講演会報告:浅利 秀樹氏 駐ウルグアイ国特命全権大使「ビジネスチャンスの宝庫:ウルグアイ」2024年5月17日(金)午前10:00~11:30(日本時間) - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告:浅利 秀樹氏 駐ウルグアイ国特命全権大使「ビジネスチャンスの宝庫:ウルグアイ」2024年5月17日(金)午前10:00~11:30(日本時間)


【演題】「ビジネスチャンスの宝庫:ウルグアイ」
【後援】日本ウルグアイ協会
【講師】浅利 秀樹氏 駐ウルグアイ国特命全権大使
【日時】2024年5月17日(金)10:00am~11:30am(日本時間)
【場所】オンライン
【参加者】48名

浅利大使は「最近のウルグアイ概況と日ウルグアイ関係」と題する資料を用いて、最近の政治・経済状況と日本とウルグアイの関係について、分かり易く説明された。

ウルグアイはサッカーとワイン(タナ種)が有名であるが、ウルグアイは「整った国」であり、南米で存在感を示している;安定した民主主義国家、南米のハブでありゲートウェイ(メルコスール本部、物流)、多くの外国企業による投資、ラ米で最大のPKO貢献等。

本年10月から11月にかけて行われる大統領選挙の結果如何にかかわらず、ビジネスフレンドリーな政策が大きく変わることはないだろう。外交的には対米関係と最大の輸出先である中国を重視しつつも、対中依存の低減も図っている。メルコスールを重視。

最近、日本との間ではラカジェ・ポウ大統領の訪日(2022年10月)に続いて、武井外務副大臣のウルグアイ訪問(2023年8月)、経団連ミッションの訪問(2023年7月)、ジェトロ・ビジネスミッションの訪問(2023年10月)、防衛省統合幕僚学校教官によるウルグアイのPKO訓練生コースでの講義(2023年11月)といった政治・経済面での関係が深まってきた。また、昨年初めには日立の米国子会社によるウルグアイのIT企業Hexactaの買収というニュースがあったが、現在ウルグアイにはIT関連企業の進出が活発である。

IMFが健全なマクロ経済運営を評価しており、投資環境は良好。ウルグアイは、一次産品(セルロース、林産品、牛肉、大豆等)、再生可能エネルギー・水素、IT、スタートアップ等の分野で大きなポテンシャルを有する。国内に12か所のフリーゾーンを設け、投資優遇策を講じており、主に欧米企業が多く投資している(日本の進出企業は21社)。

日本とは伝統的に友好関係を有して来ており(日系人は約460人)、ウルグアイも日本との関係を重視。今後、貿易投資関係に多角化の余地が大きい。大使館をはじめとする投資相談窓口を利用して欲しい。

講演の後の質疑応答では、民主主義という価値観の共有に関する政府の見解、王子製紙の植林地の木、ウルグアイにおける労働組合、DACを卒業したウルグアイにグルーバルサウスとしての自覚はあるか、岸田総理が提唱する「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」へのウルグアイ側の反応、ウルグアイが民主主義を維持し、経済・社会が安定している理由、EUメルコスールFTA、ウルグアイ産の牛肉の日本への輸出の現状、等多くの質問が出され、大使から丁寧にお答えいただいた。

<会員限定:資料・録画>
講演会資料:浅利 秀樹氏 駐ウルグアイ国特命全権大使「ビジネスチャンスの宝庫:ウルグアイ」2024年5月17日(金)午前10:00~11:30(日本時間)