連載エッセイ318:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その21 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ318:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その21


連載エッセイ318

南米コロンビア・雲と星が近い町から その21
アマゾンらしさを気軽に体験出来る
コロンビア・アマゾンエリア

執筆者:新井賢一(Andes Tours Colombia代表、ボゴタ在住)

コロンビア国内の観光業界事情につきましては一時のコロナ禍から大分復活してきた感があり、昨年後半あたりから日本人観光客の方々をお迎えするケースが顕著に増えてきました。その中で昨年末から観光で当地を訪問された「女子旅」四人組様からコロンビア・アマゾンツアーご参加時の画像を頂戴しましたのでこの場で掲載させて頂き、当方が先年旅行した際の画像を交えて紹介します。

コロンビアアマゾン観光の拠点となる県都レティシアへは首都ボゴタから空路約2時間。アマゾンエリア旅行に際して黄熱病予防接種証明書(イエローカード)の所持及び提示は不要です(2024年1月現在)飛行中の機内からは大河アマゾン川の流れを見る事も出来ます。

レティシア空港から市内(というよりも小さな町レベル)までは車で約10分程度。小さな町の外れはもうアマゾン川です。コロンビアアマゾンエリアへのアクセスが極めて容易であるのが何よりの特徴です。とは言え開発が進んでいる訳でもなく、先住民族の人々も普通に暮らしていてアマゾン川沿いには未だ高床式の伝統家屋も多数存在しています。

昨年後半、ブラジルアマゾンエリアでは大河アマゾン川支流の水が干上がりアマゾン川イルカが多数死亡、現地の生活にも致命的な影響が出ていると世界中に報じられた事もあり、コロンビアアマゾンエリアの状況がとても気掛かりでした。しかしながらその心配は無用でした。

コロンビアエリアのアマゾン川の水量は文句なし、大河アマゾンの流れそのものでした。女子旅四人組様のツアーも全く問題なく催行し、途中アマゾン川イルカに遭遇したり、生きたピラニアや世界最大級の淡水魚・ピラルクの姿も見られたようです(ある場所の敷地内でしたが)また、アマゾンオオハス群生地も水の状態は全く問題なく、リス猿群生地でも楽しく過ごされ画像の記念写真を撮る事も出来ました。

レティシアの町のいわゆる観光スポットは徒歩で全て巡る事が出来るとても小さな町です。晴れた日の夕方にはアマゾン川に落ちる夕陽を見る事が出来、市内にあるレストランではアマゾンの川魚を味と見た目的に上手にアレンジした各種料理や、現地独特のフルーツを使ったジュースを楽しむ事も出来ます。

また、コロンビア側のレティシアとブラジル側の町タバティンガとは一本道で繋がっていてパスポートチェック等一切なく「二国間」を行き来する事が出来る珍しいエリアでもあります。アマゾンツアーではペルー領にも一時立ち入る為、一度の旅行で三か国の地を踏む事が出来る貴重な体験も可能です。

こちらは女子旅四人組の皆様も訪れたリス猿群生地での一コマです。アマゾンエリアというと秘境のイメージが強いですが、ここは確かにアマゾン熱帯雨林地帯ながら完全に観光地化されていてボートに乗ってアマゾン川を進めば簡単にたどり着ける場所です。

また、アマゾン川沿いには水位の上昇を見越して建てられている高床式の家が未だ数多くあり、来ている服は洋服ながら現地先住民の人々がごく普通に生活している様子を見る事も出来ます。この一帯は開発の手が全くと言って良いほど及んでおらず、昔ながらのアマゾン地帯そのものです。

今から20年ほど位までは首都ボゴタとの空路事情も不安定でフライトキャンセルが続出、現地観光も容易ではありませんでした。それが今では国外からも含め観光客が大挙して訪れる一大観光地となり、先にご紹介していますように女子旅でも気軽に観光出来る場所になっています。しかしながら現地の風景・人々の暮らしなどは昔も今も殆ど変わっていません。素朴且つ本来のアマゾン地帯を容易に見る事が出来るのがコロンビアアマゾンエリア最大の魅力です。是非訪れてみて下さい。

以   上