【演 題】「日本の古典をスペイン語の世界へー翻訳の苦労と楽しみー」
【講 師】伊藤昌輝氏 元駐ベネズエラ大使
【日 時】2024年4月18日(木)21:00~22:30(日本時間)
【場 所】リモート
【参加者】 62名
元駐ベネズエラ大使の伊藤昌輝大使氏より、外務省在任中及び退任後、かねてから日本の古典をスペイン語世界に知らせたいという強い意志と情熱を抱いていたことについて格調高く語っていただいた。
最初に簡単な自己紹介を行った後に、「方丈記」のスペイン語訳がベネズエラ、アルゼンチン、日本で出版の運びとなり、日本翻訳文化賞を受賞したことが語られた。その後、日本語からスペイン語に翻訳する上での難しさについて、男性・女性の性別、日本語の主語・人称のあいまいさ、単数・複数の扱い方、合致する語彙の有無、連想の対象の相違等についてわかりやすい説明があった。
続いて、過去の翻訳作品の紹介があった。アルゼンチンで発行された「閑吟集」、「芭蕉文集」、ベネズエラで出版された「梁塵秘抄」、「世間胸算用」、スペインで発行された石川啄木の「ローマ字日記」、「悲しき玩具」、「歎異抄」、倉田百三の「出家とその弟子」、「江戸の川柳、誹風柳多留」、日本で出版された「スペイン語で旅する おくの細道」、「スペイン語で詠う小倉百人一首」、石川啄木の「一握の砂」、「スペイン語で愛でる万葉集」等についての個別に紹介された。
また、翻訳の難しさとして「方丈記」の最初の部分の翻訳についての苦労も語られたほか、日本で行われた「百人一首コンサート」やメキシコ国立自治大学(UNAM)での講演についても紹介があった。講演終了後には、活発な質疑応答があった。スペイン、アルゼンチン、パナマ、米国等海外からの参加者も多かった。
<会員限定:資料・録画>
「ラテンアメリカなるほどトーク」2024年度第1回」「日本の古典をスペイン語の世界へー翻訳の苦労と楽しみー」伊藤昌輝氏 元駐ベネズエラ大使