連載パナマ・レポート 69:ルベン・ロドリゲス 2026年1月分 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載パナマ・レポート 69:ルベン・ロドリゲス 2026年1月分


連載パナマ・レポート 69: ルベン・ロドリゲス 2026年01月分

執筆者:Ruben Rodriguez Samudio(早稲田大学講師・パナマ共和国弁護士)

I. 外交

A. ベネズエラ侵攻

1月3日に公表された公式声明において、パナマ政府は、ベネズエラ侵攻は国民の声を無視したマドゥロ政権が招いた展開であると評価した上で、現在の事実上のベネズエラ当局に民主主義復帰への協力を懇願した。 同日、ムリノ大統領は、2024年ベネズエラ選挙におけるエドムンド・ゴンザレスの大統領としての当選を尊重すべきと述べて、マドゥロ政権の副大統領でありアメリカ政府に暫定大統領として任命されたデルシー・ロドリゲスを大統領として認めないことを明らかにした。

ムリノ大統領は、5日、ウルグアイのオルシ大統領、パラグアイのペニャ大統領とベネズエラについて電話で話し合い、3名の大統領はベネズエラ国民の意思を尊重しなければならないと改めて宣言した。同日、国際連合安全保障理事会の前で、非常任理事国としてパナマのアルファロ・デ・アルバ大使は、マドゥロの逮捕は民主主義への違反が招いた残念でやむ得ない結果であると述べた上で、国民を人質に取る政権を承認しないと主張し、ベネズエラ国民が2024年の選挙でゴンザレス氏を大統領として選んだことを強調した。

また、6日、米州機構の会合では、デルガド大使はベネズエラにおける事実上の政府を承認しないことを改め宣言し、さらに、ベネズエラの政治的状況はパナマの移民問題の理由の一つであると説明しつつ、民主主義への復帰およびパナマ人を含む政治犯容疑者の解放を求めた。

2025年6月に、ベネズエラ軍はパナマ国旗の民間船舶を攻撃し、テロ犯の疑いでパナマ人のオルメド・ヌニェスを含む、船員を拘束した。その後、パナマ政府がベネズエラに対してヌニェス氏の状況について幾度も情報を求めたが、11月に実施された15分の電話連絡を除き、消息不明となっていた。

1月8日、マドゥロ政権打倒後、ベネズエラの暫定政府は政治犯の釈放を公表し、23日、ヌニェス氏が無事に帰国できたことをパナマ外務省が発表した。新聞のインタビューではヌニェス氏は身体的および精神的な拷問を受けたと説明した。

2025年11月に、ムリノ大統領はベネズエラ侵攻への支援および協力を拒否し、12月にはアメリカ・ベネズエラ間に平和的解決を支援する調停役を申し出たものの、当時ベネズエラの内務大臣であったカベヨ氏が、パナマにはまともな政府などなくアメリカの操り人形であるとして、申し出を断った。

B. パナマ・日本協力

1月11日に、堀井外務副大臣は、パナマを公式訪問日経企業およびアチャ外務大臣と二国間関係の強化について会議を行った。アチャ外務大臣がパナマ首都圏都市交通第3号線建設投資に感謝を示し、今後の両国の協力可能性を検討したいと述べた。その後、22日に両国の政府代表者および専門家が集い、サイバーセキュリティ、重要なインフラ保護、戦略的な分野についてのハイレベル会合が開催された。この会合ではパナマ運河、および物流センターの防衛を中心として、両国の戦略や経験に基づく意見交換が行われた。

近年、両国の関係は深まっている。2024年に日本とパナマの国交樹立120周年を記念し、同年4月からパナマ人の短期ビザ免除制度が開始された。2025年9月、ムリノ大統領の日本訪問時には、日本政府と日本企業との会議が開かれ、ムリノ大統領は大阪万博にも参加した。