【季刊誌サンプル】ルーラ外交1年の総括と展望 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】ルーラ外交1年の総括と展望


【季刊誌サンプル】ルーラ外交1年の総括と展望

浜口 伸明(ラテンアメリカ協会 副会長、神戸大学 教授)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2023/24年冬号(No.1445)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。

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はじめに
アラブ首長国連邦ドバイで開催された第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)に参加したルーラ大統領は帰国前にドイツを訪問、2023年の全外遊日程を終えた。今日の世界がグローバルノース、グローバルサウス、そしてロシアや中国という3つの軸で描かれるとすれば、ブラジルはどの立ち位置にあるのだろうか。本論稿では2023年のルーラ外交を振り返るとともに、2024年の動きを展望する。

1年間の外遊回数は15回、世界24か国を訪問、滞在日数は62日間
2023年のルーラ大統領の海外訪問は下の表にまとめた通りである。活発な外国訪問はある程度予想されていた。1期目(2003~06年)と2期目(2007~10年)のときも歴代大統領と比べルーラ大統領の外遊回数は多かった(堀坂・子安・竹下 2019:106)。ボルソナーロ前政権時代のブラジルは、コロナ対策をめぐる大統領の暴言やアマゾン熱帯雨林の伐採や火災のシーンがメディアで報じられ、「パリア(pária)」という言葉で表現された1。2023年1月、ブラジル史上初の3度目の大統領となったルーラにとって信用回復は優先すべき課題の一つであった。O Brasil está em volta(=ブラジルが[国際社会に]戻ってきた)というフレーズはあたかもルーラ政権のキャッチコピーのように頻繁に使われた。

世界地図にルーラ大統領が訪問した国や地域を記すならば、オセアニア以外はすべての大陸を回ったことになる。ボルソナーロ政権で存在感を消したラテンアメリカ・カリブ共同体(CELAC)首脳会議への参加のためアルゼンチンを訪問したことに始まり、伝統的なパートナーでありながら関係が冷え込んだ