連載エッセイ335:ピーター藤尾「チリの風」その24 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ335:ピーター藤尾「チリの風」その24


連載エッセイ335

「チリの風」その24

執筆者:ピーター藤尾(在サンテイアゴ)

「2024年2月26日ー3月3日」
「政治」
1)ボリッチ動向

夏休みを終えてこの金曜日からモネダ宮殿に戻りました。最初の会議でこれから政権の後期が始まるが、新しいことを始めるのではなく、今までの公約を全部実行すると言う方針でやっていきたいとしました。そしてアメリカの財務担当のジャネット・イエレン議長と会議しました。中東問題でアメリカ寄りの国はイスラエル、逆の場合はパレスチナを応援していますがボリッチ政権は明確にパレスチナ側です。さて今回の会議でアメリカはチリに何を要求し何を提供したのでしょう。リチウムなど鉱山関係の事項でしょうか?

市民調査ですが、彼を支持するは少し上がって35% 。チリ国民は新聞・テレビのニュースにちゃんと反応しますね。

今、政府内で最も問題になっているのは政府を支える党の中心の社会党と共産党の争いです。チリが民主化して以来、社会党は常に政府の中心でしたが、共産党は入れませんでした。しかしボリッチが新左翼・共産党をベースに政権を取ったので、現在は社会党と共産党は対等の立場で、共産党は自由に自分の意見をボリッチに受け入れさせようとします。ベネスエラ人殺人事件を含め、共産主義(共産党)を批判する声が大きいが、それはいかがなものかとボリッチは論争を抑える方針の様です。それから与党グループに10月の地方選挙で、仲間を敵のように扱う現行方針を直したいとしました。

2)ベネスエラ問題

ベネスエラの元軍人でチリに政治亡命したオヘダが行方不明になっていましたが、同国政府は自分たちはその事件に全く関与していないとコメントしました。チリ政府の記者会見の時、この件に関し、与党の共産党は仲間のベネスエラを犯人扱いするなと言っているようだが、政府はそれをどう扱うのかと聞かれました。政府の大統領府長は、政府として必要なことはすべて行う。共産党のメンバーがベネスエラ事件についてコメントするのは個人の見解で、共産党として意見を出しているのではないとしました。しかし週末に彼の死体がマイプで発見されました。新聞にはチリの警察力がそれほど高くないと言えると厳しい批判が出ました。さらに彼の書いた文章が見つかりました。遺書ではなく自分が置かれた状況を書いています。彼を殺したのはベネスエラの麻薬組織ではないかと言われています。

3)その他

新左翼の統一化運動が始まりました。いくつかの党が新左翼組織を形成していますが、素人の私にはそれらがどう違うのか、どの党に誰がいるのかなどよくわかりません。そして革命民主党など裁判問題になっているところは党の存続も疑問視されます。それを避けるため一つの党にしようとするものです。

ゴンサロ・ウィンテル(CS党議員)は新左翼勢力がなぜ生まれたのか、それをどう伸ばしていくのかボリッチはちゃんと国民に伝える義務があるとコメントしています。金持ちの好きにはさせないぞと4年前の社会騒乱の時に、社会党などの中道左派とは違ったことを叫んで生まれたグループですからね。

アタカマ州の教員組合は学校施設に問題があり、通常授業が出来ないとクレームしていますが、学校の始まる前の今日、教育大臣がすべての工事が終わっているわけではないと批判を受け入れました。ボリッチはどう反応するでしょう。

「経済」
1)銅価格と為替

1ポンド当たり3.81ドルと先週と大きく変わることはありません。為替は1ドル970 ペソと先週より少し良くなり、1000ペソの大台から離れました。

2)経済指数イマセック

先週の予想を大きく上回り、中銀の発表の1月のイマセック指数は2.5%の上昇でした。今年は順調に行けるのかな?もっとも新聞にボリッチは国債軽減のための増税を検討しているが、今がその時期かは疑わしいと書かれています。財務大臣は増税だけでなく、一分の減税も計画しています。

3)株式市場IPSA

今週のIPSA指数は過去最高の6482ポイントまで上がりました。日本のケースと同じですね。素人の私には日本とチリが同じ時期に同じように過去最高を記録するのが不思議です。どちらも過去に比べて景気が良くなっているとは思えませんから。

「一般」
1)山火事

今日、発表された数字ですが、燃えたのは12976 ヘクタールで、現在延焼中は11か所です。

2)犯罪

毎日、テレビのニュースは犯罪関係が中心で飽きますが、今週のケースです。首都圏の家に泥棒グループが入りました。オーナーは正式に許可を受けた銃を所持していたので、それを犯人に発砲し一人に当たりました。残りの犯人は逃走しましたが、撃たれた犯人は警察に逮捕されました。彼は以前にも同様の犯罪を犯していたとか。一向に良くならない証拠ですね。

3)スーパー月曜日

夏休みが終わって、学校・会社が正常化しますが、その最初の日が明日の月曜日です。そのスーパー月曜日をどうすれば大きな混乱がなく正常に動くかを政府は検討し、交通機関の問題を筆頭に各部門の協力を進めています。今日の日曜日に30万台の車が首都圏に戻って来たとか。それらの車は明日から首都圏を走りますからね。交通渋滞は大変でしょう。

4)出生率

チリは1.5人でラテンアメリカの中でコスタ・リカと並んで最小でした。赤ちゃんを持つのは責任・経済に大きな影響を与えると夫婦は考えるのでしょうね。

5)ビーニャ音楽祭

日曜日に始まり金曜日の夜に終了しましたが、連日、1万数千人が会場を埋めました。毎日満席なんてすごいですね。私は毎日、最初の出演者だけ見ていました。以  上

「3月4日~10日」
「政治」
1)ボリッチ動向

スペインの大統領サンチェスがチリを訪問しました。スペインはチリに取って最重要貿易国の一つですが、商業以外にも緊密な関係を維持しているとか。

ところで、サンティアゴでもうすぐ航空見本市がありますが、イスラエルの参加はなさそうです。なんでもボリッチがその参加を拒否したと言われます。それに関して前・元外務大臣がそれを咎める発言をしています。パレスチナ支援の姿勢とイスラエル外しがあまりにも派手だと言うわけですね。

そしてベネスエラの亡命軍人が殺された事件で、ボリッチはチリ共産党と揉めないようにするため、その件に関してコメントを抑えているとか?その党首カルモナは殺された軍人が悪いと思っているみたいですが、その理由は殺された元軍人はベネスエラで大統領に反対する運動をしていたのだからとします。

しかしこんなニュースが続けば、世論調査で彼の人気は下がりますね。今週でちょうど任期の前半が終わり後半に入りますが、新聞の特集で彼を支持するが一番高かったのは就任した時の2022年3月で50%、逆に低かったのは25%で、今は29%とか。逆に否定するは就任時20%だったのが最高70%まで上がりました。彼は2年間で15回も外国訪問をしています。そのうち4回はアメリカです。確かに旅好きですね。

ところで共産党の件ですが、レコレタ区の区長(共産党員)は区が運営する薬局で出た利益が誰かの懐に入ったと訴えられ裁判になっています。彼は自分は何も不正はしていないとコメントしていますが、右も左も政治家は同じですね。

さてボリッチは山火事が起きたバルパライソ州のビーニャで小学生に入学式の前に学用品のプレゼントを渡す式をしましたが、そこの市長がクレームしました。「学用品をもらっても、彼らは家の庭のテントの中で寝起きしているんですよ。簡易住宅の建設がどうして遅れているのですか?」その市長は野党でなく新左翼系です。

それから新左翼の政党が他の党と合併することの是非を問う投票が始まりました。さぁどうなるかな?ところでキリスト教民主党は次の地方選挙に現在の与党グループと合意・同行する事を決定しました

2)ピニェラ死去1か月記念

彼が亡くなって1か月たちました。木曜日にその記念日の式典があり、多くの政治家が参加しました。ピニェラの名前を使って野党の宣伝をしているのでしょうか?ピニェラがいなくなったので野党側の大統領候補はプロビデンシア区区長のマテイが断トツです。もちろん最右翼の共和党はカストを担いで勝負にでるでしょうが。その前の地方選挙は与野党ともに内輪もめしています。ラス・コンデス区は現職が野党統一候補になりますが、共和党が元大臣の女性を候補にして激しい競争になりそうです。

「経済」

 

  • 銅価格と為替

1ポンド3.88ドルと先週より上がりました。それで為替は1ドル965ペソとかなりペソ高になっています。銅とリチウムはチリの重要項目です。外国資本はそこに投資をする傾向ですが、チリ資本は逆に引き上げる様子です。もう魅力は無いのかな?しかしリチウムの件でSQMに投資した中国資本がSQMと何か揉めていると報道されています。

2)株式市場

IPSA先週に続いて今週も新記録を出しました。

3)物価上昇率IPC

2月のIPCは0.6%でした。今年になって1.3%、過去12か月では4.5%です。今年になって1.3%は高いですから、中銀は公定金利を下げるのを渋っている由。またインフレ問題が戻るのは避けたいですからね。

「一般」

 

1)犯罪

ブラジルの最大麻薬組織PCCがチリに入りました。今までベネスエラ(アラグアの汽車)など外国の麻薬組織がチリ国内で大きな勢力を持っていましたが、ここに来て南米最大の組織がチリ市場に侵入したわけです。チリ国内に警察がまるで手が触れられないような地区が存在するが、政府は何をしているのかと言うコメントが出ました。貧民地区などで私服・制服の警官が入れないようなところがあるのでしょうか。

国際女性デー

世界共通ですが、国際女性デーは3月8日です。全国各地で毎年のようにデモがありました。サンティアゴの場合は中心道路のアラメダ通を封鎖してデモ隊が溢れました。政府関係者や議会の女性も多く参加しました。道路がデモ隊で覆われるのを見るのは久しぶりでした。チリの女性の権利はラテンアメリカの中では上位ですが、アルゼンチンやウルグアイより低いとか。このデモで大きな混乱はありませんでした。

2)学習

学力検査は小4と中2を使って検査が行われます。今年の数字はコロナ問題前のレベルに戻りました。学習の通常化が進んでいるわけですね。オンラインで勉強するのが長い間続きましたから。

3)山火事

今日の段階で火事は110か所で起きており、そのうち6か所で延焼中です。問題だったバルパライソ州(第5州)はすべて消えました。今まで燃焼したのは13155ヘクタールです。

4)センソ(社会調査)

昨日から全国でセンソが始まりました。数か月かけて全家屋を訪問し調査します。

例えば、家に関しては何部屋あるか、自分のものか借り家か、また何人住んでいるかとかです。そのうち私の所にも来ますね。                 以  上
「3月11日~17日」
「政治」
1)ボリッチ動向

ボリッチは南のマウレ州に行っていろんな行事に参加しました。例えば、クリコで新しい病院の開所を祝い、タルカで首都圏との間の高速鉄道の開始を祝いました。それからその近くの郊外地区で318家族に新築簡易住宅を渡す式をしました。2022年にその住宅の建設が始まり2年弱で完成したとか。OECDの調査でボリッチを支持するとしたチリ人は29%でラテンアメリカ諸国の中では4番目に低い国とか。

しかし国内の動きとは別にイスラエル問題が深刻さを増しています。イスラエル大使がチリ政府の考えに抗議しています。チリ国内ではユダヤ人よりパレスチナ人の方が多く、社会に根付いています。プロのサッカーリーグにパレスチナも入っています。その他には

スペインとイタリアの名前がついたプロチームがあります。日本がそれに入れば侍ハポンと言う名前になるかな?

それからボリッチは外務大臣・農務大臣と共に農産物の輸出関連事項の案件を確認しました。そしてチリ・中国の一層の協力に合意し、他の果物に加えてアーモンドの中国への輸出を拡大することが決まったとか。新聞の経済特集の記事で、中国だけでなく近い将来にチリにとって重要な相手国はインドだとされています。

しかし世界の政治不安は拡大ですね。台湾有事が発生すれば北朝鮮が日本を攻撃するのは明白でミサイルが日本の原発に当たれば地震や津波以上の大災害になるでしょう。人間は学習効果がないと言うのは歴史で証明されていますから、第3次世界大戦は近いかも。もちろんチリにも大きな影響が出るのは明白です。たとえ直接の爆撃は受けなくても銅の輸出が止まれば予算は激減するでしょう。

2)その他

国会でピニェラの追悼式が行われましたが、共産党はそれに出席しませんでした。左右の考え方の違いは当然ですが、亡くなった人の追悼を捧げるのは人間として当然のことで、それをできない共産党はかなり人間のレベルが低いですね。このため共産党員が議会の議長に選ばれそうだったのが疑問視され始めました。そしてサンティアゴ区長など共産党員が区長をしている区の地方選挙の候補者選びが深刻化を増しています。

チリでは警察は制服と私服の2組織に分かれ、同じ組織の一員として共同して働くことはありません。今回、その私服組織のトップが辞任しました。金曜日、彼の事務所に検察官が入り取り調べがありました???以前にその長官は自分の手に入った幾つかの極秘情報を知り合いの弁護士に流していたことがばれたからです。来週の火曜日からこの件に関し裁判所が動きます。

「経済」
1)銅価格と為替

銅の価格は1ポンド4.04ドルと久しぶりに4ドルの大台に乗りました。このため為替は1ドル946ペソとペソ高になっています。

2)ガソリン価格が新記録

それを新記録とは言わないですよね。最近頻繁に価格が上昇していますが、この1か月で60ペソ上昇し93オクタンで過去最高の1340ペソになりました。ドルの比較でチリのガソリン価格は南米で最も高いレベルです。これは管理費用が高いのと税金が高いことを表しています。

3)株式市場IPSA

12日に6502ポイントと新記録を更新しました。しかしそれに関与している会社の3分の2は昨年2023年の数字は一年前の2022年の決算より悪かったとか。

それでよく株価IPSAの最高値が更新されるものですね。

4)解雇問題

会社の必要性と言う理由で1月に解雇された従業員の数は52000人になり、2020年4月以降で(コロナ問題以降)の最も高い数字になりました。経済回復が言われますが、それほど安定しているわけではないのですね。

5)物価上昇率IPC

中銀が予想した数字より今年の上昇率は高く3.5%まで上がりそうとか。

「一般」
1)犯罪

首都圏で犯罪が多い地区になっているマイプ区の区長がモネダ宮殿を訪問し、トア内務大臣と面談しました。彼は大臣に犯罪抑制のため軍隊を使用してほしいと要請しました。そうか、右翼の戦略かと思われますが、違います。そのボダノビッチ区長は新左翼です。ボリッチは軍隊の使用をどのように実現化するか検討しているらしい。もちろん共産党はそれを認めない方向で動きそうです。

ところでそのマイプ区に不法建築の地域があります。その地区の家は公用地か、私用地を不正使用をしたものですが、その場所から先日ベネスエラの元軍人の死体が見つかっています。そしてなんとその区長は軍の投入が決定される前に、区の重機を使って、麻薬やアルコールを売っている幾つもの家屋を壊しました。同じような問題がフロリダ区でもあり、その区長は不法建築の家が多い地区の問題をあげて住居省の大臣を批判しました。大臣は「その違法建築の家の住民は多くが移民で、そこを出てどこに行けるのかわからなければそこから出ていかないだろう」と答えました。首都圏の52地区で一か所でもそうした不法貧民街があるのは32地区とか。その住民はほとんど移民でハイチ・ペルー・べネスエラ人が多いとか。

これらに関してレコレタ区の区長は「自分の同僚の各区の区長の動きが悲しい・見苦しいと感じる。皆さんの安全を私が守ろうとしているのですと言うわけだが、選挙が近づくとそうなるのだろう」とコメントしています。彼は共産党ですが、不正問題で裁判ですからね。見苦しいです。

マプチェ問題

マプチェのグループCAMのリーダーのエクトル・シャイッツの裁判で25年の刑が要請されました。彼は「チリが独立したときアラウカニアはその領土に入っていなかった。その後、一方的にチリ軍がマプチェの領土に侵入し私たちの仲間を殺して土地を取り上げた。チリの森林会社の木材をマプチェが不法に伐採すると言われるが、私たちの森を自分のものとするその会社が間違っているのだ」と言っています。もちろん、歴史的には彼が正しいですね。

先日オーストラリアで建国記念日があり、お祝いしましたが先住民にすれば、こいつらが俺たちの領土を奪い取ったと考えますね。世界中同じです。

2)山火事

延焼中は5か所で先週より下がりました。

3)ロラパロサ音楽祭

先日のビーニャの音楽祭に続き、この週末の三日間、首都圏でロック音楽祭がありました。大きな公園を会場にしてファンが溢れていました。          以  上
「3月18日~24日」
「政治」
1)ボリッチ動向

今週は世界水の日になったので水関連の式に二つ参加しました。先ず北部のロス・ぺランブレス鉱山を訪問しました。海水を軟化して鉱山地区で使用する 仕組みを見学しました。その鉱山が開所したとき、仕事でそこを訪問したのを思い出します。昔の話です。

それから首都圏の南に隣接するオヒギンス州のナビダ区で水源確保のための施設を見学しました。

2)上院議長

共産党議員が議長になるはずでしたが、与党の一部が反対したのでそれが覆り、結局野党の国民改革党RNのガルシアが選ばれました。今年末の地方選挙もそういう風が強く吹くでしょうね。共産党と新左翼が落ちこみそうです。

3)PDI新長官

それから私服警察PDI新長官が発表されました。前長官のムニョスは留置所に収容されました。彼とコンタクトを取っていた弁護士のエルモシジャも調べられますが、政府との契約は全くないとか。ムニョスとエルモシジャの電話の会話が録音されていて、その一部がテレビのニュースで放送されました。どの情報が、どの仕事に使われたのか少しづつ明らかになるでしょう。しかしPDIのトップが収容されると言うのは国民の間で不信・疑惑が大きくなりますね。ピニェラ政権時の大臣もこの事件に関連しているか噂されています。

4)アルゼンチン

かなり変わった雰囲気のミレイが大統領になりましたが、彼に任命されてチリに来た大使が次のような発言をして問題になっています。それは「私たち(アルゼンチン)は農業国として発展してきましたが、皆さん(チリ)はやっと食べられるようになったみたいですね。」どうかな?

「経済」
1)銅価格と為替

銅の価格は3.96ドルと先週より若干下がりました。為替は1ドル972ペソとペソ安がかなり進んでいます。昨年のGDPはマイナス数字と思われていましたが、意外に、ほんの少しですが0.2%のプラス成長でした。今年の予想も2-3%とプラス成長が見込まれています。もっとも建設業界はかなり厳しい年になりそうです。建設しても売れなければ・・・

2)IPSA株式市場

今週も6525ポイントと新記録を更新しました。いつまで続くのかな?株と全然関係ありませんが、サンティアゴ国際空港の利用者がコロナ問題以降の新記録を出しました。正常化したわけですね。

3)ワチパト鉄生産工場

鉄の鉱山CAPが持つ製鉄企業のワチパトが生産を中止すると発表しました。チリで生産しても中国からくる鉄に価格で競争できず、常に赤字だと言う理由です。直接・間接の人員約22000人が失業しそうです。その工場のあるビオビオ州では大問題になっています。

それなら中国産製品に追加関税をすればよいと言う意見もありますが、25%は追加する必要があるらしく上手く行っていません。政府の最終見解が必要ですね。しかし高い運送費を払っても中国産の鉄はそれほど競争力があるのですね。同地区の区長が政府は私たちを助けようとしないとクレームしています。

「一般」
1)幸せランキング

世界143か国のランキングが発表されました。いつも北欧の国が上位を占めますが、ラテンアメリカでは、メキシコが25位、ウルグアイが26位でした。チリはその下で38位。それでもアルゼンチンやブラジルより上位でした。もちろんそんな評価に意味があるのかと言われそうですが、いろんな基準で評価されチリが上位に入るのは嬉しいです。ただ日本が51位と言うのは不可解です。それから同じような世界賃金ランキングで、最低賃金を現行のドルで比較をすると、世界のトップはアイルランドで3505ドル。日本は19位で1693ドル。なんとアメリカは1257ドルで28位。物価が高いと言われますが、給料は安いのですね。チリは現行の46万ペソでは967ドルで32位ですが、この7月から

50万ペソに上がりますから順位も少し上がります。アルゼンチンは753ドル、ブラジルは532ドルと下位低迷です。

2)犯罪

首都圏のメイ地区で60か所以上も家宅捜査が行われました。そして多くの商品が没収されました。薬品の場合、期限が切れているとか偽物とかです。まったく知りませんでしたが、チリで売られているたばこの約半数は不正にチリに入ってきたものらしい。正規の国境を通らず不正に入ってきたものですね。その方が正規の物より安いので消費者は露店で買うとか。同じく中央市場地区でも大激戦です。それは道路で商品を売る露店同士の争いで、ここは自分の場所だと言い争うとか。
ベネスエラの元軍人の妻がPDIと話し合い

先日、反政府運動をしていたベネスエラ元軍人が殺されたのはベネスエラ政府の指示とするコメントがマスコミに出ますが、犯人が見つからないと結論は出ません。チリの警察の動きが注目されます。

3)山火事

山火事は終わったようですね。延焼中はゼロで、要注意場所が1か所になっています。これから簡易住宅の建設が急がれます。               以   上
「3月25日~31日」
とうとう立秋の日が来ましたが、最高気温30度の日が続く暑いサンティアゴです。もっとも公園で木陰のベンチに座ると涼しい風が吹いてきて最高です。そして街路樹の紅葉した葉が目につくようになりました。さて今週は個人的な3項目に東奔西走しました。その一つは住居の販売です。知識と経験が足りないのでウロウロしました。

もちろんスポーツはいつものように楽しみました。マラソンは2回しっかり走りました。先週、もしかすると次のレースはハーフマラソンが走れるかと思い走る距離を伸ばしましたが、もう限界を超えているようで身体はガタガタになりました。それで今週はいつもの通りに戻しました。登山はいつもの山岳公園と近くの丘歩きをしました。山は第1展望台で3時間の歩きでした。毎年、カマラ(商工会議所)の月例会で講演をさせてもらっていますが、今年のテーマはラパヌイです。その原稿がとうとう完成しました。中高年向けの予防注射が始まり、インフルエンザとコロナの2本の注射をしてもらいました。このように毎週の通り、することが一杯あって今週も幸せな日が続きました。この週末はイースターの3連休で30万台の車が首都圏から出ていきました。交通事故で三日間で20名が死亡したとか。さて今年はほとんど雨の降らないサンティアゴですが、この冬はその異常乾燥が継続すると言う予報が出ています。

「政治」
1)ボリッチ動向

今週は何と6か国の新大使の信任届けの訪問を受けました。マルタ・ネパール・スリランカ・エストニア・ルクセンブルクそれにアルゼンチンです。

2)地方選挙

首都圏州知事はキリスト教民主党のオレゴですが、それに対抗して共産党が候補者を立てるようです。共産党は先の上院議会議長に自分たちの仲間がなるはずだったのにそれが覆されたので、与野党全部に勝負をかけるつもりの様です???来週は下院議会議長の件でもめそうです。さて、その件に関して、共産党は政府にもクレームしていますが、その姿勢は政府・与党内の分裂を起こすとするコメントが出ています。その次の選挙は大統領選挙ですが、右翼側はUDI党のマテイを候補者にする方針です。彼女は現在はピロビデンシア区の区長ですから、この年末の選挙には立候補しませんね。もちろんもっと右の共和党は独自の候補者を立てますが。

「経済」
1)銅価格と為替

銅の価格は1ポンド3.96ドルと先週とほとんど同じですが、為替は1ドル982ペソと少しペソ安になり、1000ペソの大台に近づいています。コデルコ銅公社は昨年の生産は130万トンと前年対比8%のマイナスで、国に収めた額は14億ドルで前年より8.8億ドルの減額とか。国政に影響しますね。

2)リチウム

この項目に関する政府方針が発表されました。アタカマ砂漠やマリクンガなどの地区で全部で26か所の鉱山区がオープンされますが、その中で重要な7か所は国営のコデルコとENAMIが運営することになりそうです。こうした前向きな姿勢とは全く逆の事が起こっています。アタカマ砂漠の土地を所有するコルフォは、それをほかの会社に貸与しています。現在はチリのSQMとアメリカのアルべマルレ社ですが、そこから受ける金額が何と10億ドルも減少しました。その理由はリチウムの市場価格の減少です。つまりもっと多くの会社の投資を待ってもそれが大きな前進につながらないと言う証拠ですね。EV自動車がどうなるか、リチウム鉱山の将来ははっきりしません。

3)ワチパト製鉄

経済大臣がその製鉄所のあるビオビオ州を訪問しました。テレビの経済番組に出た彼はワチパト支援を全力で行っているとしましたが、どうして中国品がチリに入って市場を抑えているのを見逃していたのかと聞かれると私は政治的な事ではなく従業員の将来のことが大事なのだとコメントしました。しかし関税を上げれば問題は解決(もしくは軽減)するのは間違いないのにそのテーマが議論されません。中国品は政府の援助を受けて安価で輸出できるのか、国内は競争が厳しいので輸出の方がしやすいと言うのでしょうか。そしてワチパト製鉄の従業員の解雇が始まったようです。

中国製品に対する関税アップに反対するデモがありました。誰がそれを操っているのかな?しかしそのチリ産の製鉄産業ですが、中国品に品質・価格で対抗できないことに関し抜本的な対策・検討がされていなかったことは基本的なエラーではないでしょうか。

今日の新聞の経済面に中国とチリの接近として中国企業のチリへの投資に関する記事が掲載されました。しかしどこを見ても中国・中国ですね。

4)果物の輸出

昨年度のチリの輸出はなんと世界5位になっています。ブドウ・梅・サクランボなどですが、一番ボリュームの大きいのはサクランボで前年より7.3%アップの30万トンを18億ドルで販売しました。(FOBベースです)輸出は中国向けが多いです。

5)増税

財務大臣は月給450万ペソ以上の人に増税する方針です。与野党でどう反応するかな?

「一般」
1)犯罪

マイプ区で女性が殺されました。夜中に彼女が叫ぶのを聞いて隣人が警察に連絡したのですが、女性は同棲者に殺されていました。毎週のようにこの種の家庭内暴力の犯罪があるとか。それからひったくりですが、夜の道を歩いていると車が近づいてきて、それから下りた犯人グループが銃・ナイフで脅し鞄・財布や携帯を奪って逃げます。 安全カメラで撮影されたものがニュースに出ます。毎日の事件です。

この週末に青年闘士の日が来て、全国でデモがありました。昔は死傷者が出るほどの争いでしたが、今年はそんな大事件はありません。なんでも逮捕者数は前年の半分だったとか。それより高校などで校内の争い・喧嘩が大問題になっています。学生が争うのがビデオにとられニュースに出ますが、ナイフどころかピストルも持っています???

犯罪が多くなると通常の生活がしにくくなるわけで、そういう危険地区の中央駅区のマンションは約40%が空室になっています。地下鉄の駅やバスターミナル近くに完成したマンションが空室だらけと言うのは、まるで中国の問題のようです。チリでもそれは投資として購入され、それを貸して利益を得ると言う商売だったのですが、投資者は泣いていますね。

2)デング熱

112のケースがチリで見つかりました。そのうち16のケースはラパヌイです。しかしアルゼンチンでは今年になって13.4万人がかかったとか。一桁や二けたの違いではありません。チリはまだその病気が始まってないようですね。

(スポーツ)

1)サッカー

国際親善試合でチリはフランスと対戦し2対3で負けました。その数字からすると惜敗の様ですが、試合を見ているとかなりレベルが違うことが分かりました。FIFAの国際ランクでチリは日本より下ですからね。国内リーグ戦は第6試合が終わった段階で 今までの延期になっていた試合はすべて実施され、6試合での勝ち点のトップはイキケとチリ大学。人気のコロコロは4位。カトリカは12位です。           以   上