『時空と共に ―ボリビア先住民の民話』
フェリックス・ライメ・パイルマニ、THOA(アンデスの語り部)、ダニエル・コタリ・グティエレス、サン・ガブリエル ラジオ放送 原作編集 栗原重太訳 文芸社
2024年7月 235頁 1,200円+税 ISBN978-4-286-20219-8
ボリビア多民族国にはアンデス高地に住むアイマラ、ケチュア族、平原に住むワラニ族など36の先住民がいるが、本書は訳者が聞き読んで感じた、先住民の動物、虫たちも人間と同じように生活し、助け合い、からかったり欺したり、至る所に神が宿り、死者や霊魂も人間と同じように生活している昔話26話を現地語から編集、訳出したものである。
原作の編集者は、THOAはアンデス口承を集め記録している研究会、グティエレス氏はアイマラ-スペイン語辞典も編纂した先住民言語研究者、パイルマニ氏はボリビアカトリック大学の教育研究者、サン・ガブリエル放送はアイマラ語の普及と教育を目指すラジオ放送局。編・訳者は1953年広島県出身で1993年からボリビアに在住し測量士として働いており、アイマラ、ケチュア、ワラニ語を話すという。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2025年春号(No.1450)より〕