『エルサルバドルを知るための66章 【第2版】 (エリアスタディーズ 80)』 細野昭雄・田中高編著
明石書店 2024年5月 383頁 2,000円+税 ISBN978-4-7503-5772-0
エルサルバドルと日本との関係は第二次世界大戦後も1955年から早くも繊維産業の企業進出が始まり、日本の教育を取り入れるべきと尽力したベネケ駐日大使(後に教育相等歴任)の尽力で1963年から7次に及んだ大学使節団の受け入れ(紹介者は第一次の団員)など、多くの関係者が親日的と言う関係が続いている。本書は『エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグアを知るための45章』(2004年)の後継の『エルサルバドルを知るための55章』(2010年 https://latin-america.jp/archives/5765 )を基に改訂し、内戦後の政治を担ってきた二大政党のいずれとも一線を画すブケレが2019年に大統領に当選、2024年に再選した近年のエルサルバドルで起きている状況の光と影など、歴史・自然環境・政治・経済・社会・文化・芸術・日本との絆などについて新たに執筆した章を加えたものである。
本書は、外交・国際協力・企業活動など、実に様々な分野でエルサルバドルと交流し関わってきた23人の執筆者を動員して纏められた、日本語の文献の少ないエルサルバドルについての総合的な入門書である。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2024年夏号(No.1447)より〕