【演題】「今こそパラグアイとの関係強化を!」
【講師】中谷 好江氏 前駐パラグアイ日本大使、駐日パラグアイ大使特別顧問
【日時】2025年3月7日(金)10:00~11:30(日本時間)
【場所】米州開発銀行アジア事務所会議室&リモート
【参加者】67名(リモート参加53名、会場参加14名)
昨年末に4年余の任期を終えて帰国された中谷大使には、23年6月に「小粒でもピリリと辛いパラグアイ」と題する講演をしていただいた。本講演会ではパラグアイ勤務を終えられ、「パラグアイ熱」の冷めやらぬ大使がパラグアイに対する熱い思いを語られた。なお、講演に用いられた資料、および参考資料(PARAGUAY Business News)は協会ホームページに掲載する。
大使は講演を通して、日本が「信頼できるパートナー」であるパラグアイと関係を強化すべき理由をいくつか挙げられた。
・超!親日国であること(国際舞台では常に日本を支持)
・南米で唯一台湾と外交関係を維持し、基本的価値観を共有していること
・食糧資源国、クリーンエネルギー・森林資源国
・競争力のある労働力
・Near Shoring、Friend Shoring
・クリーンエネルギーの確保と活用
・投資の予見性に資する経済的安定性、政治的安定性(中道右派政権が継続)
・優れた日系コミュニティの存在(日本人の美徳を体現する日本人ともいえる日系人が約1万人)
以上のような利点を持つパラグアイに対して、欧米企業は投資を行っているが、日本企業は、内陸国、市場が小さい、インフラの未整備、等の理由によってパラグアイに興味を持っていないのが現状。中谷大使の任期中の日本とパラグアイの関係は、「政熱経冷」であり、政府要人の往来が活発であった一方、撤退する企業もあった。
最後に大使は、かつてブラジルやパラグアイに移住した日本人に習い、「フロンティア精神」をもって、日本とパラグアイが協力し合い、SDGsに貢献しましょう、と呼びかけられた。
講演後の質疑応答では、農業、自動車(EV)における日本との関係、今後着目すべき点、投資優遇策はあるか、国内の輸送インフラの状況、投資分野(産業、インフラ)、台湾との関係で半導体について、日本の中古車について、インドとの関係、中国との貿易、等々の質問が出され、大使はそれぞれに丁寧にお答えいただいた。
講演会の後の昼食交流会は参加者の皆さまが和やかな雰囲気の中で懇談を楽しまれた。
<会員限定:資料・録画>
講演会資料:中谷好江 前駐パラグアイ特命全権大使講演会「今こそパラグアイの重要性を認識し関係強化を図るべき」