『ブラジル音楽歴史物語(レコード・コレクターズ3月増刊号)』
田中 勝則 ミュージック・マガジン
2025年3月 522頁 3,200円+税 雑誌19638-3
1981年以来ブラジルに通ってリオデジャネイロのサンバ学校に出入りし、多くのミュージシャンと交友してきた音楽評論家・プロデューサーが多くの関連資料を読み、識者にあって纏めたブラジルの国民音楽であるサンバを中心とした音楽通史。
最初のサンバが録音された1917年にブラジルのポピュラー音楽が大きく花開いたとするが、近現代だけにとどまらず植民地時代、長く続いた軍政を経て現在まで概観し、ショーロやボサ・ノーヴァ、MPB(ブラジル・ポピュラー音楽)などまで網羅し、SPレコードの名盤など8本のコラム、1830~1980年の写真で見る音楽歴史を付したブラジル音楽愛好家にとって興味深い蘊蓄に満ちた総合案内書。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2025年夏号(No.1451)より〕