大場 樹精(獨協大学 専任講師)
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はじめに
「歴史上もっとも偉大な政治的復活だ(la remontada política más grande de la historia)」、「そのおかげで今日、世界ははるかによい世界だ(y gracias a ello hoy el mundo es un mundo mucho mejor)」1。
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、2024年11月に実施された米国大統領選挙におけるドナルド・トランプ氏の勝利を歓迎し、マル・ア・ラゴの集会でこのように称えた。ミレイ大統領はその後も折にふれトランプ大統領を称賛するとともに、親密な関係をアピールしている。
両者の関係にはどのような特徴があるのか、また関係強化はアルゼンチンに何をもたらしているのだろうか。
ミレイ大統領の米国訪問
ミレイ大統領は2024年に7回、2025年は12月上旬までに7回の米国訪問を重ねている。そのうちトランプ大統領との接触は、今年(2025年)だけで4回に上る。いずれもミレイ大統領が米国を訪問している。
どのような関係なのか
ミレイ大統領はなぜトランプ大統領を支持しているのか。それは、イデオロギー面での高い親和性に基づいていると言われる。両者とも社会主義、同性婚や人工妊娠中絶などのリベラルな政策、多国間の協調主義の3つに極めて批判的という点で共通している。従来の政治や既得権益層に対する市民の不満を吸収する形で大統領に選出されたという背景も共有している。
米国にとって経済的なパートナーとしての重要性は高くないにもかかわらず大統領就任式に招待するなどトランプ政権がミレイ大統領に対する優遇を演出するのは、アルゼンチンの資源確保とラテンアメリカにおける中国の影響力排除だけが狙いではな