【季刊誌サンプル】新たな油田開発で成長著しいガイアナ ―開発状況と課題 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

【季刊誌サンプル】新たな油田開発で成長著しいガイアナ ―開発状況と課題


【季刊誌サンプル】新たな油田開発で成長著しいガイアナ ―開発状況と課題

森田 竜也(JICA専門家 カリコムアドバイザー)

本記事は、『ラテンアメリカ時報』2024年春号(No.1446)に掲載されている、特集記事のサンプルとなります。全容は当協会の会員となって頂くか、ご興味のある季刊誌を別途ご購入(1,250円+送料)頂くことで、ご高覧頂けます。

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新たな油田開発で成長著しいガイアナ ―開発状況と課題 森田 竜也(JICA専門家、カリコムアドバイザー)

低炭素開発戦略による開発
2024年2月28日、Architecture for REDD+ Transactions(ART)は、ガイアナに対して714万のカーボンクレジット1を発行した。同時にガイアナ政府は、世界で初めて国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に承認・報告されたパリ協定の相当調整を終えたことを発表した。

これにより、このカーボンクレジットは、航空会社が使用できる世界初のカーボンクレジットとなった。同クレジットは、2021年に発行されたヴィンテージクレジットであり、2024~26年の「国際航空のための炭素オフセットと削減のための枠組み(CORSIA: Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)」の削減目標達成に向けて使用できる。

また、ガイアナは、油田開発コンソーシアムの1社であるHess社との契約に基づき、カーボンクレジットの売買により、2023年7月時点で同社から1億5000万米ドルの支払いを受け取っており、2030年までに最低7億5000万米ドルを受け取ることになる。なお、ガイアナは、2009年に途上国として初めて低炭素開発戦略(LCDS: Low Carbon Development Strategy)を発表しており、これに基づき、2009年11月、ノルウェーと覚書に署名している。

一定の成果指標が達成されたため、ノルウェー政府は、ガイアナ政府に対し、2015年までに2億2000万米ドルの資金を森林破壊回避のために提供することを約束した3。この合意は、LCDSに対する初の国際的な資金援助の約束であり、先進国と開発途上国間の初のパートナーシップでもある。政府は、これら資金をインフラが未整備で、社会経済開発の遅れている先住民地区の開発に充てることとしており、再生可能エネルギーの導入や先住民の土地所有権の整備等を行っている。

石油生産開始後の開発状況
エクソンモービルが筆頭となるコンソーシアムはスターブロック地区において、3つの油田で原油生産をしており、2026年までに新たに2つの油田で生産を開始する。これら5つの油田のうち最も大きなウアル(Uaru)油田では、三井海洋開発株式会社が、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備の建造及びオペレーション・メンテナンス契約を受注している。これらか