【演題】日本とスペインと中南米と―どうつながっているのか、どうつなげたらいいのか
【講師】中前 隆博 駐スペイン特命全権大使
【日時】2025年5月23日21:00~22:30(日本時間)
【場所】リモート
【後援】日本スペイン協会
【参加者】47名
中前大使は、「日本とスペインと中南米と、どうつながっているのか、どうつなげたらいいのか」、という歴史的、地球規模的な演題について、個人的意見とした上で分かり易く、熱意を込めて語られた。
大使は、まずスペインと中南米の関係を歴史的に振り返り、次いで今日の両者の関係を、コミュニティ(人口構成)、国際政治、経済の観点から詳しく説明された。そして最後に日本とスペインの関係について示唆に富むお話をされた。なお、大使が説明に用いられた資料は協会ホームページに掲載されるので参照されたい。
コロンブスの米大陸到着から米西戦争に至る歴史は、今日に至る様々な課題を呈してきた。スペインの人口4,800万人余中、650万人が外国人(中南米は220万人)で、スペインは移住者に寛容な国とされる。今日のスペインは欧州としての自覚(Europeismo)が強く、「ミドルパワー」として自己規定し、マルチ外交を重視している。
対中南米に関しては、HispanidadからIberoamericanismoに転換、ポルトガルと共に関与するようになった。経済的に、スペインは米国と並ぶ対中南米投資国であり、近年は太平洋同盟の3カ国向けの投資が増加傾向。スペイン企業へのアンケートによると、企業の関心は主に投資相手国の国内市場にある。
日本とスペインの関係は、再生エネルギー、グリーン水素、IT等の新しい分野において、スペイン企業による対日投資、日本企業による対西投資が良いかたちで進んでいる、日本企業では日本人の駐在者を置くのではなく、現地にまかせるやり方が増えている(SHACHO-KAIの存在)。
「日本とスペインと中南米をどうつなげたらいいのか?」
講演後の質疑応答において、中前大使には以下のような質問に対して丁寧にお答えいただいた。
今日の国際秩序における、①EUとメルコスール関係の見通し、➁EUのグローバル・ゲートウェー戦略におけるアフリカ、中南米への取り組みの現状と見通し、➂スペインが主催する2026年のイベロアメリカ・サミットで、スペインはどのようなイニシアティブを打ち出すか?
<会員限定:資料・録画 ハイパーリンク>
講演会資料:中前 隆博 駐スペイン特命全権大使 講演会「日本とスペインと中南米と―どうつながっているのか、どうつなげたらいいのか」