連載エッセイ402:ピーター藤尾「チリの風」その30 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ402:ピーター藤尾「チリの風」その30


連載エッセイ402

「チリの風」その30

執筆者:ピーター藤尾(在チリ、サンテイアゴ)

「2024年8月26日ー9月1日」

「政治」
1)ボリッチ動向

国家権力による殺害・行方不明者を明らかにする運動の集会にボリッチは参加し、すべてが明白になるまで努力を続けたいとしました。社会学者のチロ二はアジェンデがボリッチのような柔軟性を持っていれば軍事革命にならなかっただろうとするコメントを出しました。

さて最近の最大の話題はエルモシジャ問題です。不正行為で裁判になっている彼は判決が出る前に刑務所に収容されました。それに関し、ボリッリは、彼が自分のいる立場を利用して情報を引き抜きそれを利用して巨額の金を盗み取っていたのだから刑務所に行くのは当然だとしました。彼の弁護士は「ボリッチは憲法違反をしている。現在裁判中で有罪も無罪も決まっていないのに刑務所に行くのは当然だとは何事かと」しました。

また逆にその弁護士は、まだ明らかになっていない電話の会話の中で、政府関係者や司法関係者の部分を全部ばらまきましょうか?と聞いています。誰かの大臣が怪しいコメントをしているのでしょうか?検察官のハラは私は彼に自分の履歴書を送ったが怪しいことは全くないとしました。履歴書を送ったと言うことは新しい仕事でもないかと考えたのでしょうね。

2)ベネスエラ問題

チリ共産党の国会議員がベネスエラには報道の自由がチリよりあるとコメントしました。しかし共産党員は世間の人と違った考えですね。ベネスエラは民主主義の国だとも言っています。元コスタ・リカ大統領アリアスが現在のベネスエラは麻薬国家だと言えるとコメントしています。それなら南米にあふれるベネスエラの麻薬グループは政府の管轄下にあるのでしょうか?

ところでその共産党員のカロル(議員)とカミラ(大統領府長官)の二人の女性がほとんど同時に妊娠しました。右翼はそれを批判しています。なんでも新左翼がそれを勧めたと言う話もあるとか??

3)地方選挙

選挙活動が始まりました。素人の私には選挙活動が始まる前に同盟を確認するべきと思いますが、プロの彼らは違います。いろんなグループがそれぞれ各自に動いています。

4)AFP引き出し

これまでもう何回も各自が積み立てた年金の基金を引き出しましたが、今回やっとそれが拒否されたようです。そういう議員を次の選挙で落としたいです。それを引き出せば、定年した時にもらえる年金が下がるわけで、そんな基礎的なことを今まで市民は国会議員に騙されていたわけですね。国会もやっと正常化したようですね。

「経済」

1)銅価格と為替

銅価格は1ポンド4.18ドルと安定しています。為替は1ドル917ペソと先週とほとんど変わりません。ただリチウムの価格の低下から、その鉱山を所有する政府のコルフォに入ってくる金額がなんと上半期85%も下がりました。民間企業に利益は出ていないの

ですね。ゴールドがあんなに高値なのに不思議です。

2)来年度のGDP予測

財務省の発表で来年度は2.2%が予測されています。前回発表された数字は2.3%でしたから、やや下がっています。銅の価格は1ポンド当たり4ドル強の予想です。

3)株式市場IPSA

先週より少し下がりましたが、年初からは6.4%の上昇で順調です。今年度上半期で62%の会社が昨年より多くの利益を出したらしい。好調ですね。

4)ガソリン価格の比較

ラテンアメリカ諸国の中でガソリン価格の高い3か国はウルグアイ(1.9ドル)チリ(1.5ドル)そしてコスタ・リカ(1.4ドル)でした。何年か前に最も民主主義が発展している国として発表されたのと同じ国ですね???

4)消費税

世界の51か国の消費税の比較がされました。最も高いのはハンガリーで27%。チリは19%で27位。日本は10%で41位でした。

「一般」
1)出生率

1ー6月の数字ですが、今年は昨年対比23%のマイナスを記録し、大問題になっています。若い女性が自分の将来、国の未来に希望が持てないとするからでしょうが、それが続くと短い期間にチリは下落の状況に直面しますね。ボリッチは何か出来るかな?

2)犯罪の増加

毎週、同じ問題ですが、今最大の話題は9月の建国記念のお祭りです。9月18日、チリが大騒ぎになります。その騒ぎを利用して犯罪グループが強盗略奪をするだろう。それを抑えるためには軍隊を出して警察の補助に充てるのが良いと言われます。また左翼から軍隊を前に出すなというクレームがあるかも。今週も首都圏で殺人事件が続き、一部の区で制服・私服警察が共同して国際麻薬組織「アラグアの汽車」の隠れ家を何件も捜索しました。ラ・ピンタナ区のサント・トマス地区は警察の手が入らず、組織犯罪グループが牛耳っているようでしたが、今週はそれを変更したわけです。多くの家屋に警官が入り、大量の麻薬と銃器を没収しました。もちろん逮捕者も多数。どうして今まで放置したのと言われそうですが、少なくとも前進です。

世論調査で市民の53%は現政権のような民主主義政権では犯罪を抑えることは出来ない。必要なのはピノチェットの軍事政権のようなシステムだと考えているようです。それなら次の選挙で共和党が躍進しますね。                

「9月2日ー9月8日」

「政治」
1)ボリッチ動向

幾つかの区が共同運営するブラジル区営公園の開所式があり、それに参加しました。こうして明るい話題を共通して持てるのが民主主義の素晴らしい点だと話しました。

それからモネダ宮殿で大臣などを集め共同会議をしました。話題は忙しいこの9月をどう安定させるかです。先ず11日に軍事革命51年を迎えます。その日はいつも反ピノチェットのグループが暴力活動をします。今週もすでに警察署にモロトフ爆弾が投げられました。それから18の祝日で、毎年多くの場所でお祝いがされますが、それを利用して犯罪グループが顔を出すのが心配されています。警備に軍隊を出すのでしょうか?

今週、憲法改正で否定が勝った投票から2年が経ちました。あの盛り上がった時期が懐かしい??です。新聞の社説にこの否定投票を右翼も左翼も真摯に反省しているのだろうかと書かれています。なぜピノチェットが作った現行憲法を国民が作り変えるとする新憲法が国民の大多数に否決されたかですね。

チリの話題と言えば、最近はずっとエルモシジャ事件ですが、ボリッチが彼が刑務所に入れられてよかったとコメントしてあちこちから非難を受けました。そして、これは噂ですが、ボリッチも仲間のジャクソンと二人でエルモシジャに会っているとされます。二人が「先輩、お元気ですか?」と言ったのなら全く問題にならないでしょうが、「例の件をどうすれば、大きな利益が出ると思われますか?」と聞いていれば大事件になりますね。

その時は右翼はボリッチの退任を企て、もしかすると共産党もそれに乗るかも知れません。もちろん、これは冗談でしょう。

その共産党の元区長ハヅゥエは区営薬局の不正問題から裁判になっていますが、今週、3カ月の収監の後、自宅待機に変更になりました。彼はニッコリ笑って自分が無罪と言うことが証明されるだろうと言っています。その逆の可能性も高いですが・・・

2)地方選挙

10月の選挙が正式に始まったようですが、テレビのニュースにはほとんど出ません。新聞で各地での候補者の争いが時々出ますが、私の住むラス・コンデス区で誰が立候補しているのか知りません???どうして盛り上がらないのか分かりませんが、マスコミで取り上げられません。

「経済」
1)銅価格と為替

1ポンド当たり4.09ドルと先週よりかなり下がりました。すると為替も1ドル942ペソとペソ安になりました。
2)物価指数IPC

8月は0.3%の上昇でした。それで今年になってから3.4%、過去12か月で4.7%の上昇です。正常ですね、異常ではなく。木曜日からガソリン代が下がりました。1リットル約30ペソです。8月の新車のセールスは28335台で、前月より8.8%のアップ、そして前年同月では0.1%の上昇でした。中銀の発表ではチリはこの先数年、穏やかな成長を続けるとされていますが、どうでしょう。派手に成長する可能性は無いにしても穏やかに上がって行ってほしいですね。

「一般」
1)犯罪

もう毎週同じですが、テレビのニュースは犯罪の件が中心です。犯罪グループの家を警察が襲い掛かり、犯人の逮捕と銃・麻薬・現金を没収をするのが見られます。それから多いのが、市民が車で家について、駐車場に入れようとするとグループが走り寄って、車の中のものを盗むか、逆に乗っている人を引きずり出して車を奪っていく事件が毎日出ています。銀行から出てきた客を襲うのも毎日です。警察もちゃんと働いているようですが、一向に犯罪の減少は見られません。

2)病気

10年ほど前はチリで病気で死亡と言えば心臓麻痺か癌でしたが、老齢化が進んだのでアルツハイマーやパーキンソン病が増加し、最近の調査では病気の原因として5番目に高い理由になっています。この傾向は続くでしょうね。

「9月9日ー9月15日」

「政治」
1)ボリッチ動向

パラリンピックでメダルを取った選手を祝う会をモネダ宮殿の前で行い、選手をチリ国民の誇りだと褒めたたえました。

11日の軍事革命記念日

ボリッチはモネダ宮殿で51回目の記念式典を開催し、二度とこのような事件が起きないよう民主主義を維持することに注力したいとしました。ただ最右翼の共和党はこの日をピノチェット記念日としてお祝いしたようです。

国立競技場の記念道路

その革命の日に左翼活動家が大量に逮捕され、国立競技場に送り込まれました。そこでは虐殺は記録されていませんが、何日間か監禁されたようです。昼間は暖かいですが、夜間は寒いですから、その収容された人たちは苦しんだでしょうね。ボリッチは、その場所に記念道路を作り、いろんなフレーズの入ったベルトのようなものを道路に置き、その収容事件を忘れないことを誓いました。

エルモシジャ事件

最高裁判所の裁判官ビバンコが彼とコンタクトしていた疑惑が大きくなり、彼女は当面、職を停止されたようです。検察が彼女のパソコンなどを抑えました。裁判官の任命方式を維持するか改革するか検討するかもしれないようです。彼女以外にも調べられている裁判官がいます。それとピニェラ政権時の内務大臣チャドウィックも彼とおかしいコンタクトがあったとされています。この先、どこまで行くのか、誰が対象になるのか分かりません。政治・経済・司法の3分野のトップクラスが彼とコンタクトを取っていたわけで、この問題は継続です。

「経済」
1)銅価格と為替

1ポンド4.12と先週より少し上がりました。この為、為替は1ドル934ペソと少しペソ高になりました。

2)チリディー

ロンドンでチリディーが行われ財務大臣がチリの宣伝をしました。

3)株式市場IPSA

今週は6351ポイントで終わり、先日の暴落の影響から回復した状態が継続です。

4)空港スト

金曜日から一部でストが始まりましたが、それほど大問題になる前に解決しました。

「一般」
1)社会騒乱

チリで18Oと言うと、10月18日の事ですが、社会騒乱の記念日です。つまり来月にその5回目の記念日が来ます。ボリッチをリーダーとするグループがピニェラ政権に反抗し、「金持ちめ、お前たちの好きなようにはさせないぞ」と暴れまくりました。それを利用して商店の略奪事件も頻繁に起きました。デモの参加者が100万人と規模が違いました。さてその記念日をボリッチはどのようにするのか、祝うのか,呪うのか注目されています。左翼が軍事革命記念日をお祝いするなら、右翼がこの社会騒乱記念日をお祝いすることになるかもしれませんね?その社会騒乱の時にピオノノ事件と呼ばれた事故がありました。デモ隊の一人がマポチョ川に落ちたのですが、警官がその人を落としたとして裁判になりました。しかし裁判の結果、落ちたのはその人の不注意で警官は何もしていなかったとされました。その警官は無罪になったので警察官に復職しました。

2)犯罪

スーパーマーケット内に置かれたATMに爆弾が投げられ、現金が奪われました。11日の軍事革命記念日のデモ隊があちこちで暴れました。その一部が窃盗・強盗をしたようです。それから、マプチェWAMの取り締まりで私服警官と銃撃戦になり、マプチェが一人死亡、私服警官が1名負傷しました。

3)地方選挙

10月末の選挙が近づいていますが、全く盛り上がりません。この18のお祝いが終わったら派手に注目を浴びることになるのでしょうか?新聞に書かれましたが、2年後ですが、右翼側の大統領選挙の一番候補だったピニェラが死亡したことで、興味が薄れ?マテイを統一候補にするのか他の候補を探すのかなどの関心が薄れ全く盛り上がりません。

「9月16日ー9月22日」

「政治」
1)ボリッチ動向

今週は18関連ばかりですね。月曜日、オヒギンス公園でお祭り会場のオープン式でサンティアゴ区長の女性とクエッカを踊りました。大統領になった最初の年は踊りを知らず、この人はチリ人ではないと思わされましたが、昨年は少し練習したのか、上手くなり、3年目の今年は普通のチリ人のレベルになりました。その会場に彼は新しい彼女と来ましたが、ファーストレディの仕事には全く関係しないとか。18日はカトリックの大聖堂でテ・デムと言われるミサに政府関係者のトップとして参加しました。その日、私は市内観光をしていて大聖堂のあるアルマス広場に近づくと、警官にここから先は通行禁止と言われました。大司教はそのミサで「チリの社会習慣には汚職も犯罪もない。これからもそれらを日常化させてはならない」説教しました。これはボリッチにお願いをしているのでしょうか、それとも彼は何もしないと批判をしているのでしょうか?その大司教がテレビの番組に出てその説教について説明しましたが、汚職のある社会は民主主義ではないとしました。現在チリの最大の話題になっているエルモシジャ事件の事でしょうね。犯罪の増加に対する問題も厳しいコメントがありました。そして教会はそれらの問題に関し対話する用意があるとしました。

19日は軍隊記念日です。ボリッチは軍隊のパレ―ドを4軍の長官と共に見守りました。ほとんど全テレビ局が同じ場面を放映しましたが、私は見ていてあまり面白いとは思えませんでした。世論調査でボリッチを大統領として評価するは33%で、評価しないより大きく下になっています。もう最後の日まで同じでしょうね。

今日、彼はニューヨークに飛び、国連総会に3回目の参加するとか。毎年ですが、彼の得意の仕事ですね。それから来月の18日は社会騒乱の5回目の記念日です。それまでチリはラテンアメリカ諸国の中で最も民主主義の国で犯罪はほとんどないとされていましたが、その騒乱の後、チリはそこらの国と同じ適当な国になってしまいました。その記念日に右翼と左翼は独自の動きをするのでしょうが、モネダ宮殿はコメントをしないとか。思い出すのも嫌なのでしょうね、いろんなことを。

この件に関してですが、世界30か国で世論調査が行われ、国民が自分はその国に住んで幸せと感じるかどうか調べられました。1位はオランダで85%でした。チリは22位で68%。そして日本は27位とほぼ最悪で59%が幸せとか。チリはその社会騒乱の前なら世界のトップクラスに入っていたのでしょうが、それ以降犯罪が増加し、幸福感が減少です。
2)地方選挙

地方選挙まであと1か月ですが、全く盛り上がりません。先日、私の住むラス・コンデス区の区長候補5名が出て討論する番組がテレビでありました。残念、私には全員が魅力のない候補でした??? エルモシジャ事件は継続ですが、18のため大きなニュースにはなっていません。

「経済」
1)銅価格と為替

銅価格は1ポンド4.33ドルと二か月ぶりの好調な数字で、このため為替も1ドル923ペソとペソ高です。株式市場IPSAは6324ポイントで大きな変動はありません。

2)家屋の販売

最近、家屋・マンションの販売が落ち込んでいますが、その例として35歳以下の青年の家屋購買は2009年のそれと比較して現在は半分以下とされました。価格に対する収入が下がっていて、銀行などからの借り入れが出来ないと言うことでしょうね。全然、関係ありませんが、チリで販売されるスポーツシューズの生産国は1位中国、2位ベトナムで、この2か国で90%とか。

「一般」
1)18

普通は18と19日が祝日ですが、今年は20日も休みになったので、その後の土曜・日曜も入れると5連休になり今年のお祭りは例年にない賑わいを見せました。全国各地のフォンダと呼ばれる18を祝う会場に人が溢れています。入場料を払って中に入ると、バンドが演奏していて、人々は音楽に会わせてクエッカを踊りアルコールを飲んで酔っ払い、アサードと言われる肉料理を食べます。夜中まで騒ぐと次の日はぐったりでしょうね。

ところで首都圏のラ・デエサ地区のフォンダで入場料を払わないで中に入ろうとしたグループがいたので、区役所の警備隊と警察が、催涙ガスや放水車などを使いました。しかしひどいですね。正規に払って中に入った人もその攻撃で自由に歩けなくなりますから。チリの悲しい実情ですね。

首都圏から郊外に出た100万台の車が、戻ってくる前に各地で事故を起こし54名が死亡とか。さらに18関連ですが、土曜日までに25件の殺人事件が起きました。通常の1週間よりずっと高い数字です。

2)天文台

チリの北部に多くの天文台がありますが、その数は世界の天文台の40%とか。世界のトップですね。                             以   上
「9月23日ー9月29日」

「政治」
1)ボリッチ動向

国連総会に出席した彼は次のような演説をしました。外交に関してはイスラエルのガザ攻撃を市民虐殺行為としてすぐにやめるよう依頼し、ベネスエラ問題でマドゥロの選挙での当選を認めないとしました。国内関連ではチリにさらなる移民を受け入れる余地はないとしました。しかしベネスエラ問題はチリ政府中核のチリ共産党の考えと全く異なるもので、政府分裂の可能性があります。共産党がこれ以上ボリッチと同席できないと政府から撤退すればボリッチ政権は窮地に立たされます。しかしそうなれば一般左翼だけでなく一部の右翼からも支援を受け、現在ボリッチを支持するは30%強ですが、それが50%まで上がるかもしれませんね。これは私の考えですが。土曜日に各大臣や政府高官を招集しモネダ宮殿で特別会議を開きました。何かしないと通常の市民生活が出来なくなると言われますから。ボリッチは今晩、全テレビ局を通して来年度予算案について説明しました。経済成長率は2.6%とし、国民の最大課題の社会の安全を守ることに注力したいとしました。

2)安全状況

先週の18のお祭りの週間で交通事故死は61人、殺人は37人が記録されました。この最悪の結果を見て、右翼側から政府の犯罪を抑える業務を扱う政府首脳、内務大臣など3名の辞任を要求する声が出ました。ところで警察が役に立っていないなら責任は警察ですが、警察が逮捕した犯人が翌日に裁判所で釈放され、また犯罪に走ると言うのが記録されており、それは司法の問題、もしくは法律を変える国会の仕事と言えるかもしれません。必要なら刑務所の数を増やすとか、外国人の犯人は刑務所に収容しないで本国に送還するしかないかもしれませんね。そして国境を不法に超えてくる移民を軍隊が厳しくコントロールすべきでしょうね。首都圏の右翼系の区長がボリッチに特別安全法を使用してサンティアゴでも軍隊を警備に使えるようしてほしいと要請しています。アラウカニア州ではその仕組みが機能しています。

3)来年度予算

これがボリッチにとって1年の最後までコントロールする最後の予算です。最後の年は最初だけになりますから。財務大臣はGDPの成長は1.1%なのに予算額は3%上げたいとするので大きな問題を抱えたようです。それでも何とか結論を出し、国会に提出できそうとか。

4)地方選挙

地下鉄の駅のそばに候補者の立て看板が並び始めました。横断幕を持ったグループもいます。犯罪を区長が少しは抑えることができるのでしょうか?それが最大の問題点になりそうです。さて区長の候補者が大学で異例の高給を受け取っていたと大きな話題になっています。その女性は「内務大臣のトアは私より高給でも仕事は何もしていない」と嫌味を言っています。政府側から私営の企業ならどんな高給を払おうと自由だが、大学なら一定のレベルを超えるのは正常ではないとしています。私の考えは簡単です。それは彼女の同僚の給料を調べ、ほとんど同じなら彼女の意見が正しい。彼女が同僚よりはるかに高級なら、彼女は何か怪しいことをしていると思います。その大学で首脳として働いていたチャドイックが辞任しました。彼はピニェラ政権の時の内務大臣でした。彼がその候補者に怪しい給料を払っていたのかな?その候補者はラス・コンデス区の区長候補です。

エルモシジャ事件は継続もしくは拡大ですが、上記もその一環です。それから最高裁判所の裁判官が検察から調べられていますが、その数が増えています??情報の交換(提供)なのでしょうね。

「経済」
1)銅価格と為替

1ポンド4.47ドルまで上がり絶好調です。なんでも中国の動きがそれを招いたとか。しかし中国が破綻するともう何年も言われていますが、全く逆の動きもあるのですね。そのため為替は1ドル901ペソと5月以来のペソ高になっています。原油の価格は下がっていますから、この木曜日からガソリン価格は下がりました。
2)株式市場IPSA

今週は6531ポイントで好調持続です。

「一般」
1)犯罪

首都圏南部のプエンテ・アルトで犯罪グループの争いがあり、150発の弾丸が発射され大混乱に。その地区の保健所と学校が閉められました。トア内務大臣は同区を訪問し、区長と面談し問題軽減を打ち合わせました。一向に犯罪がおさまらない、逆に増加することから政府の信頼感は急激に下がっています。今週も連日のように殺人事件が起きています。今日までに全国で672件の殺人事件が発生し、そのうち首都圏では260件でした。ほとんど毎日殺人が起きているわけです。それと直接関係はありませんが、今週の話題は制服警官のトップの辞任かもしれませんね。5年前の社会騒乱の時、警官がそれをコントロールするのに暴力を使ってデモ隊を傷つけたと批判を受けていました。彼をかばおうとする動きもかなりあったようですが、そのジャネスは結局、任期の終わるのを待たず辞任することにし、モネダ宮殿に行きました。ボリッチはそれを認め、後任の長官を発表しました。月曜日に新長官が就任します。いつも思いますが、ラテンアメリカ諸国の中で犯罪が少なかったチリがこうして犯罪の増加に国民・政府が苦しむようになったのはその社会騒乱以降です。

2)コロナ問題

今年の死亡者は814人で前年対比59%の減少とか。治まっていますね。
以   上