ルス・グアダルーペ KADOKAWA 2024年11月 192頁 1,600円+税 ISBN978-4-04-607194-1
著者は福岡県出身で現在はメキシコ在住の29歳。本名のひかりからスペイン語で Luzを、メキシコである名字からGadalupeを使ったメキシコでの偽名。日本で保育士を務めた後に日本社会では適合出来ない、海外で働きたいと地球半周の地メキシコに移住し、まず日本人幼稚園の先生に。スペイン語を学ばねばと経費が安いグアテマラのアンティグア市の外国人向けレッスンを受け、間借り生活から一人暮らしに移ったが2020年3月頃から新型インフルエンザが拡大、日本に帰って母子支援施設で働き始めたが納得がいくまで意見を言えるメキシコの方がいいと戻り、復園したが残業代支払いで解雇されて「雇われるのに向いてない」と自覚し、ライブ配信やYouTube、スペイン語の字幕を付けたTikTok 配信や、日本から輸入した服、日本で拾われた陶器の破片を金継ぎで生まれ変わらせたアクセサリーの販売などを行っている。この間知人の結婚式で知り合ったアニメ好きから日本が好きになり日本語を独学した青年と結婚した。
メキシコで驚いた習慣、価値観、気質の日本との違い、カオスなメキシコで生きるコツや少々危険な地域への自己責任ツアーの例示など、すっかりメキシコに魅入った個人体験記。
〔桜井 敏浩〕