執筆者:ピーター藤尾(在チリ、サンテイアゴ)
「2025年5月26日ー6月1日」
「政治」
1)ボリッチ動向
先週の日曜日、南部のプエルト・バラスで竜巻が吹いて屋根が吹き飛ぶとか多くの家屋に損傷が出ました。街路樹が倒れて自動車が何台もつぶれました。そのため月曜日、ボリッチは同市を訪問し、皆さんの復興のお手伝いをさせてもらいますとしました。なんでも過去20年間に竜巻はチリ各地で70回以上起きているとか。
もちろん最大の話題は日曜日の国会での最終教書の発表です。その前に、昨年までの3回の教書で発表された公約が成立したかペンディングなっているか新聞に出ました。上手く行ったのは最低賃金の上昇と週40時間勤務の確認。上手く行かなかったのは経済の成長と新規雇用者の増加でした。
今朝は朝早くからテレビのニュースはこればかり。バルパライソの国会議事堂の近くで軍隊がパレードをし、ボリッチの入場を待ちます。議事堂の前と中で並んで待つ人に一人一人挨拶をしました。バチェレット前大統領もいました。カトリックなどの宗教関係者もいました。ただイスラエル大使は参加しなかったとか。
そして満員の議事堂で彼の演説が始まりました。彼の演説は2時間半も続きました、内容はともかく、彼の気迫・体力はすごいですね。その長い演説を最初から最後まで聞く能力は私にはありませんが、最初の方で国の発展のためには左翼・右翼の違いを超えて合意事項を進めていく必要があるとしました。
前政権時の最後の社会騒乱、そしてその後の新憲法委員会の失敗、そしてコロナ問題とボリッチには頭の痛いことが続きました。その社会騒乱については労働者に不公平を是正させる権利があったとしました。
演説の中で目立ったのは、先ず最低賃金です。現在のチリのそれは52.9万ペソですが、南米ではトップとか。議事堂内で大きな拍手が湧きました。それから妊娠中絶の自由化です。もちろんそれは議会で討議されます。カトリックの大司教はそれに反対するとか。そしてマプチェ問題では、先に国民にマプチェの安定・発展のためのアイデアを報告したが、それを次期政権も継続してほしいとしました。一番右翼が怒ったのはプンタ・ぺウコ刑務所の終了です。そこは軍事政権時に軍人で左翼関係者に暴行を加えた犯人を収容しています。そこが無くなれば、刑期の終わるまで他の刑務所に行きますが、そこで他の囚人にいじめられるとされます。その刑務所の囚人は大半が80台です。右翼はそれらの老人をいじめるなとクレームしているわけです。もっとも彼らが若いときは左翼関係者を虐めていたのですが。
その演説の他に今週に話題になったのはイスラエル問題です。彼はイスラエルのガザ攻撃は認められないとし、監視のために置かれているチリの武官を引き上げることにしました。チリでは左翼がパレスチナ、右翼がイスラエルを応援しています。テレビの番組でパレスチナ大使が出て厳しい実情を説明しました。右翼側はボリッチがイスラエルとの断交をしても、次の選挙で私たちが勝つからすぐに正常化させますとコメントしました。ボリッチの案で損をするのはチリだとする意見も出ています。もちろん見方はいろいろありますからね。
もちろん、その他には医者の自宅療養を利用して海外旅行をした人間の処分が問題になっています。首都圏のマクル区の区長もそれを実行した犯人の一人で、彼は所属する政党に迷惑をかけない為、共和党から脱党しました。その不法者のリストが新聞で発表されています。そしてその人々が辞任に追い込まれています。
過去2年間で25078人が不正をし、そのうち12503人が中央政府関係者とか。
サンティアゴの地下鉄メトロの従業員で70数人がその疑いがあり、すでに20数名を退職金を払わず解雇したとか。それより厳しいのは国民の健康を守る厚生省で、その職員が数多く問題になっています。
ペニャロレン区で不法残業手当の支給が問題になっています。なんと年に百万ペソも支払ったとか。その時の区長レイタオは出世して現在ボリッチ政府の犯罪抑制部門で働いています。右も左も汚いと言うことですね。
2)大統領選挙
与党側の4名の候補者の討論会で話題になったのはベネスエラ・BRICS・TPP11などでした。政治経済をどのように進めていくか同じ与党でも各自の候補が異なった見解を持っています。
3)モンサルバ事件
元内務省次官の彼が婦女暴行の罪で裁判になっていますが、彼の銀行口座を調べると給料をはるかに超えた多くの金が入っていて、彼は政府の金を不正に引き出していたのではと調べが始まりました。毎年何億ペソも口座に入っていたらしい。
4)ハーバード大学
トランプが同大学を攻撃していますが、チリ人で現在そこに留学しているのは30人。そしてそこを卒業したのは1000人とか。その中にはチリの各省庁で大臣になった人が多く登録されています。その人たちが今回のトランプの政策は理解できないとしています。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.36ドルとほとんど先週と変わりませんでした。そのため為替も1ドル940ペソと先週と同じです。
ただ株式市場IPSAは8047ポイントと少し前より5%も下がっています。上がった会社、下がった会社の名前は書かれていますが、少し前まで毎週新記録を出していたのが急に下降し最高時から5%も下がるなんて素人には不思議です。
「一般」
1)社会騒乱
もう数年前のことになりましたが、その時のデモに参加していて、警官の発砲した弾丸が目に当たって失明した人が訴えていた事件があります。それがやっと結審して、要求された3.4億ペソは認められませんでしたが、国がその人に9千万ペソ支払うことになりました。
2)犯罪
もう毎週同じですが、今週、南のビオビオ州の高校へ二人組が入り、発砲しました。3人が負傷。犯人が見つかると犯人と負傷者は同級生でした。
首都圏近郊のメリピジャの公園で喧嘩があり一人が刺殺されました。高校生でした。
南米各国から来るトラックがチリの拠点にしているのがバルパライソ州のロス・アンデスですが、その事務所に賊が入り、責任者が射殺されました。
殺されたのはブラジル人、捕まった犯人はすべてコロンビア人でした。近所の人は落ち着いて生活出来ませんね。 以 上
「2025年6月2日ー6月8日」
「政治」
1)ボリッチ動向
内容はともかく彼は頑張っています。先週の日曜日、バルパライソの議会で教書を発表してからサンティアゴに戻り、全テレビ局を通じ夜のニュースの前にその教書の大事な点を伝えました。そしてちゃんと月曜日からアチコチ訪問しています。体力はありますね。
世論調査では教書の後の発表ですが、それ以前よりボリッチを支持するとする人が5%も増えたとか。教書にパワーがあったのでしょうか。
ところで年次教書の発表の前にアメリカ政府からボリッチに電話が入ったらしい。トランプからの電話なら彼は回答したでしょうが、アメリカ政府高官からだったのでそれをチリ外務大臣にまわしたとか。チリとイスラエルの関係について話したようですが、イスラエルに嫌がらせをするなとクレームが来たのですね。トランプの性格なら、俺の言うことを聞かないならチリとの貿易を止めるぞと言うのかな?
同じようですが、ベネスエラのマドゥロは同国内のチリの大使館を認めないとしています。少なくともボリッチ政権の間は。チリ共産党がマドゥロを応援しようとするのにボリッチはそれを認めませんから。ボリッチって右翼かな?
それから陸軍新長官の就任があり、新旧長官がモネダ宮殿を訪問しボリッチに挨拶しました。
2)大統領選挙
6月29日の予備選挙の立会人が選挙委員会から発表されました。その選挙は義務制ではないですが、立会人は義務ですから、その日に働かないと罰金を取られます。
与党側の4人の候補者は討論会を実施しました。コデルコとSQMのリチウム問題など考えが違う点はありますが、予備選挙が終わった後はその勝利者を4人の属する各グループが全力で応援することになりそうとか。この討論会で誰が勝ったかとする調査では44%が前内務大臣のトアとしました。
逆の右翼側は3人の候補が全くコンタクトなく対立しているようでその3人が本選に出れば与党側の統一候補に勝てるわけはないでしょう。しかしそれは前回の大統領選挙と同じ様な筋書きなのが不可解です。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.44ドルと好調でした。このため1ドル931ペソとペソ高になっています。株式市場は8166ポイントでした。8500ポイントまで上がったのに8000ポイントまで大きく下がりましたね。それでもまた8200ポイント近くに戻って来ました。
2)GDP
4月は2.5%の上昇で好調維持と言えそうです。過去12か月では3.3%アップです。
物価上昇率IPCは5月に0.5%が記録されました。関係ありませんが、3か月連続で新車の販売が増えています。
3)アメリカとの貿易
4月にトランプが新関税としてチリからの輸入に10%を加算するとしました。それに対し、チリ側は他に輸出国を捜す、輸出・輸入業者がそれを負担すると考えたようです。チリからの輸出はトップは銅、続いてサーモンや果物です。過去20年の数字を見ると、毎年上下はありますが、全般には数字は増加しています。貿易収支もチリが勝ったりアメリカが勝ったりです。さぁトランプ政策で今年はどうなるでしょう。
「一般」
1)自宅治療の不正使用
国立銀行は自宅治療の期間に海外旅行をした91人の職員を退職金を払わず解雇しました。どんどん増えますね。
2)アメリカ政府の2度目のチリ人強制送還
43人が送還されましたが、サンティアゴに着いてすぐにチリの警察に逮捕されたのもいます。
3)地震
北部でM6.4の地震が起きました。ビルの窓ガラスが壊れて地面に落ちるのをニュースで見ました。チリは地震が多いですね。
4)世論調査
世界31の国であなたの国は発展していますか低迷していますかとの質問をしたところほとんどの国で半数以上が低迷と回答。チリは64%でしたが、日本はもっとひどい73%がそう考えています。
5)犯罪
先日、ビオビオ州の高校で殺人事件が起きましたが、なんでもその州では高校生が銃を持つ・麻薬を持って高校に行くのが日常化しているとか。学校・警察・州政府は何をしているのでしょうか。同じ州のカネテで以前マプチェによる放火事件が起き、その犯人の一人が今週逮捕されました。なんと18人目とか。彼らはひったくり・強盗ではなくチリ人の施設・家屋への攻撃をするのですね。18人を調べれば、そのグループが数十名なのか数百名なのか分かるでしょう。彼らがどうしてグループを維持できるのかも分かるはず。
もちろんそれらのデータはボリッチにも行くはずですが、政府のマプチェ対策が上手く行っていないのは明白ですね。 以 上
「2025年6月9日ー6月15日」
「政治」
1)ボリッチ動向
モネダ宮殿でチリ駐在の新任大使の認証式がありました。ポルトガルやペルーの他数か国です。
国際問題ではアメリカがイスラエル問題でチリにまだ圧力をかけているとか。ボリッチは後わずかですから、トランプの事は気にしないで放置するのかな?そのイスラエルがイランに攻撃しましたね。なんでもしたい放題のイスラエルですが中東戦争の気配がします。それにしてもアメリカ・中国も国の運営に問題がありますし世界中が没落傾向にあるように見えますが、チリだけでなくこの先世界はどうなるのでしょう。
今週は雨でしたが、ボリッチはホームレスの人を収容する施設を訪問し皆さんの生命を守るのは私たちにとって大事な仕事ですとしました。
2)大統領選挙
水曜日からテレビで予備選挙の候補者の宣伝ビデオが報道されています。でも不思議なのは与党側の4候補のみで右翼の3名は出ません。それは、右翼側は予備選挙をしないからです。しかし私にはその右翼の3候補の考え方が理解できません。
さて話題になっているのは候補者の人気の動きです。右翼で一番人気があったのは中道右派のマテイでしたが、今回の調査では極右のカストが17%マテイは16%と順位が変わりました。前回の大統領選挙はカストが右のトップでしたが、今回もそうなるのかな。
左の方も前内務大臣のトアがトップだったのに共産党のハラがそれを越したとか。共産党系は当初からトアが勝つと言われるが、そうでもないとしています。じゃ、極右対極左になるかも。
それにしても大統領選挙が近づいているのに全然盛り上がりません。こんなに人気のない大統領選挙は民政化して初めてです。この日曜日、テレビでその4候補者の討論会が
放映されましたが、私は一部だけしか見ませんでした。見たい知りたいと言う気がしません。月末の予備選挙ですが、200万人が投票するか注目されています。前回は候補者が新左翼のボリッチと共産党のハヅェで175万人が投票しました。私は今回の投票には行く気がしません。
3)検事総長の見解
数年前の社会騒乱の時に犯罪行為に走った人間は多数いますが、今週、彼は検察局が持つデータで現在、大臣職をしている人間がその社会騒乱時に何をしたかまとめてみたいとしました。新左翼系などほぼ全員が問題を持っているのでは?勿論ボリッチも。
そして例の医師から自宅療養の権利をとった人が海外旅行をしていた件で国会でも議員のチェックを始めるとか。共産党議員の名前が出ています。そして検察局の場合はすでに42人の検察官・職員が処罰を受けたとか。もうどこまで行くか分かりませんね。
さらにひどいのは公立病院の医者で、その自宅待機の権利を得るとその期間中に私立病院で働き、稼ぎまくったとか。いやはや。昔のチリのイメージは社会全体が公正と言う感じでしたが今は誰でも怪しいと言う感じですね。悲しい。
「経済」
1)銅価格と為替
1ポンド4.38ドルと先週とほとんど同じです、そのため為替も1ドル930ペソと安定です。IPSA株式市場は8209ポイントとパッとしません。
2)国際比較
JPモーガン社がラテンアメリカ15か国の経済安全性を比較しました。国債などの検討ですね。そして最も安全なのはウルグアイになりました。そして2位は何とチリでした。下の方はアルゼンチン・エクアドル・ボリビアそしてベネスエラでした。
ボリッチは役に立たないと言われますが、少なくともこの数字を見れば彼の今までの任期の3年間はそれほどひどくは無かったと言えそうです。
「一般」
1)大気汚染
大気汚染で警戒警報が出て、ナンバープレートを使って年代の古い車の一部に走行禁止処置がとられました。週末の大雨でそれは無くなりますが、数日するとまた汚染警報が出るでしょうね。
2)犯罪
サンティアゴの人は犯罪が怖いので外出を控えると言う傾向があるとか。テレビのニュースでそう言われました。首都圏の中央部では連日殺人事件が起こっていますから。
私は今までと同じに外出しています。散歩をするのは東部のラス・コンデス区で、そこは犯罪が少ないため危険な目に遭ったことは少ないです。
さて南のアラウカニア州でトラックが襲われ延焼しました。マプチェのグループの犯行と思われています。それに継続してまた攻撃が起きました。さらに3件目の家屋放火もありました。自分たちの仲間を刑務所から釈放しろとしています。私が以前から主張している通りですね。
首都圏のサン・ラモン区の元区長が不正をしたとして有罪になりました。刑期はまだ決定されていません。彼が区長をしていた10年ほど前に自分の口座に3億ペソほどの金額を不正に入れたことが分かっています。左翼系の人間ですが、右も左も同じですね。
学校の中の犯罪が注目されていますが、学校にいろんな機械を置いて学生の所持品を調べることはまだ決まりません。
3)地下鉄
サンティアゴの地下鉄メトロは公共運送として重要な役割をもっています。ボリッチは国際空港までその路線を延長するとしています。さて昨年の収入は5920億ペソで前年より27%アップでした。いかに市民が重宝しているかがわかりますね。昔、メトロ関連の仕事を長い間した経験がある私には嬉しいニュースです。
4)チリ海軍の帆船エスメラルダ
エスメラルダが大阪万博に関与して大阪港に入港しました。その式にフレイ元大統領が出席しました。 以 上
「2025年6月16日ー6月22日」
「政治」
1)ボリッチ動向
ボリッチは議会に先住民支援・保護の法案を作成するよう提案しました。今週の金曜日は先住民記念日の祝日でした。それは冬至の日ですが、マプチェが新しい年を迎えるとしてお祝いするので、それを使って先住民記念日にしているわけです。いつも同じことを書いていますが、ボリッチの提案は理解できますが、チリに住み着いていた先住民を殺してその領土を奪ったのが現在のチリなので先住民を保護するのは何を意味するのか分かりません。現在、チリ南部で特別法として何年も軍隊の配置がされていますが、新聞にいつまで特別法を継続させるのかと書かれました。彼が先住民に何をしたいのか何ができるかが明確になりません。
しかし今週の話題はトランプのイラン攻撃ですね。土曜日の夜のニュースは他の項目は全部ストップしてその話題ばかりが1時間以上続きました。ボリッチはこの件に関しトランプを厳しく批判しました。原子力機関への攻撃は世界的に禁止されているのにそれを無視して攻撃した。更に自分に権力があるとして好き勝手なことをするのは認められないとしました。彼は以前からイスラエルを批判しアメリカと対立していますから、トランプならそうかそれならアメリカとチリの間の航空便を止めるとするかもしれませんね???野党側から彼への批判が出ています。例えば、アメリカと対立を続ければベネスエラやキューバのような状況になるとか、個人的な見解を大統領として発言するななどです。
かなり遅れていますが、彼の初めての娘が誕生しそうです。私がいつも行くチリ大学病院で出産間近とか。現職大統領の子女が生まれるのは95年ぶりらしい。
2)大統領選挙
いよいよ予備選挙が来週に近づいて来ましたが、中道左派代表のトアが共産党を嫌っているのが問題になっています。先週の世論調査で共産党のハラが首位になりましたが、それに関してトアはハラが与党代表になれば11月の本番で野党側が勝利するだろうとしました。トアは「世界の中で共産党が政権を握って上手く行った国・地域があるだろうか、いやない」と厳しい見解を示しました。ハラはこれに対して、それなら私が世界で初の例になるかもしれませんよと軽く流しています。共産党と友好関係にある社会党はトアの振る舞いに同意していません。
右翼側の候補の動きはあまり取り上げられません。
妊娠・出産で国会議長を一時、休んだ共産党のカリオラが彼女と良い関係にある中国人経営者と携帯で話していたのが問題になっています。チリ議員団が先年に中国訪問
した時の行事・日程を二人で決めていたようです。そんなことは良くあるのでしょうか?
左翼系の都知事のオレゴが不正問題で裁判所に呼ばれていますが、もう右も左も同じですね。
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は1ポンド4.41ドルと安定です。為替は1ドル943ペソと先週とほぼ同じ。株式市場は8017ポイントと落ち込んだままです。
銅鉱山のエスコンディーダは絶好調で今年の第一四半期で38億ドルを売り上げ、9億ドルの税金を払ったとか。すごい数字ですね。その鉱山の開山式に出席したのは懐かしい思い出です。
19日に東京で駐日チリ大使館などの主催でチリ鉱山への投資の説明会がありました。それにチリの鉱山大臣ウィリアムスが出席してチリ鉱山への投資の魅力を説明しました。 まだまだチリに投資する価値はあるでしょうね。
2)公定歩合
中銀は昨年末からの5%をキープすると発表。景気回復のために歩合を下げることはしませんでした。所で5月の物価上昇率IPCは0.2%で今年度は2.4%、過去12か月では4.4%と予定されていたレベルです。今年度のGDPは2%と2.5%の間になりそうとか。
3)世界競争ランキング
チリは44位でラテンアメリカの中のトップでした。日本はその少し上の38位でした。
チリの後ろにメキシコ56位、コロンビア57位そしてブラジル62位でした。
4)輸出ランキング
2024年の輸出ランキングでチリは24のテーマで首位になっています。そのいくつかを紹介すると先ず鉱物では、銅、リチウム、モリブデン、そしてサーモン、マグロにサクランボ。すごいですね。
「一般」
1)大雨被害
月曜日の大雨で全国各地で被害が出ましたが、1100軒の家が被害を受けたとか。冬の間、まだ事故は続きますね。南部で川の氾濫がでています。
2)3連休
金曜日が先住民の日の祝日で週末が3連休になったので首都圏から40万台の車が近郊に出ていきました。そして初日の金曜日だけで8名の交通事故死亡者が出ています。それが戻ってくる今日の夜が心配ですね。
3)犯罪
もう毎週、各地で殺人事件が起き、サンティアゴだけでなく地方の州でも同じような状況です。強盗事件で無い殺人もあります。例えばある家で大きな音で音楽を流しパーティをしていると近所の人がうるさいから音を下げてくれとクレームし、それが揉めて発砲し死者が出ました????
それから学校で事件が起きるのも継続ですが、全国で44の区に特別警備態勢を敷くとする計画が考えられています。悲しい実態ですね。
首都圏のニド・デ・アギラ校の学生がいじめられて自殺した件で、法廷は学校の管理に問題があったとして慰謝料を家族に払うよう命令しました。家族は同じような悲劇が二度と起こらないよう体制を改める必要があるとコメントしています。そこへ日本人駐在員の子供も行っていますね。
バス
覆面グループがモロトフ爆弾を使って放火しバスが全焼しました。昔そんな事件がありましたが、また戻って来ました。同じ犯人かな?電子バス(EV)が着々と到着し年末には首都圏の公共バスの6割がそのシステムになるとか。
このチリの風のブログに私の書いた「侍の歴史」が掲載されています。時間のある時読んで見てください。
下記リンクに掲載されています。
https://peter-fujio2.hatenablog.com/ 以 上
「2025年6月23日ー6月29日」
「政治」
1)ボリッチ動向
ベルギー国王夫妻がモネダ宮殿を訪問しボリッチと話し合いました。それからボリッチは7月にブラジルで開催されるBRICSの会議に出席するとか。反アメリカの体制が目覚ましいほどはっきりしますね。ただ今回の会議には中国・ロシアのトップは参加しないようです。もちろん野党側はそれを批判しています。
個人的な事ですが、彼の娘が生まれました。そのためあまり仕事をしていないようです。大統領府の発表の彼の動向は止まっていますから。数日間の育児休暇を取るらしい。そして日曜日の投票に義務制ではないのに土曜日にプンタアレナスに空軍機で行きました。実家に泊まって翌日に投票しました。投票の後、この与党側の予備選挙が終われば、グループは全力を挙げてその勝利者が次の大統領になる様努力をしようとコメントしました。彼は新左翼の出身ですが、今回の予備選挙で新左翼の候補者ウィンテルを応援する動きはなかったです。投票所をプンタアレナスからサンティアゴに変えればそういう無駄な時間・費用は無くなるのですが、とうとう最後まで実家に遊びに行くのを止めません。
今週私は家屋税を払いましたが、財務大臣がそれについて変更を考慮しているとしました。全額もしくは一部を解除するのでしょうね。例えば年金生活者の場合とか。16万人の老人がそれに該当するらしい。今週の新聞にチリでは老人の3人に一人は孤立した人生を送っていると書かれましたが、老齢になって苦しい人生なのですね。
野党側もその老人援助のアイデアに賛成しているようです。選挙が近いからかな?
2)大統領選挙
日曜日に与党側の候補の予備投票が行われました。毎週、書いていますが、全く盛り上がりませんでした。投票前に右翼が共産党が勝つよう願うとしました。
右翼が勝つ可能性が増えますからね。各地の投票所に設けられた投票机の数は16380でした。投票者数は予想よりかなり少なかった140万人のようです。
結果は共産党のハラが勝ちました。まだ開票率90%なのですが、あまりにもその差が大きいのでこれを書いています。ハラが60%、前内務大臣のトアは28%でした。
11月の大統領選挙で1,2位がハラと共和党のカストになれば、決選投票は極右対極左になりますね。
投票者数が前回よりかなり減ったので組織力のある共産党が勝ったと言う意見もありますが、投票結果を見ると圧倒的な差がついているので原因は二人の力の差でしょうね。識者の中には11月の本選でハラが伸びるためには共産党から抜けて独立して無所属で行くべきと言うコメントもあります。さぁボリッチ政権はどう動くかな?
「経済」
1)銅価格と為替
銅価格は少し上がって1ポンド当たり4.56ドルと高値です。そのため為替は1ドル931ペソとペソ高になりました。
株式市場は8159ポイントとパッとしません。5月の初めは毎週新記録を出していたのですが。もちろん年初に比べれば今の数字は良いですが。
IMFの見通しではチリの今年のGDP成長率は約2%ですが、1990年代年間6%も上昇していたのが懐かしいですね。
全然関係ありませんが、新しい硬貨が出ました。100ペソです。私はまだ見たことはありませんが。ガソリン価格がこの2週間で100ペソほど上がりました。私の住居の近くのガソリンスタンドはそれほど上がっていませんが。それは中東戦争の影響ですね。原油価格が上がったり下がったりこの先どうなるかな?
2)給料
ドイツの銀行が調査した各国の主要都市での給料の比較が発表されました。チリは(サンティアゴですが)840ドルで南米のトップでした。アルゼンチンが733ドル、ブラジルが430ドル、コロンビアが375ドルとか。首位はスイスで8400ドルでした。その差は驚きですね。日本(東京)は38位で2592ドルですが、南米よりすごいと喜ぶのかスイスよりひどいと嘆くのか?
「一般」
1)犯罪
軍の幹部が麻薬を扱っていたのが見つかり7名が逮捕されました。軍内部でその対応に大変なようです。その7名だけなのか、もっと他にもいるのか。軍の車・施設を犯罪に使用していたのか???ボリビア経由でその麻薬が入ったと調査が始まりました。見つかった麻薬の量は30億ペソ相当分でした。不法に国境を越えてくる移民の管理をしている軍が、麻薬の運送をしているなら個人の問題より軍の全体の問題になりそうですね。いやはや。それらの部隊の兵隊を入れ替えるのは簡単な作業ではないとか。
それから麻薬集団ですが、首都圏の他は北部の国境近くにベースを持っていましたが、今回は南部のビオビオ州のロス・アンヘレスで見つかりました。どんどん広がっているわけですね。
前マクル区長が誘拐されました。釈放する為に要求された金の一部を払って自由になったようですが、そういう犯罪がチリにもあるわけですね。犯罪グループは捕まるかな?ボリッチはプンタアレナスでこの事件の犯人グループはこのまま隠れていることは認められないとしました。
サンティアゴの中央駅区は毎週、犯罪が起きますが、今週も銃の撃ち合いがあり負傷者が出ています。
2)冬休み
外人観光客がチリにどっと入って来ます。ブラジル人の場合、過去最高になるかもしれないとか。彼らはサンティアゴ近郊のスキー場と北部のアタカマ砂漠に行くらしい。でもそのアタカマ砂漠の中心地サン・ペドロ・デ・アタカマの近くで雪で孤立した観光客59人が救出されたとか。私もそこへ先年、訪問しています。更に北部のアリカの山岳部でも雨で250軒が被害に遭ったらしい。その辺りは雨がほとんど降らないのですが???
パタゴニアの町プンタ・アレナスで土曜日に毎年行われる 冬の水泳がありました。海温は4度だったそうですが、新記録の7400人が勇気をもって海に入りました。私にはその気力はありません。
3)大学ランキング
世界中の大学を比較したランキングでチリの大学から3校がラテンアメリカのトップ10に入りました。嬉しいニュースですね。 以 上