連載エッセイ325:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その22 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ325:新井賢一「南米コロンビア・雲と星が近い町 から」その22


連載エッセイ325

南米コロンビア・雲と星が近い町から その22
ラテンアメリカトップレベルの大型クルーズ船寄港地
コロンビア・カルタヘナ

執筆者:新井賢一(Andes Tours Colombia代表、ボゴタ在住)

先日二週にわたり世界遺産の古都であるカルタヘナに同行ガイドとして出張しました。それぞれの訪問目的は微妙に異なりましたがコロンビア国内随一の国際観光都市カルタヘナには外国人観光客がまさに「押し掛けている」そんな力強い印象を持ちました。

カルタヘナは年間を通じて大型クルーズ船が寄港するラテンアメリカ有数の国際港湾都市でもあります。いわゆる「クルーズ年度」というものがありこれは毎年7月から翌年6月までですが、2023年7月から2024年6月までのクルーズ年度には188隻・最大総乗客数392,000人がカルタヘナ港へ寄港する事になっています。

カルタヘナに寄港せず世界一周クルーズを語ることなかれ、とは申しませんが、もはやカルタヘナ港は世界有数のクルーズ船寄港地として絶対的地位を確立しており、その存在感はますます高まっています。寄港地としてのカルタヘナの魅力は複数あります。まずは「受け入れ力」。先日カルタヘナ港は一日で大小6隻のクルーズ船が一時寄港し、上陸観光をした乗客数は13,142名に及びました。これは新記録であり、中南米各国で一日にこれだけの数を受け入れる事が出来る港湾都市はカルタヘナしかありません。

カルタヘナ港客船ターミナルエリアには土産物店があり、カルタヘナ市内へ出ず港に留まる乗客も買物を楽しめるよう充実した品揃えになっています。また、同じエリアには何と動物園まであり、コロンビアが世界に誇る鳥類や小型の動物類が園内にいます。クルーズ船乗客の為にここまで設備が整った港はなかなかありません。

そしてカルタヘナがクルーズ船寄港地・そして国際観光としてラテンアメリカ各国トップレベルである最大の理由が、乗客が楽しめる観光スポットについてカルタヘナ港から世界文化遺産の旧市街地区までの距離がとても近い事です。客船ターミナルから旧市街地区までタクシーを利用して約5km・所要時間僅か15-20分程度です。他国の港は周辺に数千人が一度に押し寄せる事も可能な観光スポットが殆どありませんが、カルタヘナは世界遺産の街並みがいつでも乗客を待ち受けています。

世界遺産・旧市街地区では徒歩観光だけではなく様々なツアーにも参加出来ます。その一つがこの「旧市街の小道をクラシックカーで巡るツアー」です。先年までこれは観光馬車を利用して行っていましたが、炎天下の中での馬車移動は馬にとって過酷な条件である事から動物虐待にあたるという指摘を受け、代わって登場したのがこのクラシックカーでの小道巡りツアーです。

クラシックカーと旧市街地区の組み合わせはキューバ・ハバナが有名ですが、カルタヘナは旧市街地区の保存状態が概ね良好で景観が素晴らしい事、そして何よりクラシックカー自体が新車にも劣らない程ピカピカに整備されている点です。

クルーズ船乗客向けのツアー、カルタヘナで体験出来るのは旧市街地区観光だけではありません。カルタヘナ港から片道約1.5時間の場所にある画像の「トトゥモ泥火山」温泉としての効能もあるこの泥の層の深さは何と推定2,300mにも及ぶもので、泥の中に埋まっても体が沈む事はなくプカプカと浮く事が出来ます。

こちらは先日の同行ガイド出張時に撮影したものでコロンビア国内の「温泉巡り」が主目的でした。このトトゥモ泥火山に滞在したほぼ同じタイミングでこの日寄港した大型クルーズ船乗客を乗せたツアーバスが到着し、瞬く間に泥火山への「登山道」は乗客の列で一杯になりました。

この他、カルタヘナ港からボートでたったの10分程度にあるティエラボンバ島の白砂の海岸で過ごすなど、カルタヘナでは実に多くの上陸ツアーの選択肢があります。もしも世界一周クルーズなどでカルタヘナに寄港される機会がありましたら、世界遺産の街並みその他多くのツアーが催行される筈ですので是非とも体験してみて下さい。

以   上