『日系ブラジル人労働者の雇用形態と雇用意識』
早川 和幸 中央経済社発行・中央経済グループパブリッシング発売
2025年2月 236頁 4,300円+税 ISBN978-4-502-52291-8
1990年の入管法改正で在留資格に「定住者」が新設されたことを契機にブラジル日系人労働者が「デカセギ」として大挙して来ることになったが、雇用形態は業務請負・人材派遣会社と契約する間接雇用であり、これは現在においても固定化されている。本書は直接雇用にすることで「雇用の調整弁」とせず、労働者側もデカセギ感覚で安易に間接雇用を選ぶことを改め、どのようにしたら直接雇用の正社員として働ける労働環境を構築できるか?を、日系ブラジル人の安定就労への道を開くことは多文化共生社会の実現につながるという強い問題意識で論じ、政策を提言している。
著者は静岡県で自動車学校を経営する傍ら法政大学地域研究センター客員研究員を務めていて、本書は法政大学博士論文を加筆修正したもの。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2025年春号(No.1450)より〕