『世界ひと皿紀行 -料理が映す24の物語』  岡根谷 実里 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『世界ひと皿紀行 -料理が映す24の物語』  岡根谷 実里


山と渓谷社 2025年3月 200頁 2,000円+税 ISBN978-4-635-24130-4

 

「世界の台所研究家」を自認し30か国・地域、170の家族を訪れたという著者が、アジア8、ヨーロッパ8、中南米6、オセアニア2の料理にまつわる食材、料理法、味と作り手家族を紹介し、4編のコラムと10の「おうちで作れる世界のひと皿」のレシピを載せている楽しい一冊。

中南米からはP.122~163で、メキシコのポソレ(真っ白な塩味スープ)、チョコラテ(チョコレートの泡立てホットドリンク)、ブニュエロス(小麦粉を薄く伸し油で揚げた菓子)、コロンビアのアヒアコ(3種のジャガイモとコアントロー、鶏肉のスープ)、ペルーのパパ・エラーダ(ジャガイモの凍結乾燥チューニョの途中工程のものを茹でてチーズ添え)、タヤリンベルデ(スパゲッティのホウレン草とチーズのソース和え)、これらのうちブニュエロスとパパ・エラーダは巻末に著者が作成したレシピ(各2頁)が付けられている。

現地紀行によって著者なりに選んだそれぞれの国のひと皿が、カラー写真と軽快な文章で熱く語られていて、関心のある国のページを見るだけでも楽しい。

〔桜井 敏浩〕