執筆者:硯田一弘(アディルザス代表取締役)
TV番組で「今年の漢字は米で決まり」と言っていました。まだ5月ですが、今後よほど強力なライバルが現れない限り「米」は今年を象徴する漢字の横綱になると言って間違いないでしょう。
令和のコメ騒動、大臣が変わった途端に価格だけは安いとされる備蓄米が”適正価格”で放出されていますが、今度はその品質に問題があるということで、ともかく5月はほぼ毎日おコメと米国発トランプ騒動の話題がニュースのトップを争ったという印象です。
新大臣がいきなり備蓄米の小売目標価格を5kgあたり2000円と定めて、その実現の為に競争入札を取り止めて随意契約で販売価格を下げる工夫をしたことが一部の方々の評価をえることに繋がったようですが、そもそも備蓄米のコストに誰も疑問を持っていないところに日本の農政の大きな問題点があると思われます。
GoogleのAIによると備蓄米の政府買い入れ価格は「令和5年産米は60キロあたり1万2829円、4年産は1万1004円、3年産は1万2885円」だそうです。これを判り易く西暦と1kgの価格に換算すると、「2023年米が213円、22年産は183円、21年産は214円」となります。
日本の米作圃場の平均面積は1ヘクタール=100mx100mという大きさで、平均収量は5,300㎏程度とのこと。政府から農家に直接代金が支払われる訳ではなく、途中に農協や集荷業者が関与して、しかも備蓄米倉庫への運賃も含まれている筈ですが、その詳細は判らないので、仮に農家の収入が政府買取価格の6割とすると、2023年米の農家収入は68万円弱となります。コメを作るには、先ず種籾を購入しなければなりませんし、田植え前には苗を作り、水を張った水田に植え替えて肥料を巻く必要があります。必要に応じて農薬も散布します。こうしたコストも販売価格68万円から賄うとなると、恐らく人件費は出ないか、栽培しても赤字という計算になるでしょう。
コメが足りなくなるのは減反政策の所為である、と報じられていますが、そもそもコメの価格が低すぎることで農家の栽培意欲が低減し、農業の担い手がいなくなっていることが大きな原因であることを消費者にも周知する必要があります。
パラグアイでもコメは栽培されていますが、その栽培面積は20万ヘクタールで収穫量は99万トン。因みに日本の栽培面積は136万ヘクタールで680万トン。いずれもヘクタール当り5トンの収量で、収率は同じ程度です。

で、パラグアイのコメの小売価格はざっくり1kgあたり1ドル程度で、農家の販売原価を40%と仮定するとキロ40¢=60円程度となって、日本の約半分という計算となります。
なんだ、パラグアイは貧しい国だから、農家ももっと貧しいんだ。と勘違いしてはいけません。日本の平均栽培面積は1㌶ですが、パラグアイの場合は小さくても1000㌶、日本の千倍以上の規模で栽培しますので、効率がまるで異なります。
https://www.ultimahora.com/preven-mayor-produccion-de-arroz-llegando-a-205-000-ha
ブラジル銀行のパラグアイ支店長だった友人は、本国への帰任命令がでた途端に銀行を辞めてコメ生産法人の社長に転じました。彼が経営する法人の圃場面積は8000㌶、収穫量はなんと年間7万トンです。 https://villaolivarice.com/
面積が千倍であれば収量も千倍ですから、売上高は40¢x5000㎏x1000ha=200万ドル=約3億円ということになり、農業機械や種子・肥料・農薬にかけられる費用を賄っても事業として成立することが容易に想像できます。
かつて日本のコメは農業保護でコストも価格も高いという議論もありましたが、日本で栽培される良質のジャポニカ種と、パラグアイはじめ世界の多くの国々で作られている汎用インディカ種とは、同じコメと言っても全く別のものであり、これらを同じ土俵で語ることはあり得ない話です。メジャーリーグの野球と高校野球を同列で扱っているようなもの。メジャーリーグ選手は報酬も高いけど、育成にかかる費用も桁違いであるのと同様、日本の美味しいコメ作りが海外の汎用品種のそれと同じであって良い筈がないのです。
しかも、世界では日本食がいまやブームという次元ではなく、スシは日常食としてどの地域でも定着していますし、特に南米においては日本食レストランの増加率は他の地域を差し置いてダントツのレベルとも言えます。が、美味しいおコメが足りない。

米国からのプレッシャーでコメを輸入しなければならない、これは食料安全保障上の大問題だ、という議論も聞かれますが、日本はもっと美味しいコメを増産して、積極的に海外に輸出して外貨を獲得するよう農政を転換すべきです。
お茶も同様、既に京都の産地で抹茶が足りなくなっていることも日本国内ではあまり深刻に報じられていません。なぜなら、日本では抹茶(原料は甜茶)を常用する人は殆ど無く、急須で入れる煎茶が主流、しかも今や自宅に急須すらない家庭が多く、ペット飲料の茶が一般化しているので、日本固有の農産物である甜茶の価値に気付かれていない訳です。
https://www.news-digest.co.uk/news/index.php/news/japan-news/26256-2025-04-17
コメ不足の騒動は今から30年ほど前にも発生しましたが、93年の冷夏・94年の猛暑による水不足から来たコメ不足から回復し、失われた30年の間に国内の価格が低く抑えられ過ぎた結果、価値が高まったコメや茶に気付かないで今日の不足を招いたこと、反省とともに逆転の発想で攻めていきたいものです。
今週はフランスでブラジルにとって画期的な式典が開催されました。
それは、ブラジルが口蹄疫(こうていえき)の清浄国と認定され、その証明書をWOAH世界獣疫事務局)がルラ大統領に授与したというものです。

口蹄疫というのは一般にはあまり馴染みのない言葉ですが、英語ではfoot and mouth deseaseとも言い、牛や羊・豚など蹄のある動物(偶蹄類)の伝染病で、人間に伝染することはほぼありませんが、偶蹄類の間では極めて感染力が強く、特に幼獣の致死率が高いということで、頻繁に話題になる鳥インフルエンザと同様に、家畜動物の間で発生すると大きな経済損失を発生させるため、各国はこの病気の感染防止の為に強力な防疫体制を敷いています。
日本では国内農家の保護のために口蹄疫感染リスクのある国の畜肉製品は絶対に輸入しないという措置が徹底されており、現状では発生の事例がなくとも、予防接種で抑えているというだけでも輸入拒否の正当な理由として扱われています。

つまり、上の図の濃い緑色の国からは輸入ができるものの、黄緑色やその他の色で識別された国々の畜肉製品は絶対に受け入れられない、という厳しいルールです。
ブラジルは人口2.1億人に対して2.3億頭の牛が飼育されており、牛肉生産量は僅差で首位米国に次ぐ世界2位の1200万トン(日本は35万トン)、前述のFolha紙の記事にもあった通り、今回の認定を受けてブラジルは予防接種実施を理由に輸入を禁止してきた日本や韓国に対して強い姿勢でブラジル産牛肉の購入を迫る姿勢を示しています。
https://www.fas.usda.gov/data/production/commodity/0111000
トランプ氏が中国に対して仕掛けた関税戦争ですが、中国が静観しているために米国は身動きが取れない状況です。これまでも書いてきたとおり、米国にとっても大きな輸出農産物である大豆の世界取引金額930億ドル(13.5兆円)の6割が中国による輸入であり、これまで米国大豆を150億ドル(2.2兆円)ほど購入していたものが、今後関税や政治リスクを避けてブラジルに振り替えられる可能性が大きくなっています。

一方、牛肉に関しては、もともと中国はブラジルやアルゼンチン・ウルグアイ等の南米諸国から調達しており、トランプ関税問題の影響は軽微であると考えられます。

ということは、大豆においてはブラジルはトランプ特需で中国向け輸出が増える一方、牛肉に関しては影響がないので今回の認証を武器に積極的に日本への攻勢をかけてきます。
日本としては、中国が買わなくなった大豆を押し付けるカモとして、先ず米国が圧力を強めてきますし、更にブラジルが牛肉売り込み圧力を強めてきます。
コメの価格を無理やり生産者にとっては理不尽なレベルにまで下げて、消費者の人気を博している農水大臣ですが、今後こうした他国からの圧力をどのようにかわしていくのか、大きな課題に直面することになるでしょう。
今週前半は久しぶりにチャコ地方の中心に位置するMariscal Estigarribiaで木炭工場の現状を視察したあと、Filadelfiaで宿泊し、Loma Plataの製綿工場を訪問してきました。

この地図ではLoma Plataは載っていませんが、Filadelfiaの隣町で、ほぼ同じエリアにあると御理解ください。
チャコ地方についてはこれまでも何度もお伝えしていますが、パラグアイ川の西側で国土面積の60%=25.6万㎢(日本の面積は37.8万㎢)という広大な地域に僅か22万人しか住んでいない超過疎なエリアです。ざっくり言えば1㎢あたり人口1人。日本は345人/㎢ですから、いかに広大かイメージしやすいと思います。
この広大な地域を開発した中心的なグループが先にご紹介したメノニータと呼ばれるドイツ・オランダに祖先をもつキリスト教の一宗派に基づく生活を保つ人たちです。
Filadelfia・Loma Plata・Neulandという三つの集落併せて人口僅か2万2千人という小さな社会ですが、ここは中央政府とは独立した学校や病院が運営されていて、経済活動も独特の協働組合によって成り立っていることも以前お知らせしました。
今回訪問したのは、その組合が運営する製綿工場。

広大ながら水や電気のアクセスから遠いチャコ地方で適しているとされる綿花の栽培を行い、それを綿糸の原料となる原綿の塊に加工しています。
収穫された綿花がどのように加工されるのか、以下のリンクで紹介されている映像をご覧ください。
https://www.developmentaid.org/news-stream/post/168472/top-cotton-producing-countries-in-the-world
チャコの工場では現在は綿の実から繊維質を取り出して原綿の塊を作っているのですが、この塊をほぐして撚って糸にする工程が紡績といって、チャコでは電力が足りないためにまだ紡績工場は出来ていません。
日本の紡績工場の映像で糸を撚る様子もご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=R_ryhz8CRhw
そうして出来た糸を編んで生地に織るのが織機。トヨタ自動車による子会社化が話題になっている豊田自動織機。今では自動車のエンジンやフォークリフトを作る会社ということで知られていますが、現在でも祖業である織機機械を製造しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ADGNjMuhq-0
ちなみに名古屋駅近くにあるトヨタ産業技術記念館では、祖業である織機から世界最大の自動車メーカーになるまでの歴史を実物の機械展示で学習することが出来ますので、是非お立ち寄りください。 https://www.tcmit.org/
今回は、木炭工場で作ってる木酢液を綿花の栽培に使用できないか?というテーマで話し合いをしてきました。Mariscal Estigarribiaの木炭工場は、総面積42㌶の場所に二百以上の窯を有して年間3万トンの木炭を製造しているパラグアイ最大の生産拠点。

パラグアイの木炭輸出量は年間約10万トンで世界十位。自然豊かなチャコ地方ならではの産業振興の役にたてるよう、往復1800㎞を三日間で走ってきました。
広大な土地と豊富な植物資源に恵まれたパラグアイ、トヨタ自動車のような産業が産まれることに期待しましょう。
今週水曜日6月18日は世界Sushiの日でした。と言っても日本では1961年に全国すし商生活衛生同業組合連合会が制定した11月1日『寿司の日』というのが存在しているために、全く報道は無かったように思います。では世界Sushiの日は誰がいつ決めたのか?というと、2009年にフェイスブックの「Sushi」ページが設定されたことが起源になっているそうです。
南米各国でこのスシの日にちなんだ記事がたくさん掲載されましたが、中でも南米におけるスシを象徴する記事がアルゼンチンのLa Nacion紙に掲載されたのでご紹介します。
”Día Mundial del Sushi: promociones para disfrutar la comida que se transformó de lujo exótico a ícono urbano”(世界スシの日:風変わりな高級料理から都会派を象徴する人気料理と変貌した料理を楽しむ日)
この記事では、50年前にブエノスアイレスに二軒しか無かったスシ屋が今では街中にあって最も都会的でお洒落なメニューとして万人に受け入れられていると書かれています。
50年前にブエノスアイレスに二軒ものスシレストランがあったかどうか?定かではありませんが、筆者が初めて南米ベネズエラに着任した1988年=40年ちかく前、当時南米一の美食の街だったカラカスに3軒ほどの日本食レストランがあって、皆スシを提供していたので、この記述にも間違いはないのでしょう。
ただ、肉食大国アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは大西洋に面した街であるのに、あまり魚を食べない。これはラプラタ湾の対岸にあるウルグアイのモンテビデオでも同じで、こちらはもっと食べない。10年前に訪問した際には、日本食のお店が極端に少ない、という印象を持ちました。

そのブエノスアイレスでも今やSushiレストランは大人気だそうで、正に隔世の感ありといったところです。
次はチリのスシの日ニュース
ペルー
メキシコ
という感じで、いまやスシ屋をみない大都市はラテン世界には存在しないと言っても過言ではないほど、スシは一般的なメニューとして各国のレストラン界に君臨しています。
醤油もワサビも海苔もスノコも、いまやラテンアメリカ諸国のスーパーマーケットで売っていない店は無いと言い切っても良いでしょう。
なのに、美味しいスシ米は無いのです。
だから、どこの国の立派なスシ屋に入っても、所詮ナンチャッテ感がぬぐえないのが実情です。そのナンチャッテ感の象徴的レストランと思っていたペルー・リマのレストランMaidoが、なんと世界一の称号を獲得しました。
日本でも報道されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/177bddd3d2417b46136f21d38c1e10b8e074564b
もともとは米国ロスアンゼルスのリトルトーキョーの寿司屋でおよそ半世紀前に生まれたと言われるカリフォルニアロールを出発点に、日本ではありえないアボガドやクリームチーズが入った裏巻きから、様々なクリエイティブなSushiが世界中で生まれ、それが今や一つの一般料理カテゴリーとして普段着の食べ物になっていることは素晴らしいことです。
日本で米不足と価格高騰が続いてるのは承知していますが、今こそ美味しい日本米を増産し、国内への潤沢な供給は勿論、プレミアム高級米として輸出して寿司のイメージを更に高めることが農水省に課された使命ではないか、と考えます。
さて、先週末ブラジルのFoz do Iguacuに佳子内親王殿下が御来臨され、ブラジル日報の臨時記者として取材に行ってきました。
https://www.brasilnippou.com/2025/250617-21colonia.html
ブラジル日報だけでなく、パラグアイにもパラグアイビジネスニュースというデジタル版邦字新聞がありますが、ブラジルでもパラグアイでも日本語での情報発信を続けるために関係者は大変な努力をしています。
この機会に少しでも多くの有料読者が増えて、日本語での情報発信がゆとりをもって続けられる体制が出来、スシのように日本語も風変わりな言語から、多くの人達が使える言語になると良いなと感じます。
日本でいよいよマイナンバーカードが携帯電話iPhoneに取り込むことが出来るようになりました。これは昨年、当時の岸田首相がアップルのクックCEOと直接面談して具体化できたようです。
https://ascii.jp/elem/000/004/294/4294174/
で、日経新聞には『iPhoneの身分証明機能は現在、米国の9州と米領プエルトリコで導入されている。国単位で導入するのは日本が初めてだ。』と紹介されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC20B0C0Q5A620C2000000/
しかし、今年1月の自社の記事で『世界で広がるデジタルID』という記事が掲載されているのに、不勉強な記者の記事が掲載されたものです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC176RQ0X11C24A2000000/
パラグアイでは既に二年前に導入済ですが、今回日本でiPhoneに入れることができるようになったバージョンと比べると、ちょっと性能は落ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=nFgs4N3r0SI
何が異なるか?というと、日本版ではマイナカードに入っているICチップの機能がそのままiPhoneに引き継がれているということ。従って各種手続きを行う際に、携帯をかざすだけで作業が終わります。

一方、先行したパラグアイの場合ですが、この写真にあるとおり、画面上にQRコードが表示され、これを読み取る仕組みになっています。
パラグアイの新しいIDにもICチップは組み込まれているのですが、NFC(Near Field Communication)という接近非接触の無線通信技術を使うため、これを受け取るための専用端末の導入が必要になります。
https://appli-world.jp/posts/5064
端末のコストがかかるだけでなく、停電の時に使えなくなるなどの理由から、パラグアイでは携帯電波が拾える場所なら何処でも使えるQRコードが採用されたものと推測されます。
先行するパラグアイに次いで、南米各国でも次々に電子身分証明書の導入が進んでいます。
コロンビアの携帯電話身分証明書
https://ceduladigital.registraduria.gov.co/index
https://www.tusdatos.co/blog/paso-a-paso-para-descargar-la-cedula-digital-en-mi-celular
エクアドル
https://www.redgealc.org/site/assets/files/15530/ec_cedula_de_identidad_digital.pdf
ブラジルは昨年から、各州発行のRG(Registro Geral)から全国共通のCIN(Carteira de Identidade Nacional)に改定されたものの、現時点では携帯電話で表示できるのは内容を表示するQRコードだけのようです。
https://www.brasilnippou.com/2024/240113-17brasil.html#google_vignette
いずれにしても、こうした技術の進歩は、決して利用者に不便を強いるものではありません。携帯を拾った人が個人情報を盗むことも出来ません。表示画面もパラグアイのものと比べてもいたってシンプル。

この機会に是非試してみてください。(政府広報ではありませんが。)
ところで、所用があって昨日日本に一時帰国しました。
今回もサンパウロと米国ニューアーク空港を経由して羽田に着いたのですが、気付いた点をご報告します。
それは、サンパウロの空港とニューアーク空港(ニューヨーク)とで、ラウンジの数が全然違うということ。どちらの空港も三月以来3カ月ぶりでしたが、サンパウロは訪問するたびに空港全体の改修工事が進んでいて、何かしらの不便があります。と言っても、設備改善工事の一時的な不便ですから苦になるものではありません。驚くのは、毎回高級なカードラウンジが増えているということ。かつては航空会社のアライアンスごとに分かれていた上級ラウンジの数が減って、クレジットカードの上級メンバー用ラウンジに置き換わっていること。VISA InfinityとかMaster Blackという、日本ではあまり見かけない富裕者層用のカード会員専用のラウンジが沢山できているだけでなく、大手の銀行が自行の上級顧客専用のラウンジにするなどして、平民が使えるラウンジが少なくなっています。しかも高級ラウンジなのに、富裕層が長蛇の列をなしています。

一方、ニューアーク(正確には所在地はニュージャージー)空港は、ここをハブとするUnited航空のビジネスラウンジはあるものの、Priprity Passやクレジットカード系のラウンジは一切ありません。その代わりに、我々平民でも使いやすい公共スペースに携帯の充電ができてパソコンの作業がしやすいテーブルと椅子が沢山配置されているので、長い乗り継ぎ時間もさほど苦にならないで過ごせます。

ただ、ミネラルウォーターが1本6ドル=約900円とか、簡単な朝食セットが25ドル=3600円と、庶民に手が出る値段ではなくなっており、どちらにも相応の不便さが伴うのは事実。それでもサンパウロであればPriority Passが専用ラウンジの展開をやめて、一般のレストランとの提携によってR$140=4000円程度相当の利用が出来るようになったので、飲食を伴うケースでは過ごしやすいと言えるでしょう。Priority Pass自体は日本のクレジットカードへの付帯で比較的安価に調達できるので、南米ご旅行の際には是非入手しておいてください。こちらも、携帯にPriority Passアプリを入れることをお忘れなく。これがあると行き先のラウンジや提携レストランの場所やサービスが確認できるし、カードを持ち歩かなくてもアプリに情報が入るので、超便利です。
以 上