『アモローゾ ジョアン・ジルベルトの人と音楽』
ズーザ・オーメン・ヂ・メロ 国安 真奈訳 アルテスパブリッシング
2025年2月 437頁 3,400円+税 ISBN978-4-86559-303-7
歌手、ギタリストにして作曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンや作詞家のヴィニシウス・ヂ・モライスらとともにボサノヴァを創り、ボサノヴァを超えてブラジル音楽を変えたと言われるジョアン・ジルベルト(1931~2019年)の生涯を、親交のあったブラジル大衆音楽界で活躍したジャーナリストの著者(1933~2020年)がまとめた詳細な評論。
ジルベルトの話すような唱法、独創的なハーモニーで聴くものを引き込む至高の音楽家の愛すべき素顔とその実像を描いているばかりではなく、友人としての温かい心情を感じさせる。巻末に詳細な原注と参考文献、曲名・人名索引とともにディスコグラフィーが収録されている。
〔桜井 敏浩〕
〔『ラテンアメリカ時報』2025年夏号(No.1451)より〕