【季刊誌サンプル】日本のカリブ諸国に対する開発協力 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】日本のカリブ諸国に対する開発協力


【季刊誌サンプル】日本のカリブ諸国に対する開発協力

秋山 慎太郎(JICA中南米部中米・カリブ課長)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2024年春号(No.1446)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。

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日本のカリブ諸国に対する開発協力 秋山 慎太郎(JICA中南米部中米・カリブ課長)

カリブに対する協力の歴史
本年、2024年は「日・カリブ交流年」1としてカリブ共同体(カリコム)事務局との事務レベル対話開始から30年になる。また、ジャマイカ及びトリニダード・トバゴは外交関係樹立60年の記念の年でもある。これまでこのカリブ地域にどのような開発協力を行ってきたのか、統計等のデータから改めて振り返ってみたい。

私は長くラテンアメリカ(中南米)地域と関わってきた。10年前、2014年の「日・カリブ交流年」の際には当時、地球環境部防災グループに在席をしており、外務省の招へい事業で来日された行政官向けに、日本の防災の経験をお話させていただいた。

私が初めてカリブ地域を訪問したのは、2010年にハイチで発生した大地震2に対する国際緊急援助隊医療チーム派遣に参加した時であった。2010年1月12日にマグニチュード7.0の地震が発生し、死者20万人以上、負傷者30万人以上という未曽有の被害が生じた。首都ポルトー・プランスも大きな被害を受けた。

また、当時は政治・治安状況も不安で国連はハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)3を派遣している最中であった。私たちの活動もスリランカ軍に守られながらの活動であったが、一緒に活動したレオガン市看護学校関係者とはとても良い協力関係が構築できた。

この時、日本がこれまで築き上げてきたハイチとの関係がしっかり基礎にあることを感じた(写真1)。その後は、復興支援として道路・橋梁、給水システムに対する支援や病院建設事業が展開された。

改めてカリブ地域への協力を振り返ってみたところ、我が国は1962年にハイチから「通信・放送」分野で研修員を受け入れたことから開始している。その後、農業や商業、保健医療分野での受入に拡大していく。分野としては農林水産業が最大で保健・医療、計画・行政が続く。日本からの人の派遣を通した協力は1965年のトリニダード・トバゴへの「工業」分野専門家の