連載エッセイ528:ピーター藤尾「チリの風」その42 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載エッセイ528:ピーター藤尾「チリの風」その42


連載エッセイ528

「チリの風」その42

執筆者:ピーター藤尾(在サンテイアゴ)

「2025年9月29日~10月5日」
「政治」
1)ボリッチ動向

来年度の予算の政府案が決定し、ボリッチは与党の各党の党首たちと面談会を実施しました。そしてそれをボリッチは国民に全テレビ局で説明しました。文化やスポーツは経済成長・失業率などと関係は無いにせよ、国の将来のためには力を注ぐのは必要不可欠の項目だとしました。そして私の政権が始まった時の予算より来年度予算の方が国の将来には有効だと結論しました。もちろんカストは「ボリッチの考えには同意しない。張りぼての予算のどこが素晴らしいのか」と厳しく批判。するとボリッチはカストの予算縮小案は実現不可能と逆襲しました。その予算を作ったグラウ新財務大臣もカストの言う60億ドルの財政削減をどこに当てるのか知りたいとしています。政府が医療機関に持つ4.5億ドルの負債が病院・診療所などの経営に大きな影響を与えているとか。当然ですね。

世論調査で市民の心配事項は犯罪・汚職・経済成長となっていますから、チリの風でそれらを毎週取り上げているのは当然ですね。ボリッチはもう聞き飽きたかな?

2)大統領選挙

今週の世論調査はハラ26%、カスト23%、そしてマテイ17%でした。動きがないと言えるし、マテイが少しカストに近づいているとも言えます。普通、左翼はパレスティーナを支持し、右翼はイスラエルですが、マテイはイスラエルの政策を批判しています。

そこから先日67人のパレスチナ人がチリに難民として入国するのを認められました。週末の特集として新聞に一女性の話が掲載されました。彼女は52歳で、80歳の母親そして10歳の娘を同伴して来ました。いつ死ぬか分からない状況が大きく変わり、正常の毎日をどうして継続していくか、新しい課題に挑戦している由。彼女の仕事、娘の教育が最大の課題ですね。もちろん言語など、生活習慣も簡単ではないでしょうが。

イシドロ・ソリスはバチェレットの時代に法務大臣をしましたが、彼は中道がチリの将来にふさわしいとして、極左のハラを推さずに中道右派のマテイのグループに入りました。極右・極左はまずいと考える人がいるわけですね。私の予想と異なり、18のお祭りが終わっても国中が選挙に集中している感じはありません。どうしてでしょう?

チリの選挙は義務制で投票しないと罰金を取られますが、それを変更する意見が出ました。しかし今週の議会で変更はしないと決定され、罰金は続きます。

「経済」
1)銅価格と為替

銅価格は1ポンド4.78ドルと最近1年間で最高値に上がりました。需要供給の問題か政治的な理由で上昇したのでしょうか?にもかかわらず為替は1ドル962ペソとペソ安が継続し、株式市場は8890ポイントと一時期前の9000ポイント越えが普通だったのに比べるとかなり下がっています。新財務大臣の方針に経済界は反応していないようだとのコメントも出ています。

2)経済成長率

中銀が発表するイマセック指数で8月は前年対比何と0.5%の上昇でした。もう進展無いのと思われる低さです。過去12か月でたった1.3%アップと落ち込みはひどいですね。

3)失業率

全国平均で 8.6%、首都圏だけでは8.9%と下がりません。

「一般」
1)不法住居の撤退

バルパライソ州のキリプエで不法に建てられた住居の倒壊が始まりました。全国各地にその問題はありますが、とうとう最後の手段を開始したわけです。140軒の家が壊され、一人逮捕されました。他の地区はどうなるのでしょう。全国で一番規模の大きい不法地区は同州のサン・アントニオで1万人が在住です。政府が政治解決しようと介入しましたが、全く進展なし。ところが裁判所がその不法建築物の撤去を認めたので、撤去が始まりそうです。それが完成するとその他の地区もあっという間に解決していくかも。ボリッチの最後の手柄になりそうです。

2)高層ビル

ラテンアメリカの中の高層ビルの高さが比較されました。チリのコスタネラセンターは300mで2位でした、1位はメキシコのビル。つまりチリのそのビルは南米内では最高の高さになります。

ビルとは関係ありませんが、サンティアゴの地下鉄(メトロ)が開通50周年のお祝いをしました。私がチリに入った46年前は現在の1号線の一部だけが走っていました。でも鉄輪でなくゴムのタイヤを使っているのが光っていました。将来、まだまだ新路線が開通しそうです。

3)犯罪

先週、アメリカからチリ人の犯罪者が送り返されましたが、今週はベネスエラ人犯罪者がチリに送還されました。それはチリでベネスエラ人が殺された事件でその反政府活動家を殺したと思われるベネスエラ人がチリから逃亡しアメリカに入った証拠があるので、彼らを送り返してほしいと依頼したからです。彼らはすぐに刑務所に送られました。それから刑務所の上にドローンが飛んでくると警戒警報が出ています。高校生の過激派ですが、以前と同じく国立学院INBAでまた学生のモロトフ爆弾騒ぎが起きました。いつまで続くのかな?自動車事故で2名の死亡が出ましたが、運転手が麻薬を使用していたことが分かりました。

チリ市民の安全性は数年前の社会騒乱以降、大きく低下しましたが、ニュースを見ていると南米の他の国でも同じような傾向ですね。麻薬犯罪組織などどの国でも同じ運営をしますから。                            以   上
「2025年10月6日~10月12日」

「政治」
1)ボリッチ動向

北部の国境の町コルチャネスを訪問し、不法移民の入国管理をチェックしました。任期の最後の時期に自分たちはこうした不正は認めないとコメントするのは不思議ですね。3年前なら分かりますが。それから軍隊が経費不足から適切な活動を実施できないとするコメントが出ています。それも今まで放置してきたのですね。

イスラエルとパレスティナの和平が進んでいますが、今までと同じくボリッチはイスラエル批判をしています。

さてチリの電力はその60%が中国の手にあると言われますが、次期政権が右翼になればどう変化するのでしょう。

週末、ボリッチはイタリアに入りました。明日の月曜日にローマ法王と面談します。その前にサンティアゴで大司教と面談しましたが、大司教は政府が考える安楽死法案に賛成できないとしました。しかし任期末期のボリッチがバチカン訪問する意味があるのでしょうか?

2)大統領選挙

大きな動きはありません。選挙運動が盛り上がらないのが不思議です。世論調査でカストが首位を取り返し25%の支持率。そしてハラ24%、マテイは17%でした。右翼内でカストとマテイの争いが深刻化しています。それからカストの緊縮財政の根拠・詳細を知りたいと言うコメントが出ています。カストに関して左翼予備選挙の候補者だったトアが「カストが勝てば社会騒乱が再発する。その時、私たちはカストを支援しない」としました。私が言っていることと同じですね。チリで1O18と呼ばれる日があります。それは来週の10月18日の意味ですが、今から6年前に社会騒乱が始まった日の事です。それがまた再開すると言われるのです???

リベラルと呼ばれる中道(左派も右派)がチリで勢力を失っています。極右・極左が伸びていますから。しかしその動きはチリだけでなく世界共通の様ですね。日本もそうかな?

一方左翼候補ハラは政府との問題が深刻です???

不法建築された住居の一番規模の大きいのはサン・アントニオですが、それに関し住宅省の大臣が不法建築者の後ろにハラがいるとしました。彼らを支援していると言うことですね。まさか共産党が金持ちの持つ空き地に貧乏人が家を建てるのは当然だとするのではないでしょうね。ハラは少し前まで労働大臣をしていましたから、これは右翼と左翼の争いではなく同じ与党内の争いです。首都圏のフロリダ地区でも不法建築物の崩壊が始まりました。一人逮捕とか。何だかこうして毎週、不法建築問題を力で解決する動きが出そうです???

週末の新聞に経営者のコメントとして、私たちは経済活発化を図る大統領と国会議員を即時必要としているとされました。無理もないですね。

「経済」
1)銅価格と為替

何と銅価格は1ポンド4.87ドルで終わりましたが、途中に4.93ドルと5ドルに接近しました。これはなんと過去最高の数字とか。財務省はニコニコ顔でしょうね。鉱山の労働者はしっかりボーナスを出せと要求するでしょうね、出さないとストに入るとか。

予想では、2026年、27年に5,6,7ドルと上がっていくだろうとされています。ホンマかな?

為替は1ドル948ペソとそこそこでした。

株式市場は8762ポイントとかなり下がっています???

2)物価上昇率IPC

9月は0.4%、今年に入って3.3%、そして過去12か月で4.4%を記録。何とか通常に動いているようです。

「一般」
1)犯罪

毎日、銃殺事件があります。一向に収まりません。

元PDI長官が裁判になりました。チリでは警察は制服と私服の2つの組織になっていますが、その私服PDI側のトップが不正事件で裁判になりました。犯人を捕まえる警察のトップが犯罪をするなんて・・悲しいですね。

医師の発行した在宅待機指示書を使って仕事を離れ、その期間に外国旅行などした人が80451人とか。100人くらいならわかるけど8万人とはひどい。

「お前、バケーションを2回使えるのを知ってるか?」「何それ?」「医者から自宅待機の書類をもらって、会社に届けるとその期間は仕事から離れることになる。それを利用して旅に出るんだよ」「病気なら旅には出れないだろう」「医者からそれを上手くもらうんだよ」「?????」「医者に頼んでそれをもらうのが手なんだよ。少しは金がかかるけど。もしお前もそれを使いたかったらどの医者に行くのか教えるよ」

8月はその自宅待機指示書の発行が低下したとか。

電線泥棒は国内各地でありますが、北部のイキケで盗まれた電線21トンが見つかりました。

ところで35%の人が最近、自分若しくは家族が犯罪の被害を受けたとしています。

また南部のアラウカニア州で事件が発生。マプチェ関連です。ボリッチは政権開始時にマプチェ問題の解決に警察・軍隊による力の対決ではなく話し合いをするとしましたが、内務大臣が彼らに脅され会談は失敗。その後、彼は同州の一部を特別地域に認定し警察と並んで軍隊を治安維持に使いました。すると以前より犯罪数は減少したとか。彼の当初の考えは間違っていたと自分で証明しています。

2) 自然

南極のチリ領土でマグネチュード5.2の地震が起きました。基地での被害はなく、津波も起きなかったようです。

北部のアタカマ地区で突然砂漠がお花畑になりました。昔それを見たことがありますが、不思議でした。自然の動きは不思議です。毎年同じ時期にお花畑になるのではありませんから。                         以   上
「2025年10月13日~10月19日」
「政治」

1)ボリッチ動向

月曜日にバチカンでローマ法王と会って面談しました。40分間話しあったそうですが、最後に彼をチリに招待したいとしました。その後3日間もローマに残りいろんな会議に出席しました。イタリアの大統領とも面談しました。

イタリアにいるときにベネスエラを批判しました。マドゥロに反対する旧軍人がチリで殺害され裁判になっていますが、それを表面に出しました。ノーベル平和賞がベネスエラ人になりましたが、それは政治的判断でしょうね。最もベネスエラの小舟を攻撃して死傷者を出しているトランプの作戦はとても容認できません。怪しい船がアメリカの港に入ったらそこで検査をすればよいわけです。チリの共産党はベネスエラ応援団ですが、ボリッチははっきりと違います。

そしてチリに戻って来て最初の仕事はエネルギー省大臣との面談で、彼の辞任を受けました??? その理由は次の通りです。電気代の計算が間違っていることが分かりました。政府のエラーでコストの計算に物価上昇率IPCが2回使われて(1回のはずなのに)その分、消費者が高く払わされていました。それが見つかって来年1月から払い戻しが始まるとか。支払う電気代が毎月低くなるらしい。

野党は即時、ボリッチに担当大臣パルドウの解雇を請求しました。彼は新左翼でボリッチと最も親しい関係にあったとか。過剰請求した金額は1億1500万ドルと言われますから、払い戻しは一家族2,30ドルになるでしょう。

それから教員に関する未払い分が過去40年間もあった事項でボリッチはやっとその支払いを実施しました。数万人の教職員がその恩典を受けるとか。ピノチェット軍事政権時から左右政権が放置していた問題をボリッチが解決するなんて、一人当たり10万ペソでも100万ペソでももらえる人には最高ですね。

ボリビアの大統領選挙の決選投票が今日ありましたが、新大統領とチリの関係はどうなるでしょう。

2)大統領選挙

右翼側のマテイとカストの争いにマテイがストップをかけました。カストにクレームをしていたのは私の間違いです。争うのではなく共闘していきたいとか。もっともその接近は一日だけで、翌日からまた元の争いが継続です。

カストは経費削減を表明していますが、その方針で、ボリッチが作成した新省庁を廃止し、公務員数を大きく下げるとしています。彼の作戦が100%正しいとは言えなくても100%間違っているとは言えないでしょう。ハラも公務員がその職務の責任を果たしているか調査する必要がありますね。市民を喜ばすためお金をばらまいて財政破綻したのは隣の国ですが。

逆の左翼の方はハラ一人ですから、争いは無いと思われますが、中道左派の社会党とかもっと中道のキリスト教民主党DCはハラを快く思わなく感じるのは当然です。

また共産党の一部には政府作成の来年度予算を受けがたいとするグループもいるらしい。

11月の選挙まで1か月を切りましたが、全く盛り上がりません。私が言っているだけではなく、多くの有権者がまだ誰に投票するか決めていないとしています。

今週の世論調査の結果ですが、首位は極左のハラ29%、2位は極右のカスト24%、3位は中道右派のマテイ15%でした。

テレビで各候補者の宣伝が放映されはじめました。でも面白い・興味深いとは思えません。国会議員の候補者のパンフレットは何名か受け取りましたが、それだけです。

テレビの番組で大統領・議員の議論番組はありますが、ニュースそのものに市民の熱気を感じさせる活動の様子は出てきません、首都圏だけでなく地方も同じです。

「経済」
1)銅価格と為替

銅価格は少し下がりましたが、1ポンド4.78ドルと高値安定です。今年に入って25%の上昇です。為替は1ドル956ペソとそこそこ。株式市場IPSAは9079ポイントと久しぶりに9000ポイントに戻りました。

2)経済成長率

IMFの発表ですが、一人当たりのGDPでチリは35286ドルとなり、ラテンアメリカで3位でした。首位はパナマ、2位はウルグアイです。

以前はチリは2位だったのに2022年にウルグアイに抜かれ3位に落ちています。

「一般」
1)社会騒乱

今週の話題はこれです。6年前の騒乱でチリが変わってしまいました。イタリア広場のデモに100万人が集まり、暴れまくったのですね。

その影響ですが、中心地区の商店の場所代がラテンアメリカ地区で一番高いのがサンティアゴでしたが、その事件の後、価格が下がり現在は4位になっています。1位はメキシコ市とか。

この時の事件で負傷したデモ隊が沢山いますが、警官の発砲で失明した議員が「ボリッチは政府は負傷者を全員救う」と発表したけどほとんど何もしなかったとクレームしています。

O18が来る前に昔と同じようなデモ・略奪事件が起きました。予行演習でしょうか?

カストは「政権を握っても何もしなかったボリッチはまたこうした社会騒乱を起こすのだろうよ」コメントしました。

2)海外旅行

チリのパスポートがラテンアメリカの国の中で最も有効となっています。ビザなしで入れる国の比較ですが、チリはトップで175か国。2位のブラジルとアルゼンチンは

168か国ですから、かなり差がついています。

飛行場の利用客が久しぶりに下がりました。乗客数が9月は前年対比2.8%、そして今年第2四半期は前年対比0.5%のマイナスでした。コロナ以降5年間、ずっと上昇だったのですが、落ち着いてきたのですね。
3)ヘリコプターの事故

空軍のヘリコプターが南のアイセン州で行方不明になり大騒ぎ。見つかりましたが機長は死亡、乗員3名は救出されました。先日ボリッチが同地区を訪問したとき

そのヘリコプターに乗っていたとか。その時事故が起きていれば・・・大変ですね。以上
「2025年10月20日~10月26日」
「政治」
1)ボリッチ動向

隣州のバルパライソ州を二日掛けて回り、いろんな地区で幼稚園の開園式などに参加しました。先週話題になった電気代の過剰徴収に関し、「あってはいけないことだ。全額皆さんに払い戻しをさせる」とコメントしました。それが先週は1億ドルとかでしたが、今週の発表ではほんの2百万ドルとか。ほとんど冗談のようですね。エネルギー大臣を更迭したように払い戻し金額を間違えたエネルギー省の高官も首にしたらどうでしょう。それが2度目の変更で1億3500万ペソに戻りました。素人の私にはその変化が理解できません。もっとまじめに働いてほしいです。

なんでもエネルギー委員会CNEが間違って電力会社に1億1500万ドルを支払ったそうで、それを取り戻す合意は出来たとか。その電力会計の会社に中国系が入っています。さて消費者はまだその高い電気代を払っていないと言うコメントもありますが、それならボリッチはそれを知らないのでしょうか?

ボリッチは幼稚園を訪問しているときに、報道陣に「今週、議員の数が足りずに議会が開催出来なかった。国民のために情熱をもって働こうではないか?」とコメントしました。すると議員側から「2021年に同じことが議会で起きている。その時、ボリッチとバジェホ(大統領府長官の共産党員)は議員だったのに登院しなかった。自分たちのやることは正しいが他人のやることは批判するのか」とコメントが出ました。

ボリッチは来週、韓国に飛びます。APECの会議に出席するためです。なんでもその会議にアメリカ・中国・日本のトップが参加します。ボリッチもその3人と話し合えるかな?任期最後の彼は将来の約束はできませんが。

ところで先日イタリアに行き、今回は韓国なら大統領の任期が終わるまで、彼は毎月の様に外遊でしょうね。素晴らしいと言うか羨ましいと言うか無責任と言うか。

隣のボリビアに新大統領が決まりましたが、20年間続いた左翼政権が敗れ、右翼の勢力に戻りました。チリとの関係はどう変わるでしょう。

2)大統領選挙

11月16日の投票日まであと3週間です。今日発表の最新の世論調査ではハラが27%、カストが20%、そして3位にカイセルが14%でした。今まで3位だったマテイは13%と4位に転落です。新しい風が出ました。

ただ週の初めの世論調査で、もし11月の1次選挙で共産党のハラと極右のカストが勝てば決選投票ではどちらに投票するか質問するとカストが勝つとか。同じようにその時3位だった右翼のマテイとハラの場合もマテイが勝つとか。つまり現段階では次期大統領は右翼となっています。

鉱山会社ソキミチSQMに関し政治家の不法な関与があったとして3人が裁判になっていましたが、今週それが結審しました。検察の訴えでは有罪になるとは言えないとされました。全員無罪でした。その内の一人が今回の選挙の候補者になっているマルコ・オミナミでした。無罪になった一人がこの裁判が私・家族に与えた影響は取り返しがつかないほどひどいものだったとしました。検察に厳しい批判が出されています。この11年もかかった裁判で有罪になる証拠が全く示されなかったとは時間・費用の無駄遣い以外ではない。

さて共産党から「ハラはボリッチの後継者ではない。ボリッチの方針・戦略をコピーする気は全くない」とコメントが出ました。思い切った共産党色を出すのでしょうね、もし共産党が勝てば。それからハラとボリッチの関係が悪化しているとか。それはハラではなく共産党でしょうね。

ハラの側についているキリスト教民主党DCで元大統領のフレイがマテイを支持するとしました。中道ですね、極右でも極左でもなく。

今晩、大統領候補の討論会がテレビでありました。8人の候補者の話を聞きましたが、この人が最高だと思えるような演説は無かったです???

11月16日の選挙の日に投票所で働く選挙管理人の名簿が発表されました。もちろん指示されれば断ることは出来ません。選挙が近いですね。

「経済」
1)銅価格と為替

銅価格は1ポンド4.90ドルと高値安定です。チリの大手鉱山は銅の含有率が下がっているので将来は厳しいとか言われますが、まだ生産は何とか維持しているようです。

為替は1ドル950ペソと大きな変化はありません。株式市場IPSAは9232ポイントと新記録が出ました。日本もアメリカも歴史上最高の所に行きそうですね。不合理だとか非常識だとか言われます。経済の進展で株式市場が動くのではなく、政治的な力がそれを動かしているとするわけです。もしそうなら、その後大きな問題(暴落)が起きるのでしょうか?

チリへの中国の進出が良く言われますが、鉱山への投資、特にリチウム、が動いています。それから今週、鉄道の汽車がチリに多く輸入されましたが、それは中国から来た最新鋭の汽車とか。すぐに壊れないのを祈りますが。

2)失業者数

今年に入って会社の都合で解雇された従業員は8月までの数字ですが、33.7万人になります。8月の数字は6か月連続で上昇しました。

関係ありませんが、今まで落ち込んでいた新築マンションの販売数が今年の今の段階で前年対比19%のアップです。金利の引き下げが影響でしょうか?

「一般」
1)停電

電気の問題ですが、電気代ではありません。停電です。首都圏で大規模な停電が起き、85万人に影響しました。また地下鉄の7駅が使用不可になりました。

2)犯罪

犯罪グループの車がスクールバスにぶつかり、バスに乗っていた子供が負傷しました。そしてその一人は死亡でした。犯人二人はすぐに逮捕され、裁判所に送られました。裁判中から刑務所収容とか。事故のあった時、二人は麻薬のコカインを使用していました。その二人はそれまでにすでに数回逮捕され裁判になっています。つまり犯罪の常習犯です。それが自由に街を歩けるのはチリの裁判システムが上手く機能していない証拠でしょう。

3)山火事

気温が上がってきています。来週のサンティアゴはほとんど毎日30度くらいになりそうとか。つまり山火事の可能性が大きくなります。この数年、チリは山火事の問題が

大きくなっています。このため森林局はその対策を進め、人員・物資の両方を用意しているとか。どうなるでしょう。               以  上