな燃やされました。ボリッチさんここに来て問題の本質をチェックし、その解決策を図ってもらいたい。」と頼んでいます。そんなニュースが新聞に書かれればボリッチは読む気のしない新聞だと言うのでしょうか。 以 上