『知っておきたい!メキシコごはんの常識 ―イラストで見るマナー、文化、レシピ、ちょっといい話まで』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『知っておきたい!メキシコごはんの常識 ―イラストで見るマナー、文化、レシピ、ちょっといい話まで』


『知っておきたい!メキシコごはんの常識 ―イラストで見るマナー、文化、レシピ、ちょっといい話まで』
メルセデス・アウマダ文、オラーヌ・シガル絵 山田 萌訳 原書房
2025年3月 128頁 1,800円+税 ISBN978-4-562-07502-7

メキシコの料理といえば主食のトウモロコシを加工したタコス、エンチラーダ、ソースワカモレなどがまず挙げられ、それらにより2010年UNESCOの世界無形文化遺産に登録されたが、それだけではなく地域ごとの伝統や慣習、儀式に深く関わった様々な料理がある。本書はメキシコ料理の起源、生態系、農法、伝統を受け継ぐ人々と料理から始まり、朝ごはん、最も重要な昼ごはん、そして夜ごはんの定番料理、祝祭の食事、伝統的な市場、レストランやストリートフード、香辛料とハーブ、トウモロコシその他の食材・食品、調理器具、おもな調理法とレシピ、郷土料理から飲物とデザートまでを、3代続くメキシコ伝統料理の調理人家系に生まれ、フランスを拠点にメキシコ食文化の広報活動を行う傍らパリ等でメキシコ料理店のシェフを務めている著者の文と、全編を美しいカラーイラストで飾るフランスの美術家の絵で、分かりやすく、そして実に楽しい本に仕上げている。

〔桜井 敏浩〕

〔『ラテンアメリカ時報』2025年夏号(No.1451)より〕