『都市のリズム -旅する音楽、人、街の物語』 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

『都市のリズム -旅する音楽、人、街の物語』


『都市のリズム -旅する音楽、人、街の物語』
 石橋 純・伊藤 嘉章編著 鹿島出版会 
 2025年10月 195頁 2,400円+税 ISBN978-4-306-09452-9

 都市は音楽を響かせる「楽器」であり、そこから生まれる「音楽」は自由に世界を移動するが、それを自在に奏でるプレイヤーは「人間」である。その三者がつくる「都市のリズム」を背景に社会、歴史に精通した研究者、ライター、音楽家17人が18編のエッセイと2編のインタビューを執筆。住民となった人々が生み出し「土地に根付く」、生まれ育った土地を離れ新天地で暮らしはじめた人々が望郷の念を「故郷を胸に」、大航海時代以降港を出入り口に「海のむこうから」、レコードから放送、録画等技術の進歩で瞬時に世界中に広め「時空を越えて」の4つの章から構成されている。取り上げられたラテンアメリカの都市のブエノスアイレス(タンゴとフォルクローレ)、リマ(ムシカ・クリオージャ)、サンパウロ(サンバ)、パナマシティ(レゲトン)をはじめ、欧米、アフリカ、アジアの18都市の物語を編んでいる。それぞれの音楽への深い愛情を持つ執筆陣が読者を音の小旅行に誘ってくれる楽しい解説集。

〔桜井 敏浩〕

〔『ラテンアメリカ時報』2025/26年冬号(No.1453)より〕