『ボリビアを知るための65章【第3版】』
大島 正裕編著 明石書店
2025年1月 381頁 2,000円+税 ISBN978-4-7503-5873-4
2006年に初版https://latin-america.jp/archives/5546、2013年の第2版のhttps://latin-america.jp/archives/5944に続く第3版。編著者は在ボリビア日本大使館書記官等を務め、ラテンアメリカ近現代史、日本人移民史を専門とする大学非常勤講師、(財)国際協力システムに勤務。ボリビア人研究者を含む20人の執筆者は大学教授、外務省・国際協力機構(JICA)、進出企業の現地主管者、日系人団体勤務者など、ボリビアを実際に知る人たちがほとんどである。
複雑な地形、多民族を抱えるこの内陸国について、近年2006年に先住民出身のエボ・モラレス政権が発足し、2009年に新憲法で共和国から「多民族国」に国名を変更したが、大統領選挙結果をめぐって2019年に深刻な政変が勃発し、その後も政治・経済情勢、対外関係など課題、苦難が続いている。本版では日本人移住と日系社会、日本の国際協力、鶴見のボリビア人社会など日本・ボリビア関係の章を追加するなどして、多民族国家として独自の立ち位置にあるボリビアが今後どのような道を進むのか?について有用な基礎情報を提供している。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2025年春号(No.1450)より〕